第9話 衝撃事実?
走り去ったコニタンと追いかけて行ったすぺるんをほったらかしにして、先を行くかおりん、ハリー、金の三人。小高い丘が連なる
「師匠、なぜにあの遊び人、私たちと距離を置くのでしょうか」
「さあ、なぜかしらね」
「五人目は金さんじゃないでしょうか、師匠」
「……」
すると、モンスターが現れた。土でできた人形のモンスターが十体。
「人数が減った時にすぐモンスターと遭遇するとは」
「気を抜かないで、さあ、戦うわよ」
「はい、師匠」
戦闘開始だ。かおりんは魔法を唱える。水流が人形二体を倒したが、すぐに別の場所から新しく二体が出現した。ハリーは
「あれ、仕掛けが壊れた、ヤバッ! うわあ、来るな! どあああ!」
ハリーは包囲を抜けて、丘から転がっていった。
金もモンスターに囲まれている。倒してもすぐにまた出現してくる土の人形相手に、劣勢だ。金も人形のモンスターから逃げるように丘から転がっていった。
「ハリーさん! 金さん! ええい、水流魔法!」
かおりんの魔法は一気に四体を倒した。が、すぐに新しい四体が出現した。
「きりがないわね」
かおりんも人形たちの囲いを突破して走っていった。一応、戦闘終了かな。
その頃、コニタンは叫びながら走り続けていた。
「嫌だあああああ!」
「おい、コニタン、待てよ!」
追うすぺるんに疲れが見えてきた。
「お前、速いぞ……ハア、ハア……」
それからしばらく後、付近の林の中で二人の男が何やら密談している。
「拳銃を撃ってきたときは、ちょっとビビったで。さすがに銃弾は、わての魔法でもはね返せんからな」
「空砲に決まってるだろ」
「そんなん、わからへんで。いつだ誰が裏切るかなんか、わからへんでー」
「
「
「あんたは、私の仲間から死んだと思われてる。これで動きやすくなったと思う。例の件、頼むぞ」
「自信満々で言うことはでけへんけどな、まあ任せとき」
木の陰で、ハリーと死んだはずのアホ雉が話し込んでいた。
そこへかおりんが来る。かおりんは、ハリーが誰かと話しているのに気づいて近づいてきた。きっと金と話をしているのだろうと思っていたのだが、ハリーの相手を見て、かおりんは立ち止まった。話が終わったのか、アホ雉がその場を離れようとする。とっさに身を隠すかおりん。ハリーも、去って行く。
かおりんは動揺して、その場から動くことができなかった。そして、気持ちを落ち着かせてから、ハリーの後を追いかけていった。
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