第135話 江戸時代の大規模ワクチン接種プロジェクト

 古文書を趣味にしている友人から、面白い資料を紹介してもらった。


「長州藩における牛痘種痘法の導入と普及」 

 小川亜弥子

 国立歴史民俗博物館研究報告 第116集2004年2月

 検索キーワード 牛痘 歴史 文書 長州藩


 当時の最先端バイオ技術による種痘の実施の研究


 嘉永2年(1849年) 長崎に種痘伝来

 佐賀藩から情報入手

 原液のの入手、技術の入手

 施術者の養成

 小規模接種

 接種センターの開設

 施術者の増員

 基本方針と規則の制定

 大規模接種

 闇接種や高額接種の禁止等


 江戸時代のワクチンプロジェクトは、非常にスピーディーに行われている。

 長崎に種痘が伝来してから1年後には大規模接種が始まっている。

 治験もちゃんとやっている。

 為政者の決断も速く、計画性も高い

 太古から致死率が高く、何度も大流行が起こった天然痘を予防できる技術を手に入れたため、ものすごい勢いで実用化して実施している。


 佐賀藩や福井藩などの種痘の記録の文書も現存しているようだ。

 170年前のワクチン接種と今回のワクチン接種がトラブルまでよく似ている。

 実行力では、江戸時代のほうが上だったかもしれない。





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