そこに、だれがいるか。

@rukonamu

第1話 私はここにいる

いつだったか、私は周りから薄れていった。

最初におかしいと思ったのは、登校中のことだった。

前を歩いていた、いつも話すクラスメイトに「おはよう!」って挨拶したら「え?あ、、、うん。おは…よう?」と生返事で返された。そのときは特に何も感じなかったが、学校生活に何も変わることはなく、せいぜい先生が毎回一人分少なくプリントを刷ってクラスメイトから何回も注意されたぐらいだろう。

それからというものの、私の周辺ではおかしなことが起こり始めた。いや、もしかしたらもっと前からそれは起きていたかもしれない。


悲しきかな。


「おかしい……よね?」


現実に目を反らし、気のせいだと高を括っていた。


「い、いやいや。さすがにこれは…」


前のテストで悪い点を取ったから?


「私の机ないし……」


最近、親に対して反抗的だったから?


「ねえ、ちょっと。私の机どこかしらない?」


ねえ、だれか教えて、、、、


「え?そこに机はもともとなかったじゃん。なにいってんの?」


私がなにしたっていうのよ!?

ねえ!?うそでしょ?だれか冗談だって笑ってよ....


「てか、あんた.....だれよ?」


私がそれを認識し、飲み込むまで凡そ10秒


私は、

存在を

認識を

記憶を


                失った。





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