第10話




『どういう事だ、アザゼル』


ミカエルは槍を取り出すと、構えながらアザゼルに問いかけた。



『”邪魔者を排除する”・・それだけだ』


そう言うとアザゼルがミカエル目掛けて攻撃を開始した。


それに連なって怪物たちも襲いだした。


貴美子は左右の腰に装備した短銃2丁を取り出すと室内お構いなしに怪物目掛けてぶっ放した。








《状況は? どうなっている》


楓のワイヤレスイヤホンに佐渡から通信が入った。


『アザゼルが攻めてきた、亀裂の衝撃でZACKの電力が低下している』


《何だって》


『オレと久能で地下の電力室に行く、そこで電力の再起動を行う』


《楓さん・・ちょっと大変です・・》


緒方が怯えながら通信に入ってきた。


『どうした?』


《HK道の時の怪物がこっちに向かってきてます・・》


緒方がデータ解析を行っているZACKのメイン本部に複数の怪物が入り込んできていた。





3




【ガルルルルルゥー】


黒い怪物は口からよだれを垂らしながら、緒方たちがいるZACKのメイン本部になだれ込んできていた。



数名のZACK職員がデスクの下に装備さえていた拳銃を構えた。


しかしメイン本部の職員は実践経験にない分析チームなので、構えた手が震えていた。



『落ち着きませんか・・? 僕らはあんたらに危害を加えませんから・・』


緒方は聞くはずないと分かっていながらも怪物に優しく話しかけた。



《緒方くん、そっちにジェネシスを向かわせているからもう少し耐えてくれ》


佐渡が緒方のワイヤレスイヤホンに話しかける。



『いやー・・ちょっと間に合わないかも・・』



怪物が緒方目掛けて飛びかかってきた。



緒方は頭を抱え、しゃがみ込んだ。


もう襲われる覚悟をしていたが、数秒経っても何も起こっていない事を不思議を感じていた。


ゆっくり顔上げると目の前に怪物が倒れ込んでいた。


その怪物の額には矢が突き刺さっていた。




緒方の目の前にはナイトイーグル/楠木宗介が弓矢を構えていた。




『楓さん、ここは任せてください』








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