第3話 私と綾子先輩Ⅰ

私は今、綾子先輩のお部屋に居るのですけど、

特にお話する事もございません。


ただ単に知り合いというだけでこれといって

何もありません。


「そういえばどんな内容で喧嘩したの? 雪」


「言わないとダメなの?」


「そうね、ダメね」


「わかりました」


「教えて」


「母親の食べるデザートを食べたからなの」


「子供ね」


「うっ………………」


「それに人の食べ物を勝手に食べるなんて

どれだけ食いしん坊なのよ」


「ごめんなさい」


「謝罪する相手は私じゃないでしょ」


「そうだね」


綾子先輩の言う通りで人の物を食べるのは

良くないですよね。


それにお母さんも楽しみにしていたはずなのにね。


本当に何をしているのかな。


「綾子先輩は人の物を食べたりしないの?」


「そんな事をするわけないでしょ」


「普通はしないよね」


「悪い事をしているんだから喧嘩になる方がおかしいわ」


「そうだね」


私が口の利き方を間違わなければ喧嘩にはならなかった

かもしれません。


私ってば本当に情けないです。


これからはきちんと出来る女性になりたいです。


お仕事はどうしようかな。


しばらくはお休みなので問題ありませんが、

休みが終わるとお仕事なのでここから行くように

なるのかもしれません。


「雪」


「はい」


「キスしたことある?」


「キ、キスはないです」


「そうなのね」


「キスがどうかしたんですか?」


「特にありません」


「それと雪は可愛いわね」


「ありがとう」


綾子先輩に可愛いって言われた。


可愛いって言われたのは初めてなので嬉しいです。


それにしてもキスがどうかしたのかな。


どっちでもいいよね。


綾子先輩と何かしたいけれど、何をしたらいいのかなって

考えるしかありません。

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