第3話







一週間前までに出欠届を提出するよう告げて、甲斐田先生は本日の委員会を締めた。

参加の可否を話し合っている一年生達を後目に、二年と三年は帰り支度を始める。バッグを肩にかけて立ち上がった僕に合わせて、荷物をまとめた西藤が席を立った。


「ともくん、一緒に帰らない? 今日部活ないんだ、私」

「ごめん、人を待たせてるから」

「ラブラブ~」


相手が誰かはすぐに看破されたようで、からかうような笑顔で脇を小突かれた。


「いいなあ」


西藤が心底羨ましそうに呟く。

僕は思わず呆れた顔をした。


「ないものねだりはよくない」

「わかってるけどさ」


そう言って肩をすくめると、西藤は先に歩き出す。

とはいえ、向かう先は同じ下駄箱である。少し歩けばすぐに合流する形となり、どちらが提案するまでもなく、自然とそこまでは一緒に行く流れになった。

その道中、西藤から振られた新たな話題で会話を交わす。


「班決めあるみたいだけど、やっぱり顔見知りと組めた方がいいよね。かいくんもそこらへんは融通してくれるみたいだし、どうする?」

「先生って呼びなよ。僕は委員会に知り合いはいないし、西藤に任せる」

「りょーかいりょーかい。こっちで話つけとくよん」

「助かるよ」


持つべきものは、交友関係が広い友人である。

謝意を伝えたところで、僕達は下駄箱の近くまで辿り着いた。

足を止める。しかしそれは目的地についたからではなく、歩みを止めるに足る人影を視界に捉えたからだった。

あちらも僕のことに気づいたらしい。下駄箱の脇に寄りかかって文庫本を読んでいたその人影は、本から顔を上げた。

人形めいた華奢な美少女が、人形のような無表情で僕を見据えた。


「先輩。委員会、どうもお疲れ様です」

「ん。待たせて悪かったね、雪路」


僕の言葉に、美少女――不死川雪路はゆるく首を横に振る。

その動作に合わせて、肩より少し伸びたセミロングの黒髪が揺れた。


加工された黒檀のようなつややかな髪は、さながら毒リンゴを齧る童話のお姫様のようだった。義理の娘――初版では実子のようだけど――がこんな髪をしていれば、美に執着する女王も嫉妬に狂うだろう。そんな納得をしてしまう。

そんな色合いの髪に、雪のように白い肌がこれまたよく映える。病的と紙一重の透き通るような肌は、少女に感じる人形のようなイメージをいっそう強固なものにしていた。


黒檀のような髪と、雪のような白い肌。

そして死体のように表情の変化が乏しいことから、憧憬と嫉妬を込めて「白雪姫」などと陰で言われることもある。

そんな美少女が、僕の彼女だった。


「じゃあともくん。また明日、学校でね」


僕につられて足を止めていた西藤が、そう言って歩みを再会させた。

通り抜けざまに雪路の方を見て、小さく会釈をする。雪路がそれに合わせて頭を下げるのを見届けてから視線を逸らすと、手早く靴を履き替えた。


「ああ、また明日」


返事とともに手を振れば、西藤は笑みを深めて振り返した。

そうしてクラスメートを見送った後、改めて雪路に顔を向ける。


「じゃあ、帰ろうか」

「はい」


こくりと頷く様子も、実に人形めいている。

だからといって死体の暗喩として白雪姫と呼ぶのもなかなか酷い話だが、実に的を射た呼称であることも事実だった。まさか最初に悪い意味で言い出した人物も、それが不死川雪路の本質を突いているとは思うまい。


さておき。

靴を履き替えた後、僕と雪路は連れ立って帰路についた。

手を繋ぐわけでもなければ、歓談に花を咲かせるわけでもない。沈黙を連れ添いに、まだ夕暮れの気配もない道を並んで歩く。傍からは帰る方向が同じだけに見えるだろう。

誤解なきようにお願いしたいのだが、僕は彼女と不仲なわけではない。

むしろその逆。

交際を始めてそろそろ一年が経とうとしている僕らの関係は、至って順風満帆である。

平凡な僕と美少女な雪路の仲を――より正確に言うなら、美少女と交際している僕を妬む視線は途切れた試しがないが、こうやって外では必要以上に接触しないことで僕に向けられるヘイトを減らしているのである。

もっとも、理由は他にもあるのだけど。


だから、僕が口を開いたのは沈黙に耐え切れなかったからではなく、単純に委員会中のやりとりを思い出したからだった。


「雪路、ゴールデンウィークの予定はどんな感じかな」

「中日の二日間、先輩とのデートがありますね。それ以外は特に」


僕の問いかけに、雪路は予定を思い出す素振りもなく答える。

自分で聞いておいて酷い言い草だけど、なかなかわびしいスケジュールだ。僕と同じで帰宅部だし、類友で構成された交友関係なら致し方ないのかもしれないけれど。

平日が虫食いのように挟まっていた従来と異なり、ここ数年のゴールデンウィークは間に挟まった平日がオセロのように休日へとひっくり返っている。つまり、一週間以上ある中期休暇のうち、僕の恋人は二日間しか予定がないことになる。

予定が穴開きなら、もう少し僕との予定を入れてもいいんじゃないかと。

そんな思いが、僕の背を軽く押した。


「ゴールデンウィーク初日とその翌日、つまり昭和の日辺りに、泊りがけの委員会活動が入ってるんだ。委員じゃなくても、生徒なら参加できるみたいだから。もし問題なければ雪路も一緒にどうだい」


言い終わってから後悔した。

まるでデートに誘うように言っているが、実際には委員会の手伝いを頼んでいるのと同義である。他に予定がないからと言って、学生の時でしかできないようなデート体験がしたいからと言って、自分の彼女を労働に加担させるのもいかがなものか。

しかし、言ってしまったことは巻き戻せない。

僕は大人しく雪路からの審判を待つ。

断られるか呆れた顔をされるか。悪い方向のリアクションに身構えていたけれど。


「先輩が誘ってくれるのでしたら、喜んで参りますよ」


そんな僕の予想に反し、不死川雪路はしごくあっさりとそう返した。


「いいのかい? 委員会の手伝いだよ?」


思わず、目を瞬かせながら足を止める。

僕より半歩進んで足を止めた雪路は、振り返りながら黒い髪を片耳に引っかけた。そうして人形めいた顔がいっそう見やすくなったところで、上目遣いで僕の顔を覗き込んでくる。

そして、無表情だった顔に花がほころぶような笑みを浮かべた。


「例え委員会活動でも、先輩と一緒にいられるのは嬉しいですから。ましてそれが先輩直々のお誘いともなれば、断るだなんて選択肢、この不死川雪路にはありません」


鈴を転がすような声音は、甘えた猫の鳴き声を思わせる。

特に先輩の部分が凄かった。先輩という単語に、これだけ甘美かつ蠱惑的な響きを持たせられる人間もそういないのではないだろうか。

これを他ならぬ自分が独占しているという事実は、何度認識しても優越感で背中がむずむずする。明確に第三者がいる場では淡々とした喋り方を崩さないので、なおのこと。


僕の彼女は、いわゆるクーデレというやつなのだ。

はにかむような笑みも甘えるような声も、普段滅多に見せてくれない。

こうやって、不意打ちのように露わにするのだ。

小悪魔的である。僕が雪路のそういうところに滅法弱いことを知っていてやるのだから、小悪魔どころか悪魔に近いのだが。


さて、あっさり了承をもらったが、ここで簡単に頷いてもいけない。

僕は彼氏であり先輩であるから、その立場に相応しい返答をしなくてはならないのだ。

自惚れを承知で言うと、不死川雪路は僕のことがかなり大好きだ。かなり好きではなく、かなり大好き。つまり、僕の好感度に配慮した言動をとる可能性があるということだ。

……もっとも。

この可愛い恋人は、殊勝と言うよりしたたかである。他人の好感度を気にするよりは、自分のわがままを押し通すことの方が多い。

要するにこれは、彼氏であり先輩であるというプライドを守るための返答だった。


「そう言ってもらえるだけで嬉しいから、気を遣わなくても平気だけど」

「むしろ、気を遣う必要がなくなったと言いますか」

「?」

「先輩に参加したい旨を伝えることを、悩んでいたのですよね。宿泊美化活動のことは存じていましたし、委員会に属していなくても同伴参加できることも把握していたので。でも、先輩の時間をあまり侵害しすぎるのもどうかと思っていまして」

「雪路はあまり、そういうのは気にしないと思ってたけど」


本音が出てしまった。

さっきの思考から手のひら返しなのは百も承知だが、僕にとって不死川雪路のパーソナリティーはそういうものなのである。


「むっ、失礼ですね」


 そんな僕に、雪路は軽く頬を膨らませた。


「先輩にはいずれ、私と同じお墓に入ってもらうつもりなのですから。こういう細やかな気遣いをするのは当然のことですよ」

「重いって」


僕は呆れた顔をした。

これが結婚を前提にした付き合いを婉曲表現した結果なら、男女交際の価値観が前時代的というパーソナリティーと解釈もできよう。

しかし、これは婉曲表現でも比喩表現でもない。

不死川雪路は真実、僕とともに埋葬される未来を思い描いているのだ。

気が早いを軽々と飛び越えた、重量級の将来設計。

こういうことをしれっと言ってしまうところが、僕の自惚れに繋がるのである。こんな愛情表現、好きの二文字に背負わせるには荷が重いだろう。


『これを重いの一言で済ませる君も大概だと思うがね、ともすけ』


かつて、年上の知人に言われたことを思い出す。

クリスマスカラーに飾りつけられたファミレスで、背の高い女性がやれやれとばかりに肩をすくめているところも、ついでのように脳裏をよぎった。


「せんぱい」


記憶の再生に傾いていた意識を、雪路の声が現実側へと引き寄せた。それに合わせて、体の方も彼女側へと引き寄せられる。

細い腕がそっと、しかしがっちりと首に巻きつく。

そして、とびきり甘い声が間近で囁かれた。


「私と二人きりの時に、他の女のことを思い出したのですか?」


背筋が竦んだ。

威圧感とは程遠い音量と声音にも関わらず、危機感を煽るというのはある種の才能ではないだろうか。僕の可愛い緑の目の怪物は、こういうところが怖い。

小悪魔的でも悪魔的でもなく、怪物的である。

怪物を目の前にした人間らしく、僕は反射的に言い訳の言葉を口にした。


「……女の人だとは限らないだろう」

「『これを重いの一言で済ませる君も大概だと思うがね、ともすけ』」

「うわっ」


気持ち悪さに変な声が出た。

再現性が高すぎる。僕が実際に聞いたものを真似るというのではなく、僕が同じ言葉を伝聞させるならこういう言い方になるんだろうなという方向性でだ。表情は僕がこれを聞いた時に浮かべたであろう心外な顔を真似た感じだったので、余計におののく。


「似たやりとりをした時、こんな感じに実演したことを覚えていないのですね」

「記憶にないですね……」


思わず敬語になった。

僕、そんなことやったんだな。余計なことを。

内心の感情が顔に出づらい方だと自他ともに言われるが、子供っぽいことを考えたのは雪路にはしっかり伝わってしまったらしい。間近にある顔が微笑ましそうに笑った。

それを見て、観念するようにホールドアップをした。


「悪かったよ」

「その謝罪はどこにかかったものでしょうか?」

「正直に答えず、はぐらかそうとしたところ」

「あはっ、満点です」


僕の謝意に満足そうに笑いながら、雪路はようやく首から手を離した。

表情が、普段の人形めいたものに戻る。笑っているところは可愛いけれど、ずっと見ているのは心臓によろしくない。僕は胸中でそっと安堵の息をついた。

心臓によろしくないと言えば。


「でも、ついはぐらかしたくなるくらいの圧を出すのもよくないと僕は思う」

「可愛い恋人の可愛い嫉妬ではないですか」

「可愛い……かなあ……」


恋人の方にかかるのは否定しないが、もう一つの方はどうだろうか。

さっき、結構真面目に肝が冷えたんだけど。

釈然としなさを感じつつ、止まりっぱなしだった足を動かすよう促す。歩き出した雪路に続く形で、僕もゆっくりと歩みを再開させた。

少し進んだところで、雪路が首だけで振り返る。


「そうだ。配布物があれば見せてもらってもいいでしょうか? 要項を見ておきたいので」

「ん、いいよ」


頷いてから、スクールバッグに手を入れてクリアファイルを取り出した。

挟んでいたプリントを差し出せば、彼女は歩きながらそれに目を通し始める。危ない。ハラハラする僕を後目に、さっと読み終えた雪路がプリントを返却した。


「可愛い嫉妬ついでなのですが」

「その前置きだとあまり聞きたくないけど、なんだい」

「私を委員会活動に誘うよう提言した女は誰なのですか?」


また肝が冷えた。


「……僕、人から提案されたって言ったっけ?」

「仰っていませんね」

「だよね」


それなら、どうしてわかったんだろうか。

答えを求めるよう雪路を見ると、彼女は察しが悪い助手を見る探偵のように肩をすくめた。


「今お返しした資料をよくご覧になってください」


促されるまま、クリアファイルに戻し損ねていたプリントを見る。

明朝体で印刷された文章、その上にあるタイトル、そして手書きの文字。それらを順番に見た後、あ、と間の抜けた声が零れた。

プリントの一番上にあるのは、僕が書き流した一文。


『こえはかけてみる』


どう控えめに見ても筆談の痕跡だった。

こんなものがあれば、探偵じゃなくてもやれやれと肩をすくめるだろう。


「どうして性別までわかるんだ?」


これを見て、誰かに提案されたと解釈するのはわかる。

しかし、この一文だけでは相手側の性別まで断定はできないのではないだろうか。そんな僕の疑問は、予想していたとばかりにさらっと答えられた。


「逆に質問してもよろしいでしょうか?」

「どうぞ」

「男の人から「お前の恋人も誘ってみろよ」と言われたとします。その時先輩は、では誘ってみようかという気持ちになるのでしょうか」


その質問に少し考え、僕は首を横に振った。


「ならないな」


誰かと交際中ならまだしも、フリーの同性にそんなことを言われたらまず下心を疑う。

僕達は相思相愛だけど、傍から見れば不死川雪路たかねのはなが十把一絡げの男と付き合っているようなものなのだ。自分にもチャンスがあると思った第三者が狙ってこない保証はない。


「とまあ、ここまでは簡単に推察できるのですが」


はて、と雪路は首を傾げた。


「誰がそんな提言をしたのかは、見当がつかないのです」

「ん、そうなのかい?」

「ええ。何せこの不死川雪路、見た目で異性に好意を寄せられやすい自負はあるのですが、同性に関してはその逆だということも理解していますので」


こうも堂々と言われると、潔いと言うかなんというか。


「西藤だよ。ほら、さっき下駄箱のところで会っただろう?」


隠す理由もないので、そのまま名前を出す。

すると、雪路は怪訝そうな顔をしてますます首を傾げた。


「……ふむ?」


おっと、まさかの知らないパターンかこれは。

澄ました顔に似合わず嫉妬深い雪路が、僕の女友達について調べていないのは意外だ。

失礼なことを思いつつ、クラスメートのパーソナリティーを簡単に伝える。


「同級生の西藤。同じクラスで、同じ美化委員なんだ。あいつ、誰にでもフレンドリーなタイプでさ。友人の僕に彼女ができたのを最近知ったみたいだから、この機会に仲良くなりたいって思ったんじゃないかな」

「いえ、西藤明梨さんのパーソナリティーは概ね把握しています」


知っていたパターンだった。


「一年の時から先輩と同じクラスで、基本根暗の先輩には珍しいタイプのご友人だったかと」

「ずばり言わないでほしいんだけど」

「あはっ」


悲しげに眉をひそめた僕を見て、可愛い恋人は思わずという風に笑った。

うーん、可愛い。やっぱりリサーチ済みだった事実には目をつむってしまうほどだ。


だが、そんな可愛い顔も、すぐにまた訝しげなものになった。

怪訝に思うのは僕の方だ。西藤のことを知っているのなら、不思議がる理由なんてないと思うのだけど。また首を傾げていると、つられて首を傾げた雪路が小さな声で呟いた。


「西藤さん、本当に私と仲良くしたいのでしょうか」

「えっ?」

「いえ、気になさらないでください。根暗思考特有の疑り深さですので」


そう言うと、訝しげな表情が引っ込めた。


「探偵みたいだね、雪路は」


言ってしまってから、慌てて口を押さえる。

恐る恐る隣を窺えれば、案の定雪路は不服そうな顔をしていた。


「私の喋り方が、小賢しいのは認めますが」


拗ねたような声音で、彼女は心外だとばかりに否定する。


「お金や好奇心で他人のプライベートを踏み荒らす人種と同列にされたくはありません。私が推理と呼ばれるものを自主的かつ意欲的に行うのは、限られた時だけです」

「悪かったよ、ごめん」


嫌な思い出があるようで、探偵のようだと言われるのを雪路は好まない。

知っていたはずなのにうっかり恋人の地雷を踏んでしまった僕は、さっき以上に誠意を込めた謝罪の言葉を口にした。幸い、悪意も揶揄の気持ちもなかったのは伝わっていたようで、不服そうな表情はすぐにひっこめられる。


「それよりも先輩、バスは大丈夫ですか?」

「あっ」


雪路の指摘に、慌ててスマホで時間を確認する。

デジタル時計は、バスの定刻より数分前の時刻を表示している。今からでも間に合うが、のんびりしていたら乗り遅れるだろう。

僕だけがバスに乗るなら問題はない。しかし、雪路はその数分後につく反対方向のバスに乗るのだ。お互いそのバスを逃すと、すし詰めのバスで帰宅する羽目になってしまう。


「少し急ぎましょうか?」

「ああ」


僕の様子を見て定刻ギリギリを察した雪路が、静かな声で促す。それに頷くと、雪路の手を引いて少しだけ足早になった。

手首辺りを掴んでいた手がそっとほどかれ、代わりにその手を握られる。

柔らかい感触を手のひらに感じ、顔が少しにやけそうになった。

こういうところにメロメロなのだ、僕は。

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