【ノルマ】かんぽの営業が元TOKYOの山口メンバーそっくりだったせいで、私までまんまと騙された件【ブラック企業】
男の背後では、五月の強烈な日差しが後光のように輝き、日焼けした口元からは、まるで北朝鮮の軍事パレードの如くに一ミリの狂いもなく整列した真っ白な歯が覗いていた。
私は眩しくて、思わず目を細めた。
それは本物のスターだけが持つオーラの輝きだった。
『元メンバーだ。元メンバーがいる。元メンバーがうちに来たよ』
元メンバーを前にして、私のテンションはマックスに跳ね上がり、一瞬にして心を鷲掴みにされてしまった。
この時点で、最早、敗北は必至だった。
『何故、山口メンバーがここにいるのだ。DASH村が近くにあるのか』
いや、冷静に考えれば、あれは確か福島だったはずだ。
それにDASH村は、事件以来出禁になっているだろう。
では、何故元メンバーがうちになんか来たのか。
よく見ると、何やらいかめしい制服を着ている。
それにネームプレートには『JPかんぽ生命』とある。名前も違った。
『もしかして、名前を変えてJPに転職したのであろうか。そうだ、きっとそうに違いない』
私の歓喜と驚愕と疑念をよそに、元メンバーはこのようなことを言ったのだった。
今回満期を迎える母の保険Aの保険金を、現在私の名義で加入している保険Bの保険料に充てることが出来ます。そして、また新たに保険Cに加入しては如何ですか。
それを聞いて、私は考えた。
『保険Bの保険金が下りるのか。車買えるじゃん』
続く
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