どこかで聞いたようなタイトルに、とても世界征服を阻止できる様には思えない勇者たち…掴みからして、もう衝撃的ですよね。
主役がこんなんで果たして物語が成り立つのか? 驚くべきことに、その回答は「イエス」です。
おちゃらけと称しているだけに、随所に散りばめられたボケ・ツッコミ・小ネタは流石です。漫才のようなテンポの良い会話と、語り手の鋭いツッコミがとにかく面白い。
そしてキャラクターもとにかく個性的、というかクセがすごい。もう一度聞いたら忘れられない名前と容姿のオンパレード。
そしておちゃらけと言っておきながら真面目な所はぎっちり真面目で、実はあらゆる所に伏線とオチが仕込まれており、終盤になるにつれてたたみかける様に明らかになっていく真実とクライマックスには衝撃と笑いが堪えられません!!
昨今のファンタジーにありがちな要素が無くても、こんなに面白い作品があるということを是非知ってもらいたいです。おススメです!
まず、見覚えのあるタイトルがインパクトをもたらします。しかし、伏線がきっちり用意されているため、改題なんてあってはならないのです。これは、ギャグが得意な作者さんのもう1つの武器と云えるでしょう。
次に、登場人物たちにも注目すべきです!
クセの強いパーティの冒険を楽しみたい? そんなあなたに、メンバーについてちょっと紹介を。
残念容姿な弱腰勇者コニタン、
僧侶なのに煩悩だらけのすぺるん、
魔法が使えないまほ……いや、マジシャンのハリー。
そして、アルパカ(!)の刺繍を彫ったちょんまげニート侍の金さん。
なんと! 戦う気あるのか無いのかわからない4人の野郎たちなのです!
ヒロイン枠を強いて挙げるなら、妖精のかおりん。男らに同行する彼女は、(彼らには勿論)あらゆる人物にしっかりツッコんでくれます!
サブキャラや敵役にもユニークな名前と特徴があるので、1度見れば忘れられないはずですよ。
神の目線である語り手も、リズミカルにしてコミカルに物語を進めてくれます。特に、綴られる最後の文や、突然の感嘆符にも注目してほしいところ。
また、タグには『おちゃらけ』とありますが、しっかりシリアスも存在します。キャラやタイトルこそ強烈ですが、明快なストーリー展開と世界観はまさに王道です。
笑いとシリアスのバランスが絶妙な『風の谷のナウマン象』。
この作品がアニメ、いや映画やドラマ化される日を心待ちにしています。
私にとって、最後まで追いかけたくなる作品の1つです。