第4話 私と綾子先輩Ⅱ

綾子先輩のお部屋で二人きり

というのはお恥ずかしいというか、

照れるというか、何て言えばいいでしょう。


とにかく二人きりというのはまずいです。


いくら知り合いといっても綾子先輩は

私にとって憧れの人なので困る。


このままの空気は本当にまずいので

どうにかしないといけません。


「綾子先輩」


「雪どうしたの?」


「綾子先輩はどうしてキスの事を

聞いてきたんですか?」


「それを聞いちゃうのね」


「はい」


「そうね、キスってした事がないので

してみたいというのが本音ね」


「そうなんですか」


「雪もキスした事ないの?」


「はい、ありません」


「そっかぁ~」


「どうしたんですか?」


「ねぇ、キスしてみる?」


「えっ」


綾子先輩は何を考えているのかは

知りませんけど、笑みを浮かべている

綾子先輩がいます。


どうしよう、このままじゃキスされちゃう

のかな。


私はどうにかしてキスだけは回避しないといけない。


しかし、そんなのは回避出来るかどうかも不明です。


綾子先輩は高そうな椅子から立ち上がると私の

方に近づいて来て、私の唇にキスしてくるのでした。


「!?」


さらにもう一回キスしてくるのです。


「綾子先輩、何をするんですか」


「ふふっ、キスどうだった?」


「綾子先輩の唇は柔らかいです」


「雪の唇の柔らかいね」


「恥ずかしいです」


「あらっ、可愛いのね」


「うっ………………」


私は綾子先輩にキスされた事によって

ドキドキしているのです。


こんな気持ちは初めてでどうしていいの

かもわかりません。


「雪」


「は、はい」


「あのね、前々から雪の事が大好きだったの」


「えっ、そうなんですか?」


「そうよ」


「雪はどうなの?」


「そう言われても困ります」


「本当の事を教えて」


「綾子先輩の事は大好きです」


「ありがとう、雪」


綾子先輩は私の唇にまたキスしてくるのでした。


こうしてキスされるとお恥ずかしいと言いますか、

嬉しいという気持ちになります。


本当に綾子先輩は素敵だなって思います。


「雪、私の事は綾子って呼んでね」


「はい」


「敬語もやめて」


「はい」


「違うでしょ」


「うん」


「それでいいの」


綾子は私の頭を撫でてくれるのでした。


私は頭の撫でられた事で赤面しているのです。


「私と綾子の関係ってどうなるの?」


「そうね、お互いの気持ちが通じ合ったから

愛し合う存在でしょうね」


「そ、そうですよね」


「嫌なの?」


「いやじゃないですよ」


「そうよね」


「綾子と居れて嬉しいです」


「そう言ってくれると嬉しいわ」


私と綾子はこれからどうなるのでしょうか。


それと愛し合う関係という事はまさかとは

思いますが、そんな事はしないと思いたいです。

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