『小さなお話し』 その21の3
『こんな、ばかでかい建物で、なにを、作ったんだろですね、先生。』
『ああ、科学省は、知ってるんだ。言わないがな。』
『武器ですか⁉️』
『いや、ここらでは、武器は作ってなかったと、私は見ている。おそらくは、陸を走る、からくりのわんことか、にゃんこだ。人がなかにはいって、うごかす。』
『なんと。』
『良く調べれはわかるが、いまは、先に行こう。ここは、ごき手がかかるしな。』
『あ、あれ、教授、ほら、…………これ、真ん丸な………なんだろう、かたいな。』
『ふうん。たぶん、タイヤの一部だな。』
『たいや?』
『くるくるまわり、上に乗ってるからくりを移動させるのだ。こいつは、そのいちぶだろう。』
『はあ………』
『宇宙ごきは、ノミ・スギー星人、ヤリ・スギー星人などと呼ばれる連中と手を組み、地球ごきや、人間をはじめとする、パルチザン勢力を掃討した。人間は、ほぼ、絶滅した。その後、地球は、われわれ、ごきが支配しているが、地球ごき、は、宇宙ごきの、手下になりさがった。いまの政府は、その流れを汲んでいる。ま、傀儡政権だ。そう、ぼくは、みてるがね。政府の中枢にいるのは、宇宙ごきに違いない。連中は、かつて、地球ごきが、地球人類と、手を組んだ時期があったことを、ひたかくしにしている。地球ごき、が、宇宙ごきを、敵視しないように、ね。ぼくは、そこを、解明したい。』
『はあ、教授は、すごいこと、考えてたんですね。弟子にも、教えないで。』
『危険だからだよ。君は、今回、危険のなかに、入り込んだわけさ。ま、ぼくらは、学者の卵さ。戦争に興味はない。事実を知りたいだけさ。さあ、先に行こう。』
ふたごきは、破壊された工場のがれきのなかを、進んだ。
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