第134話 N440K変異株はヘタレだったが

 Centre for Cellular and Molecular Biologyのプレプリントでは、

 みどりざるの腎臓の細胞内で、単一株でで実験した結果。

 競合する他の株はない条件

N440K variant of SARS-CoV-2 has Higher Infectious Fitness

www.biorxiv.org/content/10.1101/2021.04.30.441434v1


 感染性が10倍以上という点ばかり注目されているが、実際には他の株と競合すると、増殖できないようだ。実際に、イギリス株やインド株に押されて、駆逐されかかっている。


 重要な点は、強力な感染性と重症化する能力を獲得したSARS CoV-2の変異株が実際に発生したことである。


 今回は、幸運にも競合条件下で、負けてしまったが、今後、競合条件下でも生き残る変異株が発生する可能性は否定できない。


 新規変異株の検出と、全ゲノム解析と感染性の/毒性のチェックは、ますます重要になる。


 ワクチンは強力な武器ではあるが、逃避型の変異株を発生させる原因にもなりうる。

 ワクチンに過大な期待をするのは危険である。

 治療薬に関しても同様で、耐性株を発生させる原因になりうる。


危険を煽る情報は誤っていても拡散が早く、訂正する情報は拡散が遅い。

今回も、ネット情報では「悲報 感染性が10倍以上」という情報が拡散されている。

この手の情報は、オリジナルをチェックして判断することが重要。



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