教育係の過去
ーーあなたにとって、過去とはどういったものですか?
俺の過去は失敗続きだった。
王子の教育係として、王城に勤めていた頃。
あの少年の闇に気づけなかった。
貧民街で起きたとある痛ましい事件。
愉快犯の犯行によってとある孤児院が燃やされ、王子は心を閉ざしてしまった。
そしてその結果、今まで親しくしていた弟とも溝が深まるばかりだった。
俺は自分の至らなさを思い、城を出て、トワイライト村にやっかいになっていたが、そこでも問題が起きた。
悪魔教という連中が、その村をのっとったらしい。
悪魔が復活する門、などただの言い伝えの産物を手にいれるために。
トライライト村は、昔の慣習をただなぞって、その門の手入れをしていただけだ。
ただの目立つオブジェとして扱っていたそれのせいで、村が壊滅する時がくるなど誰が思うだろう。
狂信者の歪んだ認識や内心など、理解できる方がおかしいのだから、そうなるのはある意味仕方なかったのだろうが。
幸いにも一人の少女シェフィは逃げる事ができたが。
他ににげられたものがいるかは確認できていない。
俺はやはり、誰かを助けるのには向いていないのだろう。
俺が兵士だったのはもはや、ただの人生の間違いにすぎない。
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