ハレ腫れても晴れ渡る

傘をさそう 神様が空にいても

わたしの 隣に 誰も立たないように

この手作りの小さな世界が

私のユートピア

だから みんなの笑い声に

両耳を塞いだ

真っ黒いコウモリ傘を傾け

そっと そっと

淀んだ水を

蹴飛ばした


水たまりの青

足元に消えて

一度って もう一度って

わかってるよ

涙が 混じって 消える まで


神様 に頼みごと

この声が聞こえる 魔法をかけてよ

ひとりの 正解がないから

同じ色を 探して飛び立とう

こじつけた 独断

鮮やかな色に 黒を差す


傘を閉じよう 雨が頬を叩いても

私の 隣に 誰も立たないから

この機械じかけの大きな世界が

私を抱いている

遠ざけて

半透明なビニル傘 提げて

そっと そっと

肩を抱く


海の青は

波紋に消えて

叫んで 手を伸ばしたって

なにが癒えるの

涙が 溶けて 消える まで


神様 にお願いを

ずうっと 隣にいられるように

ひとりじゃ 正解がないから

同じ色も あとどれだけ持つだろう

こじつけの 独断

黒ずんだ色に 白を差す


偽りを歌う


カミサマ もう聞かないよ

ずっと隣にいてなんて

ひとりで何も癒えないなら

わたしの色を 雨に溶かす

たどり着けと 祈る

黒ずんだ心に 白をさす


カミサマ に願いごと

あの声が聞こえる 魔法をかけてよ

ひとりの 正解がないから

同じ色を 探して飛び立とう

こじつけた 独断

鮮やかな色に 黒を差す


涙の色を差す




―――――――――🐚説――――――――

 ここにはふたりの『かみさま』がいる。

周囲が信じる常識の神様。私しか信じないカミサマ。

 私は周りが作り上げた鮮やかな色を一瞬で汚す黒のような存在で、そんな私には普通の人間は太陽のように眩しくて、唯一の居場所と信じる傘の下から眺めていることしかできない。

だから最初は普通の人間になれるよう、神様にお願いする。でも結局、それには自分の黒という個性を捨てて白(無彩色)を演じなければならないと悟る。

だから私は、自分の信じるカミサマに祈り、同じカミサマを信じる子どもを探して飛び立つのだ。


作成人格: 相葉優樹

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