星の民と人、境界線
尾があり、見目麗しく、神と崇められる。
それが星の民、それが我等。
生殖行為などは差がなく、女性が孕むのも常識である。
先人が、我らの祖が、どうしてこの星に来たかは知らないが。
現段階での人との差は外見だけである。
内面はただの人である。
我等、星の民。
ゆるやかに紡がれた我らの御伽噺は人間様の世論とはまるで違う。
我等の美しさは尾の長さである
「カミサマは尾が短いほうが縁起が良い」
我等の誇りは尾の長さ、美しさである
「尾の長い星の民は美しくはない」
長ければ長いほど高貴である
「長く尾が伸び切った醜いものは奴隷に落とすべき」
血筋よ、文化よ、我が身可愛さに墜ちることを許しておくれ。
先代のことも知っている、伝えられた尾の話も耳が痛いほど聞いた。
だが、美しくなればなるほど奴隷に近づくのだ。
どうかどうか。
もう少しだけ。
彼らの蜜を受け、血を押し殺すのを。
どうか。
たとえ世論が操作されているものとしても。
私は尾を切り。
甘い蜜の中に身を投じたいのだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます