第一章 吸血鬼【バンパイア】
救急箱を持って、部屋へ戻ってきた冬夜は、影龍の姿がなく、そこを飛び出して行った。救急箱を持ったまま、屋敷内を駆け回っている冬夜を見て、夕霧が声を掛けた。
「騒がしいぞ、冬夜。今、光龍が仕事の為に、精神を集中させているんだ。静かにしていろ。」
夕霧に注意され、少しムッとすると、冬夜は、裸足のまま、屋敷を出て行った。
「やれやれ…。」
呆れたように、息をつくと、夕霧は、部屋へ入って行った。
その頃、光龍は、離れの部屋で、妖魔と戦う為に、精神を統一していた。今まで、一人で戦ったことのない光龍は、自分から、進んで引き受けたものの、不安でならなかった。不安だという気持ちがなかなか消せず、精神を統一出来ない。座禅を組み、瞳を閉じた光龍の頬を汗が一筋、流れる。
『精神統一。心を無にしなくては…。』
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