第3話 父が決めた婚約

3話


ここ最近、僕の声が聞こえなくなっていた。ずっと夢で俺の意識がないうちの記憶は追体験していたが、それも同時期に無くなった。因みに断片的で、恐らく、僕が覚えていることのみが夢でみれた感じだ。おそらく体験した全てではない。

まあ、ともあれ魂が融合した感じなんだろうか。そういえば、年齢相応の喋り方も行動も今では違和感なくできている。最初は無理してたからな〜。

部屋でボーとしていると、レイチェルが部屋に入ってきた。

「おはようございます。クルト様。朝の支度はもう完璧ですね。今日は旦那様と共に朝食となりますので、お部屋までご案内いたします。」


「おはよう、母さん。父様と食事か〜。なんか、あったのかな?」


今までにないことに戸惑っているとお辞儀をしたままレイチェルが小刻みに震えている。


「ク、クルト様。先日も、申し上げましたが、母親と思っていただけるだけでも、恐縮の極みでございます。誰かに聞かれたら…。」


「いいの。もう決めたから。母さんがなんと言おうと、チャンスがあれば呼ぶから、慣れてね。」


顔を真っ赤にしながら俺を見つめてくる。顔からしたら喜んでくれているのただ漏れなんだけど。

先日お願いしたが断固として拒否されてしまった。だから仕方ない。強制的になっちゃってるけどまあ、いいか。


「じゃあ、行こうか。」


2人で向かった。


父様との食事が終わると、先日診断してもらった結果とこれからの話をされた。


「今の所、安定しているから大丈夫だそうだ。ただいつ乱れが起きるか分からん。常に安定剤は持っている様に。後は、一月に一回診察をする。簡単な検査だから、そう時間は取られない。」


「はい。わかりました。」


ケースに入った錠剤を渡された。レイチェルには瓶に入ってる物をわたしていた。


「無くなれば、レイチェルに言って補充してもらえ。レイチェル。管理の方任せたからな。」


「かしこまりました。」


父様は、近くにいた執事に合図を送る。すると、執事が何か呟いた。つぎの瞬間、部屋中に透明の枠が部屋中に広がった。


「父様。今のは?」


「ん?お前も見えているのか?それも、そうか。私たちの子なら見えて当然か。クルト。お前が見えた枠は普通の人は見えない。鍛えれば、魔法が使われると、察知したりいろいろ出来るようになるぞ。最終的には魔眼を開花させることもできる。」


「そうなんですか!?それは鍛えてみたいです!!!」


魔眼!!!きたー〜ーー!!!

やばいな、パナイな!!異世界ありがとうー!!


「また、今度な。今は大事な話がある。」


「はい、わかりました。」


「因みにさっきの魔法は防音壁の魔法だ。この部屋の音は一切漏れず、誰か後から部屋に入って来られても、私たちの姿も見えない。」


「そうなんですか!?便利ですね!!」


「まあ、それでだ。これが何かわかるか?」


そう言って砕けた石をだしてきた。なんだろこれ?どっかでみた気はするけど…。


「んー、わかりません。」


「これは、魔石だ。書庫の明かりのためのものだ。」


あの時に壊してしまったのか。書庫は天井まである本棚に部屋中に通路以外ビッシリあり、俺からしたら図書館としか思えない。なので、人がいる時間帯はずっと光が点っている。日の光が全く入らないから、光がないと昼間でも真っ暗なのだ。そもそも窓がない気がする。


「そうだ。お前はあの日、わたしが貼った結界を壊しただけでなく、あの部屋にあった魔石、全てに過度の魔力供給をして壊したんだ。」


「よくわかりません。」


父様は頭を抱えながらため息をつき説明してくれた。


「まず、あの書庫には、28個の魔石があった。通常魔石は手に触れて魔力を供給する。手で触れれば、連続だと50個で止められる。わかりにくいかも知れんが、私がかけた結界を壊す魔力プラス、それ以外で触れずに部屋中に自身の魔力を充満させつづけながらの28個の魔力供給をしたんだ。

未だに魔力の知識もない子供が出来ることではないし、潜在的にどれほどの魔力があるのか未知数だ。今の私なら可能だが、お前の年齢でできたとは思えない。」


「今の父様ならできる?……ということは魔力は上げられるのですか?」


「ああ。鍛錬を怠らなければ上がっていく。まあ、それはいい。とにかくだ、お前の歳ぐらいであそこまで出来るものなど聞いたことがない。才能のある子も勉強して初めて才能を開花させるのだ。無知識では死をもたらす。」


「はい。すみませんでした。我慢します。」


「そうしてくれ。一応学園に入る前だが、まだ悩んでいる。魔力検査があるからな。そこでバレる。対策はこちらで考えておく。」


「わかりました。」


「それとだな。クルト。以前から交流があった、カーティス家は知っているな。」


「はい。アメリア嬢の家名ですよね。」


「そうだ。そのアメリア嬢との婚約が正式に決まった。」


「え⁉︎…あ、ごめんなさい。」


思わず声を出してしまった。尽かさず謝る。アメリア嬢は幼い頃から、うちにちょくちょく遊びにきている。ただ俺の方の自我が芽生えてからは、体調が悪かったのと、向こうの都合がつかなかったみたいで、俺の自我が芽生えて以降まだ一度も会っていない。記憶にはあるんだが。言い合いをしてた記憶しか無い。仲が良かったとは思えないんだけどな〜。ただ、なぜかレイチェルには懐いてたよな。そうか!!レイチェルが居なくなってから来てないんだ。怒ってたんだろうな。


父様も、俺の反応をおかしく思ったのか、怪訝な顔になった。


「なんだ⁉︎嫌か?以前から話はしていただろう。」


「嫌というか、婚約するのには早い気がしまして。」


「早いもんか。遅いくらいだ。一応、もう一度説明しとくぞ。カーティス家は地位が公爵家。私よりも2つ上の爵位だ。アメリア嬢はそこの次女にあたる。

ここまでくるのに、だいぶ苦労したんだからな。そもそも家は、お前の祖父の代より2つ爵位を上げているんだ。言わば、伯爵の中では新参者だ。私の苦労を無駄にするなよ。正式にお前の跡継ぎでなくなったことが、何故か良かったみたいだ。なんか裏がありそうだが、公爵家と親戚になっといてそう悪くは転ばんだろう。」


俺の後継者剥奪は去年の暮れに正式に決まった。そもそもまだあったことに驚いた。にしても、ウチ伯爵家だったんだー。初めて知った!!爵位を2個あげるって‥‥何したらそんなに上がるんだ!?知識が無いからよくわからんが、異常な気がする。規格外、俺だけじゃないじゃん。


「公爵⁉︎聞いてませんよ。それよりも、僕の態度で問題になってないんですよね?」

 

昔の2人のやり取りを思い出しただけで、やっちゃった感がハンパない。


「前に一度話したはずなんだが。まあ、態度に関しては子供同士しのことだ。問題無い。何度か文句を言われたが、言い返してやったわ!!」


何してんのこの人!!公爵相手に言い返すなんて、ありえないでしょ。俺のひき顔に父様も、弁解してきた。


「大丈夫だ。私はアイツの家庭教師をしていたから教え子だ。問題無い。因みにアイツの奥さんも私の教え子だ。」

 

父様って何歳なんだろー?エルフの血が入ってるから、見た目通りじゃなさそうー。まあ、昔を思い出したからなのか、父様が楽しそうに話しているから、まあ、いいか。気にしたら負けな気がする‥。

どうせ、決定事項なんだろうし。ああ‥‥憂鬱だ〜。


「ひとまずだ。決定したのだから、改めて、顔合わせをする。それと、カーティス家の方で、家庭教師をしている人がいるから、アメリア嬢と一緒に見てくれるそうだぞ!」


「ハァー、はい。わかりました。ありがとうござます。」


「おい?シャッキっとせんか‼︎」


「はい。すみません。わかりました。ありがとうございます。」  

 

「私は、仕事で出かける。日程は後で知らせる。恐らく婚約パティーの日程も決めないといけないから、直ぐだ。今のうちに準備ができるところはし始めとけ。」  


「わかりました。」


父様は出かけ、俺はレイチェルと部屋に戻った。


「ああー。朝から疲れた。アメリア嬢のこと、すっかり忘れてたよー。婚約者候補だったんだよね。あ!?俺が候補者か。母さんは何で、アメリアに懐かれてたの?」


母さんの一言が聞こえると、直ぐ慌てちゃうんだよなー。早く慣れてほしい。


「クルト様も、仲良くなさってたと思いますよ。喜怒哀楽が激しい方ですが、外では年齢にそぐわぬ大人顔負けの振る舞いをなさってるようなので。クルト様と一緒の時の方が、あの方の素なのでしょうね。私としては、無礼がないように接していましたが、一度お二人を叱ったことを覚えていらっしゃいますか?」


「ああ。あったね。今思えば怒られて当然。花瓶割っちゃったからね。」


「どうやら、お家の方では、メイドに叱られたことがないとか。」 


「え!?叱られない!?なんかモヤモヤしそう。」


「そのようですよ。あの方も同じことをおっしゃってましたから。クルト様も、そう感じていただけているなら大変嬉しく思います。両親や執事からは叱られるみたいですが、執事に関してはアドバイス的で、叱るとは違うと仰ってました。因みに叱った後に、気に入らなかった様子でお話に来て、私の思いを伝えると大変喜ばれていました。そのやり取りの後から親身になったと思います。」

 

「それにしても、レイチェルが戻ってきてくれているとはいえ、怒ってんだろうなー。」


「勿論ですわ。」


「おう!?」

変な声をだしてしまった。急にバルコニーのドアが開き、赤毛の赤いドレスを着た女の子が部屋に入ってきたんだ。しょうがない。後ろには執事かな?年配のちょび髭はやした、かっこいいおじいちゃん的な人が入るなり、頭を深々下げて謝ってきた。


「お嬢様、急に声をかけてはご迷惑ですぞ。皆様、急な訪問申し訳ありません。」


アメリア嬢だ。なんで、このタイミングで!?ってなんで俺の部屋のバルコニーにいんの?驚きで、言葉がでない。


「確かに。クルト様、レイチェルさん。突然のバルコニーからの訪問。大変申し訳ございません。レイチェルさんが戻ったと聞いて、直ぐに伺いたかったのですが許しがおりず、今日やっとお許しが出たのでうかがいました。ご機嫌よう。」


服を摘みながら優雅な動作で挨拶をする。アメリア嬢。可憐だ。ああ、マヂでかわいいな、というか綺麗だ。目がキリッとしていて、可愛さの中に凛とした顔立ちもあって、綺麗だ。記憶の中でしか知らなかったから良い印象がなかったけど、実物だとまた違うなー。じゃなくて、バルコニーにいた説明ないし、挨拶の後に用件だろ。逆だ!!逆!レイチェルは大人顔負けとかいってなかったけ?

まあ、直には言えるわけないけど。

  

「ごきげんよう。アメリア嬢。本当に驚いたよ。どうして、僕の部屋のバルコニーにいらしたんですか?」


「訪問したら、お食事中とのことだったので、この部屋に案内されました。暇だったので、バルコニーでお茶を頂いてたら声がしましたので、タイミングを見計らっていましたの。」


んーー、狙ってやったのね。どこから聞いてたんだろ。怖くて聞けん。流しておこう。


「そうですか。婚約者なわけだから、問題はないですが盗み聞きは宜しくないかと思いますよ。」


「はい。申し訳ありませんでした。クルト様。‥‥なんか雰囲気が変わられましたね?」


「そ、そうですか?自分では、わからないですね。」


笑ってごまかした。そりゃあ、そうだろう。別人格が融合したんだから、変わっただろう。家族は成長したと思ってくれてるからいいんだけど。俺をジロジロ見回した後、突如

ため息をはいた。

「これじゃあ、しかたありませんね。レイチェル、諦めましたわ。」


「はい。申し訳ございません。それでも、その説は私ごとき者にありがたき申し出、ありがとうございました。」


レイチェルが深々と頭を下げた。


「ん?なんの話ですか?」


「あなたが、レイチェルを追い出した後、直ぐにウチに来ないか誘ったのですわ。考えさせてくれと待たせている間に戻るなんて。ショックでしたわ。手紙は頂いたけども納得してませんでしたの。」


「ああ、成る程‥‥。その説はお騒がせしました。家の使用人の為に、ご厚意ありがとうごさいます。それにしても、話し方、令嬢らしくなられましたね。」


おれは耐えかねて話を変えてみた。だっていろいろ痛いんだもん。


「まあ、良いですわ。‥‥2年ぶりですものね。」


「もう、そんなに会ってませんでしたか。‥‥もし宜しければ、2人の時は昔みたいに話しませんか?」


アメリア嬢は少し驚いた顔をしていたが、微笑んだ。ドキっとした。顔に出たかな?でも、あー何この人。見てて飽きないな。可愛い。


「はい。そうしましょう。私も少し寂しかったです。なんか他人行儀な気がしましたし。」


「そうだね。前みたいがいいかな。喧嘩は極力なくしたいけどね。」


「そうですね。昔、貴方は本当に我儘でしたもの。」


「それはアメリアもだろ?それにそんな昔な話じゃないよね。」


「それも、そうですね。」


「クルト様。そろそろ。」


2人で何気ない話で笑い合っていると、レイチェルがテーブルにお茶の用意をしてくれていた。


「ごめんね。立ったままで。こちらにどうぞ。」


僕は尽かさず、アメリアの前に手を差し出す。アメリアも手を添えてくれた。そして、ちゃんとエスコートして席についた。勉強しといて良かったー!!先生ありがとー!!!

「それとだな。クルト。以前から交流があった、カーティス家は知っているな。」


「はい。アメリア嬢の家名ですよね。」


「そうだ。そのアメリア嬢との婚約が正式に決まった。」


「え⁉︎…あ、ごめんなさい。」


思わず声を出してしまった。尽かさず謝る。アメリア嬢は幼い頃から、うちにちょくちょく遊びにきている。ただ俺の方の自我が芽生えてからは、体調が悪かったのと、向こうの都合がつかなかったみたいで、自我が芽生えて以降まだ一度も会っていない。記憶にはあるんだが。言い合いをしてた記憶しか無い。仲が良かったとは思えないんだけどな〜。ただ、なぜかレイチェルには懐いてたよな。そうか!!レイチェルが居なくなってから来てないんだ。怒ってたんだろうな。


父様も、俺の反応をおかしく思ったのか、怪訝な顔になった。


「なんだ⁉︎嫌か?以前から話はしていただろう。」


「嫌というか、婚約するのには早い気がしまして。」


「早いもんか。遅いくらいだ。一応、もう一度説明しとくぞ。カーティス家は地位が公爵家。私よりも2つ上の爵位だ。アメリア嬢はそこの次女にあたる。

ここまでくるのに、だいぶ苦労したんだからな。そもそも家は、お前の祖父の代より2つ爵位を上げているんだ。言わば、伯爵の中では新参者だ。私の苦労を無駄にするなよ。正式にお前の跡継ぎでなくなったことが、何故か良かったみたいだ。なんか裏がありそうだが、公爵家と親戚になっといて、そう悪くは転ばんだろう。」


俺の後継者剥奪は去年の暮れに正式に決まった。そもそもまだ、あったことに驚いた。にしても、ウチ伯爵家だったんだー。初めて知った!!爵位を2個あげるって‥‥何したらそんなに上がるんだ!?知識が無いからよくわからんが、異常な気がする。規格外、俺だけじゃないじゃん。


「公爵⁉︎聞いてませんよ。それよりも、僕の態度で問題になってないんですよね?」

 

昔の2人のやり取りを思い出しただけで、やっちゃった感がハンパない。


「前に一度話したはずなんだが。まあ、態度に関しては子供同士しのことだ。問題無い。何度か文句を言われたが、言い返してやったわ!!」


何してんのこの人!!公爵相手に言い返すなんて、ありえないでしょ。俺のひき顔に父様も、弁解してきた。


「大丈夫だ。私はアイツの家庭教師をしていたから、教え子だ。問題無い。因みにアイツの奥さんも私の教え子だ。」

 

父様って何歳なんだろー?エルフの血が入ってるから、見た目通りじゃなさそうー。まあ、昔を思い出したからなのか、父様が楽しそうに話しているから、まあ、いいか。気にしたら負けな気がする‥。

どうせ、決定事項なんだろうし。ああ‥‥憂鬱だ〜。


「ひとまずだ。決定したのだから、改めて、顔合わせをする。それと、カーティス家の方で、家庭教師をしている人がいるから、アメリア嬢と一緒に見てくれるそうだぞ!」


「ハァー、はい。わかりました。ありがとうござます。」


「おい?シャッキっとせんか‼︎」


「はい。すみません。わかりました。ありがとうございます。」  

 

「私は、仕事で出かける。日程は後で知らせる。恐らく婚約パティーの日程も決めないといけないから、直ぐだ。今のうちに準備ができるところはし始めとけ。」  


「わかりました。」


父様は出かけ、俺はレイチェルと部屋に戻った。


「ああー。朝から疲れた。アメリア嬢のこと、すっかり忘れてたよー。婚約者候補だったんだよね。あ!?俺が候補者か。母さんは何で、アメリアに懐かれてたの?」


母さんの一言が聞こえると、直ぐ慌てちゃうんだよなー。早く慣れてほしい。


「クルト様も、仲良くなさってたと思いますよ。喜怒哀楽が激しい方ですが、外では年齢にそぐわぬ大人顔負けの振る舞いをなさってるようなので。クルト様と一緒の時の方が、あの方の素なのでしょうね。私としては、無礼がないように接していましたが、一度お二人を叱ったことを覚えていらっしゃいますか?」


「ああ。あったね。今思えば怒られて当然。花瓶割っちゃったからね。」


「どうやら、お家の方では、メイドに叱られたことがないとか。」 


「え!?叱られない!?なんかモヤモヤしそう。」


「そのようですよ。あの方も同じことをおっしゃってましたから。クルト様も、そう感じていただけているなら大変嬉しく思います。両親や執事からは叱られるみたいですが、執事に関してはアドバイス的で、叱るとは違うと仰ってました。因みに叱った後に、気に入らなかった様子でお話に来て、私の思いを伝えると、大変喜ばれていました。そのやり取りの後から親身になったと思います。」

 

「それにしても、レイチェルが戻ってきてくれているとはいえ、怒ってんだろうなー。」


「勿論ですわ。」


「おう!?」

変な声をだしてしまった。急にバルコニーのドアが開き、赤毛の赤いドレスを着た女の子が部屋に入ってきたんだ。しょうがない。後ろには執事かな?年配のちょび髭はやした、かっこいいおじいちゃん的な人が入るなり、頭を深々下げて謝ってきた。


「お嬢様、急に声をかけてはご迷惑ですぞ。皆様、急な訪問申し訳ありません。」


アメリア嬢だ。なんで、このタイミングで!?ってなんで俺の部屋のバルコニーにいんの?驚きで、言葉がでない。


「確かに。クルト様、レイチェルさん。突然のバルコニーからの訪問。大変申し訳ございません。レイチェルさんが戻ったと聞いて、直ぐに伺いたかったのですが、許しがおりず、今日やっとお許しが出たのでうかがいました。ご機嫌よう。」


服を摘みながら優雅な動作で挨拶をする。アメリア嬢。可憐だ。ああ、マヂでかわいいな、というか綺麗だ。目がキリッとしていて、可愛さの中に凛とした顔立ちもあって、綺麗だ。記憶の中でしか知らなかったから良い印象がなかったけど、実物だとまた違うなー。じゃなくて、バルコニーにいた説明ないし、挨拶の後に用件だろ。逆だ!!逆!レイチェルは大人顔負けとかいってなかったけ?

まあ、直には言えるわけないけど。

  

「ごきげんよう。アメリア嬢。本当に驚いたよ。どうして、僕の部屋のバルコニーにいらしたんですか?」


「訪問したら、お食事中とのことだったので、この部屋に案内されました。暇だったので、バルコニーでお茶を頂いてたら、声がしましたので、タイミングを見計らっていましたの。」


んーー、狙ってやったのね。どこから聞いてたんだろ。怖くて聞けん。流しておこう。


「そうですか。婚約者なわけだから、問題はないですが盗み聞きは宜しくないかと思いますよ。」


「はい。申し訳ありませんでした。クルト様。‥‥なんか雰囲気が変わられましたね?」


「そ、そうですか?自分では、わからないですね。」


笑ってごまかした。そりゃあ、そうだろう。別人格が融合したんだから、変わっただろう。家族は成長したと思ってくれてるからいいんだけど。俺をジロジロ見回した後、突如

ため息をはいた。

「これじゃあ、しかたありませんね。レイチェル、諦めましたわ。」


「はい。申し訳ございません。それでも、その説は私ごとき者にありがたき申し出、ありがとうございました。」


レイチェルが深々と頭を下げた。


「ん?なんの話ですか?」


「あなたが、レイチェルを追い出した後、直ぐにウチに来ないか誘ったのですわ。考えさせてくれと待たせている間に戻るなんて。ショックでしたわ。手紙は頂いたけども納得してませんでしたの。」


「ああ、成る程‥‥。その説はお騒がせしました。家の使用人の為に、ご厚意ありがとうごさいます。それにしても、話し方、令嬢らしくなられましたね。」


おれは耐えかねて話を変えてみた。だっていろいろ痛いんだもん。


「まあ、良いですわ。‥‥2年ぶりですものね。」


「もう、そんなに会ってませんでしたか。‥‥もし宜しければ、2人の時は昔みたいに話しませんか?」


アメリア嬢は少し驚いた顔をしていたが、微笑んだ。ドキっとした。顔に出たかな?でも、あー何この人。見てて飽きないな。可愛い。


「はい。そうしましょう。私も少し寂しかったです。なんか他人行儀な気がしましたし。」


「そうだね。前みたいがいいかな。喧嘩は極力なくしたいけどね。」


「そうですね。昔、貴方は本当に我儘でしたもの。」


「それはアメリアもだろ?それにそんな昔な話じゃないよね。」


「それも、そうですね。」


「クルト様。そろそろ。」


2人で何気ない話で笑い合っていると、レイチェルがテーブルにお茶の用意をしてくれていた。


「ごめんね。立ったままで。こちらにどうぞ。」


僕は尽かさず、アメリアの前に手を差し出す。アメリアも手を添えてくれた。そして、ちゃんとエスコートして席についた。勉強しといて良かったー!!先生ありがとー!!!

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