16話 宇宙港ターミナルにて

『宇宙船内』


人類の少女は、宇宙船内から外の宇宙港を見つめていた。


ここに着いた時には、煌々と宇宙船を照らしていたライトも、今は消され、宇宙港ターミナルも、完全に消灯していた。


広い宇宙港に難民宇宙船一隻だけが、取り残されたかの様に、闇の中に停泊していた。


周辺には、黒い装甲を纏った機械の兵隊が、宇宙船を監視するように配置されていた。


さらに宇宙船内にも黒い機械の兵隊が、少女を監視するかのように配置されていた。

少女には、それが敵か味方かの判断はできなかった。


顔はヘルメットで覆われ表情も読み取れなかった。


まだ、最初に交渉したアンドロイドの担当官の方が親しみを覚えた。


機械のロボットとはいえ、表情は明るく、親しみを感じられた。

さすがに数千年も続く文明だと、表情も不自然さはなくなるのだろう。


今やこの宇宙船で最年長となっていた少女は、用心のため宇宙船に一緒に乗っていた、年下の子達を宇宙船の最深部に避難させていた。


1週間前、この黒い機械兵達は、それまで警備していた兵士を襲い、宇宙船内に侵入してきた。 


宇宙船の外で何かが起こっている事は、少女にも理解できたが、それが自分たちに取ってよい結果を招く事なのか、逆の結果を招く事なのかまでは、解らなかった。


少女が宇宙船ブリッジに向かうと、当然の様に、2機の黒い機械の兵隊が付いてきた。


少女はため息をついた。問題は山済みだ。


宇宙船のブリッジの隅には、この宇宙船を操縦していたクルーたちの死体袋が置かれていた。


「彼らを、土に埋葬したいんだけど」


黒い機械の兵隊に申し出たが、黒い機械の兵隊は沈黙するだけで、何も答えてはくれなかった。


少女は不安げに、黒い機械の兵隊を見つめた。



つづく



いつも読んで頂き、ありがとうございます。O(≧∇≦)O イエイ!!

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