第一章 吸血鬼【バンパイア】
唇を片手で軽く押さえ、クスクスと笑う白狐。二人は、庭にある満開の大きな桜の木を見上げ、春風を受けながら、にっこりと笑みを浮かべた。
その頃。街にショッピングに出掛けていた、光龍と冬夜は、公園のベンチで一休みをしていた。買い物好きな光龍が、いろんな物を買い過ぎた為、荷物が沢山になってしまい、予定よりも、遅くなってしまった。
いつものこととはいえ、冬夜は、少し呆れていた。シャツの胸のポケットから、煙草を取り出し、口にくわえると、火をつけ、大きく吸い込む。
肩までの柔らかい髪を風になびかせ、足を組んだ冬夜は、買い物に満足して、機嫌の良い光龍をチラリと見ると、溜め息混じりに言った。
「あんたさぁー…買い物好きなのも、いいけどよぉ。よく、金がもつねぇ?」
冬夜の言葉に、光龍は、にっこりと笑い、少し乱れた前髪をかき上げ、応えた。
「お金?そんなもの、いつまでも、あるわけないでしょ。」
「何だって?それじゃ、何で、そんなに、買い物出来るんだ?」
「買い物は、僕の生き甲斐なんです。お金が無くなったら、借金しても、買い物します。」
あっさりという光龍に、冬夜は、ますます、呆れて息をついた。
「そんなことして、困らねぇのかよ。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます