少女たちの邂逅

「ともかく、あなたに付いて行けばいいのよね?」


 そんな焔の問いに、真由香は頷く。


「そうね。私たちの拠点……『魔法少女の宿り木』よ」


「いやいや。魔法少女は無理あるよね、タイトル回収にしても雑過ぎる」


 焔の突っ込みに、真由香は冷静な表情でこういった。


「メタ発言が許されるのは恋愛ゲームくらいよ。『大人になれよ』とかいって炎上しても知らないわ」


「それか最悪の一時でも過ごす羽目になるかの二択、っていうのは勘弁したいかな」


 焔はそういいつつ、真由香に付いていく。


「防御力を無視した継続ダメージにスリップダメージ……正直なんだそれって感じよね」


「ともかく、もう『宿り木』は見えてくるのか?」


 その焔の問いに、真由香は東京タワーを指して答える。


「あそこが宿り木よ」


「東京タワーが宿り木だってのか。築地跡地といい、妙なとこを基地にするのが流行りなのか?」


 焔の疑問に対して、真由香はこう答えた。


「そうでもないわ。とりあえずパワードスーツは外して」


「外してって……どうすれば?」


 焔が首をかしげると、真由香はこういう。


「甲脱!」


「なるほど……甲脱!」


 パワードスーツはガントレット状に格納されるが、焔は女性のままだった。


「って、何で女の子の……」


「そういや、性別変わっているのを戻すのは別だった」


 しまった、という表情をしながら耳打ちする真由香に焔は突っ込む。


「それを先にいってよ!女の子のままじゃ困るよ」


「周りの目がある所じゃ流石に誤魔化しは効かないし、それに慣れなきゃ駄目よ」


 真由香は焔の口を抑えながらそういうのだった。

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