第3話
ZACKの仮設本部に集まった楓、久能、楠木、黄昏はすでにスーツアップしてた。
鳥飼楓は黒い体にフィットした全身スーツに黒いマフラー、顔の半分を覆い尽くす黒いマスクをつけた”クロウ”に。
楠木宗介はダークグリーンの楓と同じくフィットした全身スーツに弓を持ち、背中には矢筒がかけられており、顔にはダークグリーンのアイマスクが付けられた”ナイトイーグル”になっていた。
黄昏貴美子は全身黒のスーツを身に纏った”ブラックカイト”。
久能秀隆は深紅の全身スーツを身に纏った”レッド・バロン”になっていた。
『先手必勝で行くか?』久能が口を開く。
『相手の素性が分からない間は先に動くのは危険だ』楓が制した。
『このままにらめっこか?』久能が冷やかす。
『楓の言う通りよ、先に動くのは危険だわ』黄昏貴美子も同調する。
『このまま帰ってくれると有り難いが・・』楠木宗介がつぶやく。
『まだ動きを見せないのであれば、無理に攻め込む必要はない』佐渡が最終的な権限で制す。
『あいつら一体何者なんだ・・?』久能は改めて疑問を呈した。
しかしその瞬間はいきなりやってきた。
外で亀裂の調査をしていたZACKの職員がうっかり、亀裂付近をサーモグラフィーで映していた機材を倒してしまった。
その音に亀裂付近に群がっていた怪物たちが一斉に向かってきた。
『ひ!ひ!・・ひゃー!』慌てて逃げる職員たち。
しかし大きな羽を最大限に広げた怪物はあっという間に職員の方へと近づいていく。
もうダメかとあきらめた職員はその場で頭を抱えしゃがみ込んだ。
その時、ドン!という音と共に怪物は後ろに吹き飛ばされていた。
職員がゆっくり顔を上げるとそこに久能秀隆/レッド・バロンが立っていた。
『早く逃げろ』
職員は慌ててテントに逃げ込む。
吹き飛ばされた怪物はゆっくり起き上がると久能目掛けて突進してきた。
久能は大きく右腕を伸ばして反動をつけると再び怪物の顔面に打ち込んだ。
更に吹き飛ばされた怪物は意識を失って倒れていた。
それを見ていた亀裂付近にいた同じ怪物たちが一斉に攻め込んできた。
パン!パン!パン!パン!
黄昏貴美子/ブラックカイトが両手に拳銃を構え、撃ち放つ。
それすら交わしてブラックカイトに突進してきた怪物が飛び上がって襲いに来た。
しかし次の瞬間、怪物の額に矢が突き刺さっていた。
怪物はその場に倒れ込んで息絶えていた。
『ありがと、宗ちゃん』ブラックカイトがウインクする。
『ミッション中はコードネームで呼び合え』
こん棒を巧みに操り怪物を2・3体一気に倒した鳥飼楓/クロウが諭す。
クロウ、レッド・バロン、ブラックカイト、ナイト・イーグルの4人が横一線に並んでいた。
2
尚も黒い怪物は攻め込んでくる。
ナイトイーグルは後方から矢を放ち、怪物を蹴散らす。
クロウは地上で怪物と応戦する。
ブラックカイトは拳銃で怪物と対峙している。
ZACKの特殊部隊”ジェネシス”も怪物と応戦していた。
レッド・バロンは両手を大きく伸ばし、怪物を一斉に蹴散らしていたが、怪物は尚も亀裂付近から攻め込んで来ていた。
『クソ!数が多すぎる!切がないぞ!』
そう言うと久能は大きくジャンプして亀裂付近へと近づいた。
『レッド・バロン!亀裂付近は危険だ!近づくな!』楓は耳に付けているワイヤレスイヤホンに手を当てて叫んだ。
『このままだと永遠に怪物相手してるだけだぞ!亀裂付近に何か手がかりがあるかも知れない』
『ダメだ!やめろ!』楓は制する。
久能は聞く耳を持たず、亀裂付近に飛んでいった。
『ナイトイーグル、レッド・バロンを後方から援護出来るか?』
『矢の射程距離外です』
《ジェネシスがジェット機を飛ばす、それに乗るんだ》佐渡が指示を出した。
『わかりました』楠木宗介はそう言うと飛び立とうとしているジェット機に飛び乗った。
ジェット機は久能の後を追って亀裂付近に向かう。
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