第2話 自称神のロリっ子

事故って気を失った俺は肩のあたりをバンバン叩かれていることで目が覚めた。

しかし、俺が今いる場所は事故にあった場所でもないし、病院でもない真っ暗な空間だった。その真っ暗な空間には豪華な椅子一つと俺の肩を必死に叩いて「起きて、起きて」と言っている小学3年生くらいのロリッ子しか見当たらない。

ロリッ子は俺が目を覚めたことに気づくと安心して、豪華な椅子に座りポケットから短い杖を出して言ってきた。

「どうも初めまして、私はシステア。簡単に言うと神様です」

はぁ?神様?なわけあるか。こんな関わったら犯罪レベルの見た目のロリっ子が神様なわけないだろ。

俺は自称神のロリっ子システアを疑いの目で見た。

「あー、その顔は疑ってますね。」

当たり前だろ。突然神様ですって言われても納得できるか。

「この杖ですごい魔法か何かで攻撃してくるかを」

「いやちげーよ。そんなことは微塵も思ってないわ。お前が神様かどうかを疑っているんだよ」

「そっちでしたか。へへ」

システアは照れて顔を真っ赤にした。


「まぁ私が神様ということは今は証明できないので、どうにか納得してください」

なんて強引な納得のさせ方なんだ。

「では本題に入ります。あなたは車に撥ねられて死にました。どうしますか?生まれ変わりますか?」

「なんかあっさりだな」

「こういうのは案外あっさりなんですよ」

そういうとシステアはとびっきりの笑顔でほほ笑んだ。

なにかわいい!ダメだダメだ。相手はロリっ子犯罪になる。

「あ、生まれ変わる以外に異世界転生もできますよ」

え?今なんて言った。異世界転生だと。オタクの夢でもある異世界転生ができるだと。

「マジで異世界転生できるのか?」

「マジです。本気と書いてマジと読むくらいマジです」

「じゃあ異世界転生でお願いします」

「わかりました。ではあなたのステータスはある程度のレベルに設定しとくので」

「おぉ、助かるわ」

システアは椅子から立つと羽を背中から出して宙に浮いた。

「ではあなたは今から異世界に転生されます。準備はいいですね」

「おう」

システアが呪文を唱えると俺を中心に魔方陣が出てきて光出した。

「これから頑張ってくださいね」

システアがそう言うと目の前が真っ白になり俺は気絶した。


目が覚めると俺は草原にいた。

空には島が浮いていたり、見たこともない鳥が飛んでいた。

本当に異世界に転生されたんだ。

「よっしゃーーーーー」

俺は喜びのあまり叫んだ。

「ちょっとうるさいですよ」

ん?何か聞き覚えのある声が聞こえたんだが。

振り返るとそこには自称神のシステアがいた。

「なんでお前いるの?」

「いやーなんか転生失敗して自分も一緒に転生されちゃいました。てへっ」

てへっじゃねーよ。

「ちなみにあなたが魔王倒すまで私戻れないので」

「え?まじで言ってんのか。なんで?」

「魔王倒すまであなたをこの世界から逃げられないようにルールを付けたのですが、それが私にも適用されちゃったみたいで」

魔王倒すまで逃げられないって聞いてないぞ。

「神様が失敗ばかりで大丈夫かよ」

「神様っていっても、私今回が初仕事なので」

おい待て待て待て。初仕事だと?

「まぁ細かいことは忘れて、張り切って異世界生活頑張りましょう」

こうして俺の異世界生活はロリっ子の自称神様システアと始まった。






  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る