食品「マヨネーズ」
今年4歳になる家の娘は好きな食べ物は?と聞かれてマヨネーズと答えるほどのマヨネーズ好きだ。一つ穴はビーム、キャップを外したのをお星様と呼んでおり、どちらにするか悩んでいる姿がとても愛おしい。我が家の食卓は、娘が野菜にマヨネーズをかけるところから始まる。
「どっちにする?」という妻の言葉から、娘が吟味し始める。ほっぺを膨らませたり、目を細めたり、顔を近づけたり離したり、お皿を持ち上げたりしながら決めていく。選ばれるのはその時々によって違っていて、僕と妻の意見が採用されることもある。
「このブロッコリーはハミ出さないようにビームの方がいいんじゃない?」
と妻が言うと
「ハミ出さないようにお星様で頑張る!」
と言って、ブロッコリーと同じ大きさくらいまでマヨネーズをかけたこともあった。
お好み焼きをやったときなんかはもう大はしゃぎで、マヨネーズを手にとって、私たち夫婦は部屋から追い出された。もういいよ、と言われて戻った時にはお好み焼きの上に「パパ、ママ、ダイスキ」と書かれていた。文字にすると、それだけのことなのに冷えてしまったことも気にならないくらい美味しいお好み焼きだった。
食べるだけではなく、マイクにもなるのがマヨネーズのすごいところだ。
我が家には万が一にも切れないように常に予備のマヨネーズがあるのだが、それを使って娘は歌い始める。赤いキャップの方を下に持って、流行りのアイドルの曲やアニメの曲なんかを歌う。でも僕が一番好きなのは、「マヨネーズ! なんであなたはそんなに美味しいの〜」から始まる娘が作詞作曲の歌だ。思いの丈を綴った後、最後はマヨネーズを両手で掲げて「マヨネーーズ!」と叫んで終わるのだ。僕はいつもそれがハンバーグ師匠に思えて笑ってしまう。
それはそうと、最近3つ穴のマヨネーズが出たらしい。というのも、今日妻からLINEがきて買ってみたという報告を受けて知ったのだけど。3つ穴はなんて呼ぶんだろう?シャワー?アミアミ?はたまた意表を突いて信号機?娘の反応を期待して、楽しみで仕方がない。最近お腹が出てきたような気がするが、マヨネーズのせいではないのだ。決して。
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