第1話 煌く星空の下で 2
「………見られちゃった…………」
ベットで寝転んでいた女性はタヌキの顔がイラストされたクッションを
「あああぁぁぁぁ!……………」
昨日の出来事がフラッシュバックする度に顔を赤らめ、恥ずかしさから奇妙なうめき声を上げる。
彼女の名前は
真奈は大学一年目の時から深夜帯の誰もいない、見晴らしのいい高台にある公園で踊ることが習慣になっていた。一人暮らしという親に
「どうしよう…絶対変な奴だって思われてるに違いない………」
今まで誰にも見つからずにいたことが
しかも急いで逃げ出したせいでシュシュを落としてしまったのだ。友人と一緒にお揃いのものを買って、日頃から使い込んでいたので愛着を持っていた。今朝そのことに気付いて探しに向かったが見つからなかった。
「うぅ……とりあえず二度寝しよう………」
嫌な事は忘れるに限ると自身に言い聞かせながら
数分も経つと寝息をたてるようになった。真奈は青空が広がる昼下がりから
「う〜ん、寝過ぎて全然眠くない。どうしようか」
眠りから覚め、食欲もないままじっと考え込む。日付が変わるまで一時間をきっていた。
「今日も行く?…でも昨日見られたしなぁ…」
正直寝付けないままベットをゴロゴロするのは苦しい。とは言ったものの、やることもないわけで。
「………行こうか」
週に二回程度ではあるが、すでに日課となった深夜帯の散歩。運動も兼ねているのでスタイルの維持には欠かせないものに成りつつあった。
家を出ると真っ直ぐ誰も寄り付かない公園へと向かう。公園には遊具が少なく、
「よし!誰もいない」
そしていつもの外灯の下へと向かう。あそこからだと遠くに見える都内のビル群が作り出す
「うん?」
近づいていくと少しずつタバコの臭いがし始めた。疑問に思いつつも外灯へと歩み寄る。すると外灯の先、下り階段の
「アワワワ………」
取り乱していると、どうやら人影はこちらの存在に気付いたようで、近づいてきた。立ち
「すみません、昨日の夜中にココで踊ってた人について、何か知りませんか?」
今度は一言も
眠れない私達の変奏曲 甘蜘蛛 @HLofCAFL6741
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