天蓋を穿て

鼓ブリキ

第一部 地にありてディアーナ

プロローグ


 ――いつかわたしに会いに来て。

 昔から何度も見た夢。

 そうは言うけど、君は誰なの。何処にいるの。

 ――絶対、会いに来てね。

 彼女が返事をする事はない。ただ、僕を呼ぶだけ。

 その人はとても眩しい。

 ――待ってるから。ずっと。

 ……。

 …………。

 ――。






 これからするのは、『僕』の話。

 生まれつき心臓に欠陥があって、大人になるまで生きられないだろうって、お医者さんが言ってた。

 それはある面では合ってたし、別の側面から考えれば外れた予想。

 ……何処から話せばいいだろう? 誰に聞いてもらえなくても構わないけど、やっぱり順序立てて話した方が良いんだと思う。

 ええと、そうだな――

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