可愛い黛玉


 黛玉はその後、十歳になると中原シティ高等女学校のロリータ課程に入学しました。


 入学式に立ち会った二人に、

「妙玉お母さま、二娘お母さま、それではここで」

 黛玉はかなり大人びた物言いをする美少女に育ちました。

「気を付けるのよ、お休みには必ず帰ってくるのよ」


 中原シティ高等女学校は全寮制、ロリータ課程と言えど寄宿舎生活なのです。


 二娘が、

「貴女がいないとさみしいわ……でも、よくここまで育ってくれました……」


「二娘お母さま、黛玉はお母さまたちとご一緒に娘娘(にゃんにゃん)様にお仕えするのが望みなのです、その為にこの学校で色々と学びます」

 とても十歳とは思えぬ物言い、妙玉と李二娘はかなりしっかりと娘を躾たようです。


 妙玉が、

「ところで黛玉、ロリータ課程では夜毎のことは教えないと聞いていますが、何時も娘娘(にゃんにゃん)様に身を捧げるための努力は怠ってはいけませんよ」


 おかしな会話が交わされていますが、パープルトルマリンの二人の家庭に育った黛玉さん、なんの疑問も感じてはいません。 


 ハレムの世界では極めて真っ当な会話なのです。


 黛玉さんは中原シティ高等女学校で一号生徒となり、のちに側女となり、将来は夫人から佳人になろうと噂されている様です。


 FIN

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