イジメの始まり

 それが始まったのはいつだっただろう。

 最初のうちは自分に何がおこっているのかも分からず、悲しみも怒りもわくことはなかった。

 生まれたての赤ん坊が、愛情も敵意も感じられないように、ただじっと周りの状態を見ていた。


「うげ!気持ち悪りぃ!こっち見るな」

「おえー」

 5年生のある日、突然にクラスの3人ほどの男子達から自分に発せられた言葉。

 その頃の日記に私はその出来事を書いていた。それは先生に毎日提出するため方眼ノートに書かれた物で、数年後にダンボール箱から見つけられた。


"今日、〇〇君と〇〇君が、私の顔を見て

「気持ち悪りぃ〜」

と言って、はくようなことをしました。

私はどうしてかなぁと思いました。"


文章の後ろに赤色で先生のコメントが書いてあった。


"それは、ひどいですね。どうしてそんな事を言うのでしょうね"


 日記を読んだ後、先生は何か対処をしたのだろうか?男の子達に指導とか注意とか…

少なくとも私が先生に呼ばれ、詳しい話しを聞かれたという記憶はない。

 

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