第12話【王を冠する鳥】


 朝、目覚め朝食を取り、ボーリングは何時行くと相談をしていた。

 話している時、突然放送が鳴る。


[緊急連絡、緊急連絡、帝王鳥の大量発生を確認、冒険者は魔法陣を使い、南門に集合してください、繰り返します……]


「帝王鳥って何かな?」


「帝王鳥というもののは、鳥の中でもデカく、その肉は特別に美味しくて高価に取引されます」


「そうなんだ、まぁ集合してくださいと言って居たし行くか」


「そうですね、お姉様」


 メナに案内され魔法陣と呼ばれる幾何学的模様の上にたち、ワープして南門に募った。

 本来でこれは使用ができないが緊急招集の時などは無償利用出来る。それ以外は申請を出し、必要な魔力分を注げば使用出来る。これは別の町や国行く時に便利だが、まずはその場所で転移許可を得る必要がいる。それと、一度使うのに莫大な魔力を使うため、魔力を注いでくれる人を冒険者組合から雇う必要がある。


「では、作戦を言います」


 いつもの、冒険者組合で初心者に対している受付嬢とは違い、別の受付嬢が集まったパーティのリーダーを集合させた。

 私のパーティで、理解が早いスネ夫に行ってもらった。

 そしてスネ夫が話しを聴き終わり、帰ってくる。


「帰ったよぉ」


「おかえり、で、どう?」


「ヤツらは食料を求めて街や都市を襲うらしい。それを例の如く退治して欲しいとの事、素材は各自で持って帰って良いだって」


 例の如く、多分度々ここを襲うことがあるのだろう。


「あっ、そうそう帝王鳥は首筋を狙うと良いらしい、高く売れるとか」


 手であごに触れ考え込む。

 拳で首筋ねぇ、正直狙いにくいし外れやすいと思う。

 ナイフも悪くないがナイフ自体を持ち合わせていない。

 <なら、マスター体を僕に預けてみればどうよ?>

 <えぇー、あんたに任せるとろくなことにならないと思うけど>

 <大丈夫だよ、今回は僅かにコントロールの手伝いをするだけだよ>

 <そう?信じきれないなぁ>

 カチッと何か切り替わった気がする。

 軽く手を動かそうとする、そして自分の思う通りには動く、しかしブレをあまり感じないどうやら狼牙がやってくてるみたいだ、今度こそは大丈夫みたいな感じだ。


「でも肝心の帝王鳥とやらはとこでござるか?」


「もうすぐらしいわよ」


 周りを見渡すと、大体どの冒険者も普通ではない目をしている、緊張感を感じ手汗が、ってあんまりないなぁ、素材の性能ってやつか

 そこに突如声が上がり、ビクッとなる。


「マイクテス、マイクテス。冒険者の皆さん詮索せんさく隊によるとまもなく帝王鳥が見えてくるそうです。準備してください」


 そう言うと、さっきの受付嬢の方と反対の方で奇声が聴こえった。


「ぐっ、ぐぇぇーーーーー!」


 空気を震わせて耳にしかと聞こえた。鳥の中で鶏に近い鳴き声で、場所を強調させた。


「まさか、あれ?」


 デカいところでは収まらなく、巨体としか言えなかった。

 さらに、数羽所ですらない、確実に100羽は超えていた。

 口を開き、ポカンっとなる。


「そうですよ。お姉様方は見たことがないんですか?」


「ええ、まぁ」


「さて、参ろうか」


「そうね、稼げそうね」


 まさか、冒険者たちの目って金目的、案外ゲスいんだなぁ、でもあのお金持ちのスネ夫がお金に燃えるとは、いや、スネ夫は食に対しては美食家と聴く、なら道理で。

 帝王鳥の討伐に参加した冒険者達は、帝王鳥の討伐報酬と、その肉を優先的の購入券と割引券を貰える。それを事前に知っていたスネ夫は、肉の中でもトップランクと呼ばれる帝王鳥の肉をぜひ食べてみたかったのだ。

 首筋ってことはあまり傷つないほうがいいってことか。


「あれ?スネ夫何かいい魔法ってあるの?」


「一応あるわよ、でも近接戦ならこれで」


 そう言うと、ちょっと小さなナイフ(それでも刃渡り20cmぐらいあるもの)を出してくる。


「なら、良かったよ」


「ぐぇぇーーーー!」


 取り敢えず、帝王鳥と向き合い戦うことにした。

 突進も早いうえ、近くで見ると3mぐらいはある巨体だった。


「後、1羽に対してパーティで行った方がいいらしいわよ」


「了解、なら引き付けておくよ」


 海が少し前に出る、向かって来た帝王鳥を刀で流し首元を切ろうとする、けど、金属のような羽に弾かれる。


「やっぱ、そう簡単じゃあないでござるな」


 見た感じ、あの羽とんでもなく硬そうだ。

 私もその帝王鳥に向かい、メナとスネ夫がサポートする。

 そして、ほぼ一日を使い切って帝王鳥を全て討伐する、70組来ていたパーティで、1パーティ平均的に2羽近くの帝王鳥を倒し、帝王鳥対応の焼肉店にやって来ていた


「美味!?誠に鶏肉でごさるか?」


「帝王鳥の肉は、まるで他の肉が混じっているような肉で、どの部位を食べても、普通より美味しいのです」


「確かに、特殊ね、でも美味いのは確実だわ」


 ふむ、肉厚でジューシー、食べるどころによっては、牛や豚、あまつさえ馬や鯨のような肉の食感や味を感じる。

 昔、1度だけA5国産黒毛和牛専門店に連れっててもらた事がある、そこも美味い、がしかし、こっちのほうが美味とすら感じるほどに美味かった。(人間の舌は複雑の味を美味いと感じる傾向がある、はず)

 帝王鳥は1羽1羽が手強かった、しかしそれに対して大量のお金も手に入った。

 討伐のあと、メナが精肉屋?に案内してもらい、帝王鳥を1羽5000ネリー程で売った、日本円に直すと50万程だ。

 そのお金で少し豪華に帝王鳥の焼肉を食べている。

 何か忘れていたようだ、まぁいっか。

 肉を口に頬張り、もぐもぐと食べていく帝王の名がつくだけあって美味い、しかし反面ちょっと高い。


「突然だけど、帰る時に挑戦者募集って、コロシアムのポスターを見たんだけど、どうかなぁ?」


「と言うと?」


 スネ夫の提案に海が疑問に思い聞かれる。


「実力を測るのと、他の人の動きを見て、学習する感じ」


「確かに、悪くはないけど、私たちは多分参加出来ないと思うわよ」


 あっ、確かに回復術士と魔法使いは厳しいと思う。


「なら、チケット買って観戦します」


 確かに学習ならそれでも出来る、悪くない案だと思った。

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