第一章 幕開け
しばらくの雑談の後、俊一が、こう言った。
「ところで、ホラー研究会では、いろんな噂話などを検証していきたいと考えている。」
バンッと、机の上に、いろんな資料を乗せると、俊一は、一冊の古いノートを手に取る。
そこには、表紙に『夢日記』と書かれてあった。
「諸君等は、夢日記を知ってるか?」
俊一の言葉に、みんなは、眉を寄せた。
「説明しよう!夢日記とは、その日に見た夢を日記に書いていく。すると、夢をコントロール出来たり、精神が崩壊してしまうという噂だ。」
それを聞き、一也は、クスッと笑う。
「どうせ、噂でしょ?」
一也の、その言葉に、俊一は、少し声を落として言う。
「ところがどっこい。その夢日記、噂ではなく、真実なのだよ。証拠は、この日記。」
机の上に、日記を置くと、俊一は、話し出す。
「これは、我がホラー研究会の先輩の一人が書いた夢日記の一冊。ここには、先輩の見た夢が書かれてある。そして、それを続けた結果も書いてあるという。しかし、この日記の内容を誰も知らないのだ。」
話を聞き、叶多が尋ねる。
「何故です?その日記を読めば、分かるでしょ?」
そう言った叶多に、今度は、梨菜が口を開く。
「これを見なさい。」
梨菜は、日記をパラリと捲る。そこには、確かに、何かが書かれてあるが、その上から油性のマジックで、ぐちゃぐちゃに消されてあった。
「この通り、読めなくなっているの。このノートの最後。」
梨菜は、ノートの最後のページを開く。そこには……。
-夢日記は、決してしてはならない-
と書いてあった。赤いマジックで。
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