第一章 吸血鬼【バンパイア】


「今から、何千年も昔に、ある国に、龍神様がいらしたそうじゃ。龍神様は、人間がたいそう、お好きで、毎日、人間と仲良く暮らしておられた。しかし、ある日のこと、龍神様の、お優しい心に、図に乗った人間が龍神様の大切にされていた水晶玉を割ってしまった。いつも、龍神様が怒らないと思っていた人間は、そのことを龍神様に謝りもせず、それどころか、毎年、龍神様に、御供えする食料も忘れてしまってのう。そのことを知った龍神様は、非常にお怒りになられて、人間どもに、罰を与えられた。空は、雷(いかずち)を落とし、海は、荒れ狂い、龍神様は、人間を一人一人、食い殺した。龍神様はのう…人間達が無事に暮らせるようにと、毎日、空や海を守っておられたのじゃ。その恩も忘れ、自分勝手に生きる人間に、龍神様は、腹を立てられたのじゃなぁ。人間は、龍神様の逆鱗に触れてしまい、みんな、死んでしもうた。しかしなぁ…元々、人間の大好きな龍神様は、人間が恋しゅうて、余所の国に、人間を探しに行かれ、とある国で出会った娘に、恋をして、娶られたのじゃ。龍神様と娘の間には、二人の息子が出来てのう…光の龍神に、白龍、闇の龍神に黒龍と名付けられた。その後、龍神様は、娘と二人の息子と、末長く、幸せに暮らされたそうじゃ。」


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る