クロスフェード

重なり合って

離れ合った

声だけ

ずっと心に刻みこんだ

ぱっと消えちゃった影だけ

忘れることもかなわない

ああ

存在・事実だけが 手元に残って

ああどうすればいい

あとどうしたらいい


ごめんね ごめんねって

通じないこと言って

ごめんね

単純理解が 複雑怪奇で

遮った視界を

取り逃したもので 包み隠して も

ホントは 探し出せないから

涼しげに笑って 手を振って背を向けて

日が落ちるまで


沈んでく月に 君を映し出しても

僕はただただ 消えてくだけ

僕にしか語れない色が

君にとっては

無色透明なんだと知っても

悪い癖だって 消え去らないで

自分に噛み付いて 引き止めるから


ごめんね ごめんねって

通じないこと言って

ごめんね

単純理解が 複雑怪奇で

遮った視界を

取り逃したもので 包み隠して も

ホントは 探し出せないから

涼しげに笑って 手を振って背を向けて

日が落ちるまで


笑ってたい

壊れるまで

歌ってよう

割れた声でも

いいよ


ごめんね ごめんねって

通じないこと言って

ごめんね

単純理解が 複雑怪奇で

遮った視界を

取り逃したもので 包み隠して も

ホントは 探し出せないから

涼しげに笑って 手を振って背を向けて

日が落ちるまで

真夜中をすぎるまで



―――――――解説してこ―――――――

 手っ取り早く言うとすれ違う詩。

物理的でも精神的でも、どちらを想像してもいい。どっちにしても、心に温もりが感じられないのは同じだから。

 あなただけが『僕』をわかってくれるって思っていた。でも違った。自分勝手に信じ込んだ思いだったとしても、裏切られたみたいだった。自分の存在やこれまで積み重ねてきた事実が崩れ去っていくみたいで、どうしたらいいのかわからなかった。

 多分、自分が普通じゃないのがいけないんだって謝ることしかできなくて、それでも遠ざかっていく姿は寂しさを呼ぶ。

 僕らもとからすれ違う運命だった。だから、『クロスフェードだね』と笑いましょ。


作成人格: 相葉優樹

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