潮汐ロック

一定間隔ごとに

騒がしく鳴る 声よ

一定感覚だけで

騒がしくなる 人よ

額寄せあって

話しあって

相づちだけが答えってこと?


ほら わかるでしょ

今の冷えかたで

無重力の言葉だけが

横たわっていく

結局は 結局は

僕ら解り 逢えないよ


放り出されたハグルマ

ひとりだけ ひとりで

油をさすの

空回りしても 届きやしないね

君への言葉は

クリップボードのどこにもなくて

切望に絶望 足元に積み重ねても

目線は一向に高くならないから


この世界を連れてくハグルマは

僕らだけを 忘れてしまったみたいだ

紡錘はハズれたままで

何処にも伝わんないんだから

基準は 僕らのためにはないんだ

潮汐ロック 時間も止まるよ

ひとつ部品がまた抜けたみたいね

願うよ

そんなんじゃ

そんなんじゃ

時は止まらないけど


一日が終わるように

君とも さよう ならかな

イチ、ニが噛み合わないように

足並みは揃わない

声かけあって

見つめあってさ

みんなでひとりが答えってこと?


ほら 噛みあうでしょ

否の一言

結論は

僕らあわせ 逢えないけれど


蹴飛ばされたハグルマ

自分だけひとりで

喧嘩のマネごと

してる自分も いやになるね

届きそうな歌だけ 謳って

届きそうもない笑顔だけ

航海に後悔 足元で繰り返してるだけ

誰も気づいてくれないのだから


この世界を連れてくハグルマは

僕らだけを 忘れてしまったみたいだ

紡錘はハズれたままで

何処にも伝わんないはずだ

基準は 僕らのためにはないわけ

潮汐ロックに時間も止まるよ

ひとつ部品がまた抜けたみたい

願うよ

そんなんじゃ

そんなんじゃ

時は止まらないけど


綺麗事言うよ 後悔するしかないけど

だけどね

後悔くらい 先回りして消していくよ

信じたいから 信じさせてよ

いつか取り除かれるなら

それまではせめて

散々に回ってやろうか


この世界を造った時計師は

僕らだけ 忘れてしまったみたいだ

紡錘はハズれたままでも

何時いつでもひとりでに回ってやろうよ

基準なんて 誰のものでもないから

潮汐ロック 偽りと証明しよう

ひとつ部品がまた抜けたみたい

違うよ

そんなんじゃ

そんなんじゃ

僕らを語りつくせやしない

僕らを止められはしないのさ



―――――――――解♪―――――――――

 同調圧力なんて、常識なんて、〇〇らしささんて大嫌いだっていうだけの詩。

 一定の基準に基づいてしか動くことのできない世の中を機械にみたて、それを構成する歯車は人間をあらわす。歯車は紡錘(紡績ではここを中心に糸が紡がれることから、ここでは世界を動かすルールや常識、もしくは社会全体の象徴)を動かすため単調かつ同じように働く。そのスピードが周囲と合わなかったり、ギーギーと騒がしかったりするものは取り除かれ、代替品が用意される。

 でも、これは機械であるから許される行為であって、人間は社会を構成するだけの部品では決してないはず。周囲と噛み合わないだけでのけものにされるなんて、あんまりじゃない?

 ちなみに潮汐ロックとは天文学用語で、恒星の質量が大きすぎることで周囲を回る惑星や小天体の自転がストップすること。これも同調圧力で自分らしい行動を奪われた人間の具現。

 長くなってごめんなさい!!


作成人格: 相葉優樹

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る