『小さなお話し』 その21の6


 赤い光は、灯台のようなモニュメントのふもとに輝いていたのである。


 『先生、ドアがあります。』


 『ああ、きっと、補修用の出入口だな。おそらく、中には階段があって、上に上がれるんだろう。開けられるかな。』


 この時代のごきは、体もかなり大きくて、力もあった。


 『よいっしょ‼️』


 ふたごきは、頑張って、固くなったドアを開けたのである。


 幸い、鍵などは、かかっていなかったか、壊れていたのだ。


 開けてみて、彼らは驚いた。


 たしかに、階段があった。


 しかし、それは、上ではなく、下に向かっていたのだ。


 『地下室に行くのかな? なんか、へんだ。』


 弟子ごきが言った。


 『ああ、しかし、確かめて見ようじゃないか。降りよう。』


 階段は、やはり、うっすら、赤い明かりにうかんでいる。


 にごきは、けっこう、深くおりたのだ。


 すると、なにやら、古びた小屋のようなものがある。


 『こりゃあ、古代の遺跡だ! おそらく、地球人類の民家じゃないかな。』


 『大発見すよ。先生、ノータラン・ゴキ賞クラスかも。』


 『まあまあ、確かめてからだ。この、ぼろぼろの木の扉を引っ張って、みよう。よいっしょ、よいっしょ。あ、開いた。あら〰️〰️〰️〰️〰️〰️〰️〰️‼️』


 ふたごきは、空間の狭間に落ちてしまったのである。




 ・・・・・・・・・・・・・・・・・


 『いらっしゃいませ。』


 スーツに、蝶ネクタイの、かなり大きなゴキが立っていたのである。


 しかし、なんだか、オールド・タイプのごきだ。


 『あやたごき、正装ではない。こうした場合は、レンタルいたしますが、いかがなさいますか?』


 『ああ〰️〰️。じゃあ、貸してくれ。ふたり分だ。』


 『かしこまりました。では、誓いの言葉をおっしゃってください。私が申しますので、あとについて、繰り返して、ください。』




 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 『はとさぶろの放蕩生活』第6話に続く!

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『小さなお話し』 その21 やましん(テンパー) @yamashin-2

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