第1話 煌く星々の下で
終電に乗り遅れて歩いて帰る
「週末にこれかよ……」
会社の上司に飲み会に誘われ、断りきれずに付き合った結果がこれだ。自分以外の全員が
だがそれも失うような試練が目の前に立ち塞がる。
「これを登るのか……」
彼の前には山の上へと続く長い階段があった。なだらかな
しかしこの山を越えた裏側に彼の自宅があり、近道だった。
「ハァ…ハァ…ハァ…」
休憩を挟みながら少しずつ階段を登って行く。階段と階段の間の小さな通路を照らす
「もう少し…あともう少しで頂上だ……」
頂上が見え始め、気力が
「?なんだ?」
よく見ると頂上に外灯の照らされるくるくると回る人影があった。階段を登り、近づいて行くと全体像がわかるようになってきた。
どうやら女性のようだ。顔はよく見えないが、大きめのヘッドホンをつけていた。大きめのスエットを着ているため袖から手が出ておらず、振り回す度に中折れしていた。
彼女はリズムに乗りながら踊っているようだが、お世辞にも上手いとはいえるものではなかった。
しかし気づかない内に
彼女は自由だった。あたりを静寂と
無邪気さに満ちあふれた
「なんだったんだ……」
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