第32話 最終試験 ドネイVSレネ

「なっ......これは」


クラトス達が目にしたのものは、激しい戦闘の後であろう、試合会場にはあちこち穴が空いている、そして女とその近くのボロボロなエルフ、そうドネイ=イリである。



時は少し遡る――


試合会場 Dの3

試験官である犬の獣人オルイア=ゲル、そして

「ではドネイさんにレネさん位置に」


ドネイとレネ......と呼ばれた暗めの茶髪にロングヘア―で全身を緑の服で着飾った女はお互い向き合うと、ドネイ=イリは余裕そうに構える女を見る。


「ドネイ=イリさんにレネ=ポッドーさん、お互い魔導師として誇り高く戦ってください」


「......」

「......」


お互いそれぞれ構えると


「試合、はじめ!」


こうしてドネイ=イリとレネ=ポッドーとの試合が始まるのであった。



向かい合うドネイとレネ、最初に動いたのは――

「短期決戦で行くぜ!」

ドネイであった。


ドネイは緑色の光りを右手に纏いながら払う。


「俺に力を貸してくれ!」


払った右手から現れたのは緑色に発行している小さなヒト型の何か

レネはドネイが行った魔法を瞬時に理解する。


「召喚魔法ね」


レネはドネイが行った魔法を平然と見ていた。


「精霊エン、頼む!」

「うん、行くよ!」


ドネイはエンの目を見て頼むとエンは頷き。


「『風の息吹』」

レネに向かい息を吐きだすと息は暴風となり、レネに向かい襲い掛かる。


「はっ!」

しかしレネは目の前に迫る暴風を横に飛び込むように避け、

「『霧隠れ』」

自身の周囲を霧が包みこみ身を隠す。


「霧の魔法じゃ風に不利だぜ、「ストーム・ブラスト」」


レネの霧を払うように竜巻を放つがレネは走りながら霧をまき散らすためにうまく充てることができない。


「逃げてばっかりだと勝つことなんてできないぜ」

「『風の息吹』!」

レネの霧の妨害を風で吹き飛ばしながらドネイとレネは魔法放ち続ける。


「『霧隠れ』」


レネは変わらずに周囲を走り回りながら霧まき散らしていく。


「(こいつ......逃げに徹しているな......何かあるのか?)」


ドネイとエンは逃げ回るレネを攻撃し続けるのであった。



その様子が続くと観客席の魔導士達も興味深く見ている。


「なぁ?あの女はなんでずっと逃げてるんだ?」

「さぁ?」


逃げ回る女とそれを応用に攻撃するエルフ、一見すればエルフのドネイの方が有利なように見えるが......


「はぁ......はぁ......」


ドネイは息を切らしていた、短期間に魔法連発したことで魔力が枯渇し始めていた。

「ドネイさん、魔力がギリギリです......」

それに加えて召喚魔法による精霊の行使

「(俺は魔力の量がもともと少ない、だから短期決戦で済ませたかったんだがな......)」


ドネイは息絶え絶えながら立つ、レネもまた霧の魔法を打ち続けていた、相手の疲労は溜まっているはずだとドネイは考えた。


「そろそろ潮時かしら?」

「?」


レネの突然の言葉に呆気にとられるドネイ、そんなドネイを気にせずに話を続ける。


「魔法を放った後の魔力は目には見えないだけでその残滓は残っているの」


レネはドネイの魔法によりクレーターだらけとなった会場に目を向け一つのクレーターに手を付ける。


「『魔力集合』」


レネが叫ぶと大地や大気から紫色の光......魔力がレネの周囲に集まっていく。

「っ!?」


「ふふふ、すごいでしょ?」


レネの頭上に魔力の塊ができていく。

「さぁこれで終わり!『魔力巨弾』」


レネの巨弾はドネイに向かい襲い掛かる――



バァンッ!


しかし、ドネイは何とか攻撃を耐えていた。


「わりぃエン、守ってもらっちまった」


それは精霊エンがドネイを庇って攻撃を一部肩代わりした為であった、しかしドネイすでに魔力を大量に消費して満身創痍、それに比べてレネにはまだ余力がある。


「......もう周囲に魔力は残ってない、けど初歩的な魔法くらいは使えるわ」


レネは右手を鉄の爪に変える。


「っ......負けるわけには......」


ドネイはギリギリのところで踏ん張る、何か逆転の一手はないか、何か忘れてはないか、ドネイは思考するそんな中でもレネは近づいてきて――


「ドネイ!」

「っ!」


聞き覚えのある声が聞こえた


「クラトス」


クラトスの声が聞こえた瞬間ドネイは動いた前かがみになり近づいてくるレネの懐に走る――


「無駄なあがきねすぐに終わらせて――」


だがドネイは予想外の速さでこちらに向かう


「っ早い!『アイアンクロウ』」


レネはエルフであるドネイの速さを見くびっていたそしてそれが――


「魔道具『魔切の短剣』」


レネの敗因となる。


ドネイは腹に隠していたクラトスから貰った魔道具を使う、『魔切の短剣』、それは魔法に対して有効な武器、それはレネの『アイアンクロウ』を――


バリンッ!


破壊し――

「っ!」


レネの体を切りつける。


「ぎゃあ!」


ドネイの短剣による一撃はレネの体を斜めに切り裂く、それは致命傷にも見え、審判のオルイアが急いで走る。そして


「両者そこまで!」


オルイアは急ぎ両者を見る、倒れたレネとボロボロながらも立っているドネイ、その結果は明白である。


「......勝者はドネイ!ドネイ=イリ!」



こうしてドネイは無事、最終試験を突破することができた、試合が残っている者は

ナイミア=ピリス

ガルフ=アトラ

アリス=オネロ

クラトス=ドラレウス

彼ら彼女らが戦う相手は誰なのか、クラトスとアリスはどのように戦うのか――


次回へ続く――

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