朝の友達、食パン

 朝、きっとみんなが何気なく食べる食パン。


 私は大抵、トーストにして食べるんだけど、あのこんがりきつね色に焼けて、外はサクッと歯ごたえがあって、中はふわふわでもちもちしていると、とんでもなく幸せな気分になるんだ。


 特に、少し焼けてきた頃合にバターないしマーガリンを塗って、また焼いてやると、じゅわっと染み込んだ濃厚な味がたまらないんだ。


 もちろん、ジャムやシロップをかけてやったり、チーズと一緒に焼いてやるのも最高だ。


 私はチーズトーストが大好きすぎて、小学校の頃、ほぼ毎日食べていたのだけど、あの熱々のチーズがとろけて中はふわっとしたトーストとのハーモニーは、何歳になっても絶品としか言えない。


 でも、食パンっていうのは、たまにケチって安いのを買うことがあるんだけど、そうすると、作ってくれた工場の人には本当に申し訳ないんだけれど、ちょっぴりしょんぼりした気持ちになる。


 いつもの食パンを買うと、前述した幸せが待っているから、やっぱり妥協ができないんだ。


 他にも、厚切りの4枚切りは食べ応えが素敵だし、10枚切りは1枚じゃ全然物足りないけど、初めて食べた時のあの衝撃は忘れられない。


 とある小説で、薄切りのトーストしか認めない登場人物がいたけど、10枚切りのトーストを初めて食べた時は、思わずその思想に傾倒しそうになったもんだなぁ。


 ホームベーカリーで焼いたのも、特にパンドミと呼ばれるやり方で朝出来上がるようにセットしてやると、朝起きたら幸せが正座して待ってくれている気分になる。


 そのまま食べてもやっぱり美味しいし、食パンって、こんなに身近なのになんて素敵なやつなんだろう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る