仮面舞踏会は迷走中

消えかけの 街灯のもと

歩いた足跡は まだ消えずにいる

路地裏で見かけた 黒猫も

今宵は冷たさをかぶって

ぜんぶウソのよう

月明かりまでが 痛く見えるのも

求めすぎた 自分のせいかな


感じ得ない 心はいつまで?

記憶もしないまま 脚もつれるまで

踊ってようか

君の手のひらのうえで


もう ぜんぜんなんも見えないんだな

あなたは誰かで わたしが誰でもいい?

掲げた言葉は 素直にはなれないね

いつだって 押し量れない

瞳がそこにはあるんだ

行き場 失なっても

代謝はなくなりなんかしないんだ


飲みかけの スープの匂い

しなびた花びらは まだ枯れずいた

街角で見かけた 映画も

今宵はホコリをかぶって

ぜんぶホントのよう

夜明けだけが 暖かく見えるのも

探りすぎた 自分のせいだよ


信じない 心はいつまで?

なんも考えないまま まで

踊っていようか

君のその笑顔のうえで


もう ぜんぜん全部見えないんだな

あなたがわたしで わたしがあなたでいい?

掲げた言葉は 知らずにウソになるね

いつだって 読みきれないまま

あなたがそこにはいるんだ

じゃあねって 振りかけた手を

君は笑って 取るんだよ


もう ぜんぜん全部見えないんだな

あなたは誰かで わたしが誰でもいい?

見つけた言葉は 偽りに隠れるね

いつだって 離れられない

ぬくもりがそこにはあるんだ

行き場 失っても

キミは いなくなりはしないの?


エガオハ ナクナリナンカシナイノ?



――――――――解説です―――――――

 人間の気持ちがわからない苦悩を描いてみました。

 こんな経験ありませんか? 本当の友達だと思っていた人が、こちらが思い悩みだした途端にこれまで交わしてきた笑顔がウソだったように冷え切った態度をとってくる。これまでこの人にならなんだって打ち明けられると思っていたのに、積み重ねてきたものはがらがらと音を立てて崩れ去り、代わりに絶望だけが降り積もっていく。信じたのは自分、頼りきっていたのも自分。でも、裏切られたと思う。それでもなお、私にはあなたしかいなかったから、気づかないふりして、仮面をかぶったあなたと踊る他ない。そんな独りよがりで自己完結な私。

 『あざれあう』とは古典で『ふざけ合う』の意味。一方もととなった単語の『あざる』には『腐る』という意味もあり、ここでは自分を曲げてまで相手と馴れ合い続ける様子をいう。

 正直力作です……。MVのイメージとかメロディとかまで浮かんできてます。カラオケボックスで歌いたい……。


作成人格: 相葉優樹

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