兇賊の噂
崋青州の青天より南西、趙と白蛮国の国境近くに永勝という町があります。
小さい町ですが一応は近隣の村落の中心地、人口は一万弱程度です。
この永勝という町の近郊で、盗賊が派手にのさばり始めました。
牙人――宋代には、邸店と呼ばれる仲買問屋と生産者の間をとりもつ周旋・仲買人を指す、邸店の上に大消費地を繋ぐ客商がある、ウィキペディアより。
さらに作者が例としてあげれば、客商は京都の室町、上問屋で染物を取り持つ悉皆業が牙人にあたるような気がします。
その下にある西陣は織物で室町に織物を納めている下問屋で邸店に該当する気がします。
間違っていてもごめんなさいです、By作者――が襲われ始めたのです。
こんな話、ネットワークではどうしたという話なのですが……
すこしばかり、王母娘娘(わんむーにゃんにゃん)が怒りそうな話がでてきたのです。
人身売買を行う女牙人の存在が明るみに……これぐらいなら女衒(ぜげん)と代わりはなく、褒められはしませんが目くじら立てるほどではないこと……
殺された女牙人について調査していると、あってはならない『人攫い』が発覚。
これが青天出身の西岳崋山白雲宮の女官の口から、『ウェイティングメイド』妙玉の耳にはいったのです。
趙の高文帝は妙玉からこの話を初めて聞き、まずいと思ったのか、『人攫い』を禁止する勅命をだします。
そして特に崋青州刺史に命じて、『人攫い』にかかわった者の捕縛と厳罰を命じました。
捕縛された中に、千秋の父が殺されたときにいた使用人がいました。
あきれたことに、西岳崋山白雲宮の女官、葛丹秋の名を出し、夫を殺した者たちの情報を教えるので引き換えに減刑を願ったのです。
『ウェイティングメイド』妙玉にこの話が伝えられますが、これがまずいことに王母娘娘(わんむーにゃんにゃん)の耳に入ったのです。
「減刑など不要!凌遅にしてしまいなさい!」
「首は塩漬けにして、西岳崋山の娘娘廟まで持ってきなさい!」
その男は三日にわたりもだえ苦しんで死に、皇帝の使者がいわれたとおりに塩漬けにされ首を娘娘廟に運んできました。
娘娘(にゃんにゃん)さん、首を受け取ると一瞥ののち燃やしてしまい、一枚の紙を使者に渡します。
「こんな汚らわしい男に墓など無用、他の者どものことはこれに書いてある、後をお願いする」
といったのです。
……さて、千秋の敵討ちでも手伝ってあげますか……でも相手が強そうね……
二人の女ならば勝てそうですが、首領はね……手裏剣術なら……威力次第だけど……
千秋が手裏剣を使うと知られれば通用しそうもない……うーん、やはり女が先ね、それもムエタイで叩きのめして、打撃系統の使い手と思わせなくては……
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