第3話 街までの道

俺とシステアは何もない草原を1時間くらい二人で歩いていた。

「和人さん、私疲れちゃいました。おんぶしてください」

「我慢しろ。お前が変なところに転生させたのが悪いんだろう。あとこっちの方向に街があるって言ったのはお前なんだからな」

「仕方ないじゃないですか~。座標を合わせるの大変なんですよ。あとこっちの方向って言ったのは神の感的なものなので安心してください」

俺とシステアがしゃべりながら歩いていると前から5人組のガラの悪い男たちが俺たちに近寄ってきた。

「兄ちゃんとお嬢ちゃん。金目の物置いていきな」

真ん中のリーダー格の男が言ってきた。

金目の物っていっても無いしな。俺とシステアは見てのとおり何も持っていないし、服以外身に着けているものもない。

俺は何か渡せるものが一つでもないかと考えていたらリーダー格の左にいた男が俺の胸倉をつかんで怒鳴ってきた。

「何黙ってるんだ!ゴラァ!シゲさんのランクは4だぞ!早く金目の物出さないと痛い目にあうぞ」

おそらくシゲさんとはリーダー格の奴だろう。ランクとはなんだ?と考えていたら俺の後ろの方から聞いたことのある女の声が聞こえた。

「やめなさい。あなた達」

俺はその声の方を向いた。そこにいたのは、金髪の女だった。その女は俺を学校で助けてくれた女の顔と瓜二つだった。

「今すぐやめないのなら私があなた達の相手をするわ」

金髪の女はそう言うときれいな鳥の紋章が描かれている剣を構え戦闘態勢に入っているようだった。

「その剣に描かれてる紋章、ギルドの人間か。面倒だ退散するぞ」

リーダー格のシゲさんはそう言うと他の4人を連れて去っていった。


「あなた達ケガはない?」

金髪の女は俺とシステアに問いかけてきた。

「あぁない」

「ないです!助けていただきありがとうございました」

俺とシステアは問いに答えた。


「システア。この女の顔見覚えがあるんだが。まさかこの女も転生してきたんじゃないのか?」

俺は女の顔を見たときに思ったことをシステアに耳元で問いかけた。

「そんなことはないです。この世界に転生しているのは私と和人さんだけです」

システアは自信満々で答えた。

まぁそうだよな。別の世界なんだから似ている人なんているよな。


「あのー、あなた達どこに向かっているの?」

金髪の女は不思議そうに俺に問いかけてきた。

「どこって街を探して歩いていたんだけど」

俺は問いに答えると金髪の女は驚いて言ってきた。

「こっちの方向に街なんてないわよ。街があるのは真逆よ」

俺はシステアをにらみつけた。

「おい、自称神様。神の感とは何のことだったんだろうな?街はこっちにはないってよ」

システアは俺の発言を聞くと顔を真っ赤にして下を向いて黙り込んだ。


「よかったら私が連れて行こうか?」

金髪の女は俺とシステアに言ってきた。

「いいのか。ぜひお願いします」

俺は自称神のシステアに案内されるのはうんざりなので金髪の女の提案に即座にお願いした。

システアは俺を見て頬を膨らませて俺をにらんでいたがそんなことは関係ない。


「そういえば自己紹介がまだだったわね。私はアリス」

「俺は佐藤和人」

「私はシステア」

「じゃあ行きましょうか」

自己紹介も簡単に済ませて、アリスが先陣をきって街までの道を案内し始めた。










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