第281話 出雲大社の隠れ社で話し合い
出雲大社の隠し社の中で、イスとテーブル出してから囲んで座る妻達withトルティ嬢を前に、俺はとある一枚の資料に目を通し……ため息一つ。
危険だと遺跡を破壊しようとして、まさかの遺跡型魔道具だと判明して、発動に巻き込まれて別世界に飛ばされた俺達。
出迎えは、黒服たちからの敵意。
黒服上司が来て、
二つの情報を得た俺は、どうしても確認しなければならない情報が必要だったからだ。
『では、応接部屋までどうぞ。おもてなしをさせて下さい』
『結構。こちらで待たせてもらう。理由は……言わなくても分かると思うが?』
今は大人しい彼らだが、案内されたら拘束されるとか、本気でキレそうだからな。
情報不足でも、護りたい者達ともしかしたらの者達くらい、どうにかできるから。
他の人達? はっきり言ってやる、縁も所縁も無い奴らなんざ知らん。
黒服たちは政府関係者だろうから、現状では敵対者なので護る価値もない。
リエルを全力全開のフル使用して、庇護者以外は世界ごと破壊してやる。
そういう部類のマジギレ。
そこを簡潔に言ってやると、黒服たちは交代させられ、用事があればと、新しい黒複数名がやって来た。
今度は女性もいるようだ。
『それでは、直ぐに書面をお持ちさせて頂きます』
『わかった』
そして、空間収納からイスとテーブルを取り出して、万が一を備えてナリアのみが給仕し、他の序列侍女は妻達の後ろへ回り護衛。
ウォルドと八木が対峙するように牽制体制を維持し、潤、輝明、箒、澄沢がその後ろで俺達と同じ様に椅子に座ってティータイム中。
シンビオーシスクラン代行候補冒険者は、トルティ嬢を護衛して貰ってる。
『あの、私も護衛側のはずなのですが』
『少々、事情が変わった。申し訳ないが護衛対象とさせてもらう。これは王命であり、異議は認めない。まぁ、何かあった場合、南部辺境伯に顔向けできないから、従ってくれ』
『承知しました。全て、公王陛下の御心のままに』
納得できない部分はあるだろうが、異常事態なのは察している様で、トルティ嬢は素直に従ってくれた。
勿論、今回の事は他言しないとも誓ってくれたよ。
今は極力、放出系魔法を使いたくないので、誓約無しで彼女の言葉を信じることに。
そして、黒服上司が書類を持ってきて、ウォルドが代表して受け取り、俺に手渡す。
勿論、公の立場としての振舞いで。
資料を受け取り、目を通して、そして現在に至る。
「あの、あなた?」
「悪い予想って、裏切らんよなぁ」
そう言って、全員に資料を見せて行く。
三択の中で、どれかなと思っていたが、一番高確率のやつが当たった。
前世の世界にあった日本の出雲大社、現在地点なのが確定。
そして調べて貰った情報は、行方不明者リストと死亡者リスト。
死亡者に関しては時期を話していたから、直ぐに判明しただろう。
行方不明者リストも、どこの警察署が一番近いか八木達から聞いて話したので、簡単だったと思うが、問題は山積みだ。
その一つが、行方不明者リストにある名前。
八木に関して、捜索依頼が出ていなかった。
桜花と優華は見つかったが、八木だけは無かった。
「まぁ、そうっすよねぇ。……はぁ」
「あー……」
「気にしなくて良いっすよ。これで区切りはついたっすから。俺には婚約者もいるっすしね」
本当に、清々しい、でも、何処か痛々しい笑顔だった。
「なんか、して欲しいことあるか?」
「元の世界に、偶然でも戻れたっすからね。コンビニ飯喰いたいっす」
「うん、それで良いのか、八木」
「後はマ◯クとか。ジャンキーなもん喰いたいっす」
「善処しよう」
問題が解決できたら、望みを叶えてやろう。
次に、桜花&優華。
「私は戻る気ないです」
「私は一度会いに行こうかなぁ。旦那様の紹介したい」
「俺が会いに行けるかはわからないぞ、優華。まぁ、前にいる人達次第ってのが全てだけど」
そして、黒服たちに視線が向く、全員の。
ちょっとたじろいだ黒服たちだが、話し合いは必要か。
「さて、まずは自己紹介から始めたいんだが、誰が代表者で来てくれる?」
「僭越ながら、自分が。ですが、二つだけ先に聞いて宜しいでしょうか?」
「答えられるものなら」
「まず貴方様ですが、やんごとなきお方だと思うのですが、間違っているでしょうか?」
「間違って無いな」
「もう一つ、皆様方は別世界からの来訪者でお間違いないでしょうか?」
「……」
「黙秘されたいお気持ちは重々承知しますが、この先のお話し合いで必要になって来る事です。……そう言えば申し遅れていました。自分は日本政府特務省所属異質現象対処課部長の安寧と申します」
「……偽名、いやコードネームか?」
「珍しい苗字だと思いますが、本名です。下の名前はありきたりで、明ですよ」
うーむ、流石は部長と名乗るだけはある。
必要最低限の情報で、こちらの情報を探って来るか。
……しょうがない、あの手で行くか。
「一つ、言っておく」
「何でしょうか?」
「先の質問に答えた後、俺達に何かしようものなら、遠慮なく政府ごと潰す。日本沈没も覚悟しろ」
今度は殺気ではなく、本当に出来るし殺るぞ――と、威圧しておく。
涼しい顔してるが、冷や汗は隠せていなかった部長、慌ててハンカチで拭う。
「上に働きかけましょう。それと、先程の質問に対する対価ですが、こちらの情報をもう一つ」
「公には開示してない、若しくは存在しない機関だろ」
今度は驚きを隠せなかった様で、警戒度を一気に上げてきたことが分かった。
まぁ、仕方ない事だろう、職業的にな。
「で、先の質問だが、確かに俺達は別世界からの来訪者――いや、漂流者かな」
「詳しくお聞きしても?」
「そこは構わんが、立ち話もどうかと思うぞ」
そう言って、空間収納から二つのテーブルと全員分の椅子を出す。
交代した黒服たちの分も。
「まずは座って話をしようや。そこの黒服たちもな。ナリア、給仕は任せる」
「承知いたしました」
手早く準備を済ませ、全員に紅茶を給仕したナリアは、ミリアの護衛に付く。
正妃なので、公での警護優先順位は2位だからだ。
ただ、今の現状では3位は変わり、トルティ嬢が優先。
この辺りは、貴族関連の柵も関係してくると思ってくれ。
まぁ、トルティ嬢殉職で、公王家を守り切ったのなら、複雑な想いはあるだろうが、南部辺境伯家の株は一気に上がるけどな。
そこも嫌がっての、トルティ嬢が優先度3位だ。
発案者は、元王女や皇女組。
受け入れはしてるが、誰も死なせるつもりは無いので、安心して欲しいのだがな。
「あまり紅茶は飲まないのですが、これは美味いですね。……さて、どう話をしましょうか」
ゆったりと寛いで見せる安寧氏、流石と思わされる態度。
どう切り込むべきか、口に出すのは減点……いや、違うな、敢えてこちらから話させたいのだろう。
だんまりは宜しくないが、舐められている気がしなくもない。
情報戦――いや、心理戦か。
「……リーゼ」
「私で良いのですか?」
「ああ。足りない情報に関しては、適時補佐する」
「陛下の御心のままに」
妻ではあるが、秘密裏な公的対話となる為、リーゼは参謀として立ち振舞う形にした様だ。
そんなリーゼは、初手からアクセル全開でぶっこんだ。
うん、その情報は後の方が良いのでは?
「まず初めに申しておきますが、我々がこの場に現れたのは、意図的にではなく、偶然、事故によるものだとご理解ください」
「事故、ですか?」
「先程、陛下も仰いましたが、来訪者ではなく、漂流者です。それで、ある程度はご理解いただけるかと」
「……想定外の出来事に巻き込まれたと?」
「その認識で、間違いありません」
その後、リーゼは何も話さなくなった。
安寧氏が何を聞いても黙秘。
ここで何をしたいか理解した。
お互いに、見合う情報を一つずつ出し合いましょうと、リーゼは情報開示する事で提案したのだ。
何度か黙秘された安寧氏も、それに気づいたのだろう。
直ぐに手を変え、情報を開示してきた。
結構、重要な情報を。
「中々に手強い。では、こちらからですが、お気付きかもしれませんが、今回が初めてではないという事――いえ、とある部分を除けば、今回が初めてではないという事です」
「でしょうね。この場所が要所だからこそ、警護人を配置しているのでしょうから。ですので、一つだけ質問に答えて下さい。そうすれば、次の情報を開示しましょう」
「なんですか?」
「一部分――それは人が来たことが無いのか、大人数が無いのか、どちらですか?」
しかめっ面になる安寧氏だったが、一つ息を吐き、答えた。
どうやっても無理だと悟ったのだろう。
「これは時間の無駄ですな。わかりました、出来る限り開示しましょう。流石に、要人名などは勘弁して欲しいですが」
「必要が無ければ」
「はぁ……。さて、先程の質問ですが、我が国の語られぬ歴史の中で、一度だけ、複数の人間が来たと記録はあります」
「何名でしょうか?」
「勘弁して下さい」
「そこは重要な情報なので、開示して下さい。そちらに対しても、益はありますので」
安寧氏は少し考え、部下に視線を送った。
部下、全力で首を横に高速で振る。
尊敬する上司だし、助けは出したいけど、自分達の領分超えてるから無理っ! って事だと思う。
安寧氏が、今度は息を吐くのではなく、溜息っぽいのに変わっていたから。
……助け舟出すか。
「安寧殿、その情報を聞けた場合、国家に有益になる可能性があっても話せませんか?」
「国家にですか?」
「ええ。多分ですけど、どう転んでも国家に益が出ると思うですよねぇ」
「……わかりました。文献によれば、一度だけ、成人したと思われる男女が複数人です。我々も、そこまでしか知りません」
「明確な数は分からないのですね?」
「奥方様――で、宜しいのですかな?」
「お好きに」
「では、敢えて参謀殿と呼びましょうか。仰る通り、文献にも明確な人数は記載されていません。我々が知らされていないだけか、意図的に抹消したのかは知りません」
「では何故、我々に驚き、警戒したのでしょうか?」
「先程、文献と申し上げました。つまり、何百年も前の話だという事、そして、それ以降の繋がりは皆無だったという点、最後に、複数人の定義です」
ふむ、こっちはリーゼに任せて、別の作業をするか。
『リエル』
『あの遺跡は、位相転移装置で間違いないですが、少し面倒な事が分かりました』
『なんか不機嫌じゃね?』
『不機嫌にもなります。あの装置、理論だけなら人間でも作れますが、絶対座標の観測を出来る技術が無いので作成不可能なんですよ』
『しかし、実際にあったんだが?』
『誰が手を貸したのかという事です』
あー、そういう事か。
冷静になったゼロが、世界の惨状を見て、やらかしたと罪悪感を募って手を貸したと。
……時空神が見逃すとは思えないんだが?
『前に、埋没の毒を仕込んだの、覚えてますか? それとなく注意されたやつです』
『ジーラとジェネスとシルだけが気付いたやつ?』
『はい。その埋没の毒経由ですね』
『元から裂けてるから、次元断層に影響が無いって事か』
『普通は人が渡るなんて無謀ですけどね。この先は、今は仮説ですが、何かしら問題が起きて、あの島に住めなくなり、かといって大陸には戻れず、結果として生き残り全てが飛び込んだのではないでしょうか?』
『裂け目は、次元迷宮と時の迷宮、両方の特性があるから、運良く渡れた者達だけが来れたってわけか』
『部署が出来ているという事は、人以外の取引はあったのでしょう。迷宮の対象は生物ですから』
『動物とかも無理なんだよな。死骸以外は』
『全ての生命に該当します。細菌ですら対象なのですから、過去の渡った人間は相当追い込まれていたか、自殺志願者か、単なる無知ですね』
『その辺り、ゼロが注意喚起はしてそうなんだがな』
『帰ってから聞いてみては?』
『帰還方法は見つけたんだな?』
『マスターたちが色々と話してる間に。RE・コードを介して、位置座標も取得済みなので、今すぐにでも帰れますが、どうしますか?』
『帰る時には言うよ』
「「聞いてますか?」」
「聞いてるよ」
重要な部分は――と付け加えておくが。
そこでかなり深刻な問題と、ちょっとした問題が一つずつ。
ちょっとした問題は……汚名を被れば良いか。
問題はもう一つの方。
「8年後か……」
「あなた?」
前世と転生後の時間軸、差異があるだろうとは思っていた。
だから、その差異が正常なら問題無かった。
ジーラ曰く、どちらも時間の流れに大きな差異は無い――と聞いていたから。
しかし実際には8年後……本来であれば、誤差3か月に17年だから4年と4カ月、合計で21年後が正常値。
4カ月くらいなら、ジーラの言う通りの些細な誤差に入る範疇なのだが、マイナス値側によっているというのはアカン。
実際の転移時間軸は、死んでから8年後と半分以下。
ズレが酷過ぎる。
「それで、文献通りであれば、資源の買取か何かと交換を」
「それは私の領分では無いので――旦那様、本当に聞いてますか?」
「聞いてるよ。で、先に一つ問題を片付けておこう」
そう言って、行方不明者リストの中から、二名の名を指差す。
そう、最後の最後まで迷惑をかけてくる奴らの。
「この二名は、既に死亡している。いや、その存在自体が消失している」
「え、えーっと……」
「完全敵対したからな、俺が殺した」
「ちょっ――ラフィさん!」
八木に目線で訴える――喋るなと。
俺は……いや、八木、優華、桜花以外の現代組は、この世界では存在しない者達だ。
そして、犯行現場も異世界となれば、この国の法では裁けない。
異世界があると認知している国家が、別の国の法で裁いて処刑したとなれば、声明の発表くらいはできるかもしれないが、国民に秘匿してきた内容では、それも不可能。
精々が、お偉いさんと会って、事情説明とお小言くらいだろう。
そうしなければ、内政干渉になるのだから。
しかし八木達は、行方不明者リストに名前が残っている以上、未だこの国の民である。
異世界や他国で犯罪を犯したとしても、立証が限りなく不可能に近いとしても、自白があれば裁かれる可能性がある。
ならば、俺が殺したことにするのが一番なのだ。
実際、半分は俺がしてるからな。
喰邪神になってからの話だけど。
「本当に、陛下が手を下されたので?」
「家族に被害が及びそうになったからな。完全に敵対した以上、命乞いも無い状況下では、始末するのが普通だろう。捕虜にする余裕は無かったのでな」
「……」
「言っておくが、この中で一番強いのが俺だ。次に強い者が、そこで護衛をしているウォルド。なんなら、発砲して試してみるか? ああ、問題にはしないから」
「いえ、止めておきましょう。先程、交代した者達の中には、発狂しかけている者もいましたから。全員が恐慌状態だったのは、言うまでもないでしょうが」
「問題にするか?」
するなら、さっさと帰る。
「いえ。こちらも非礼はありましたので、水に流そうかと」
「それは助かる」
「あの、一つ頼み事が……」
八木が徐に手を上げて発言する。
ふむ、密談とはいえ、国家レベルの話に割り込むとは珍しい。
気になるので、聞いてみることに。
「俺はあっちに帰ります。なので、死亡扱いにして下さい」
「流石に生存確認できた者を死亡扱いには……」
「……覚悟はあるんだな?」
「二度と、こちらの世界に来れなくても構わないっす」
「わかった。安寧殿、頼みたい」
「早速、厄介事ですか。それで、見返りは何でしょうか?」
宝石数点を、その場に置く。
「これは国家間での話し合いではない。戦友の頼みを聞いて欲しいという我が儘だ。だからこれは、その謝礼だ」
「立場を利用してやれ――と、言う事ですか。……失礼、少し怒声を出します」
「聞かなかったことにしよう」
「すぅう……貴様らぁっ、これは私の独断である! だがっ、貴殿らも何かしら問われるだろうっ。だからこそっ、この賄賂を受け取れぃ! 全ての責は、私が負うっ!」
「へぇ……」
中々の御仁である。
世界が同じなら、
連れて帰れねぇかな。
「ごほん、あ・な・た」
「うん、今のはダメだな。すまん」
「考えは良いですが、意志の尊重だけして下さいって意味です」
「あ、それは良いんだ」
「優秀な人材は、確保したいですから」
正妻様は、国の事も考えてくれたようだ。
まぁ、結果だけ先に言うと、断られたと言っておく。
愛する家族を残してはってのが、大きな理由。
うん、それは大事なので、潔く引き下がった。
そして、死亡者扱いの件も動いてくれた。
八木、来栖、阿藤は、DNA鑑定しないといけない程、遺体の損傷がひどい状態で発見されたとし、全員分の偽遺体を作って、家族の元に送るそうだ。
流石は現代技術なのか、判断に困るな。
「で、問題なのは、時間だな」
「時間、ですか?」
「そう。偶々なのか、これから先も続くのかってやつ。続くのは、ちょいとよろしくない」
この辺りは、神達も交えてになりそうな話だな。
偶々ならそれで良いんだが……。
『一つだけ、仮定が』
『聞こうか』
『喰邪神誕生の影響で、一時期、次元断層が不安定になりました。その影響がある可能性も』
『今は安定しているから、問題になっていないと?』
『仮定の話です。情報が足りないので仮定ですが……調べますか?』
『頼む』
さて、今後について詰めるか。
せっかくだし、色々としたいからな。
まぁ、安全が最優先で確保されたらの話だけど。
「それで、そっちは資源が望みだと聞くが、こちらで使用できる通貨に換金して貰えるのか?」
「それで良いなら、非常に楽です」
「それと、リーゼと話をしている時にも言っていたが、文献の中でも、起動は一方通行であるが、物資のやり取りは出来ていたんだな?」
「はい。ある日を境に、音信不通となったようですが」
「それが千年以上前、平安京時代で安倍晴明が活躍されていたとする時期か」
尤も、平安時代の有名な地域の話は京都が多い。
出雲大社に関係しているとは思えないんだが。
……いや、もしかすると、祀られている神の名が原因か?
1300年前に創建されているし、何らかの関りがあっても不思議ではないか。
……いや、もしかすると、出雲大社のもう一つの話のせいか?
もしそうなら、この場所なのも理解できる。
「……ま、良っか」
「良いのかよ」
「考えても結果は変わらんからな。それよりも、異世界旅行としゃれこんだ方が現実的。ウォルドだって、ナリアと遊びたくね?」
「まぁ、興味はある」
「俺も妻達とデートしたいから」
「あの、少しはこちらに時間も……」
「ん? 換金の話もあるから作るけど、政治的な話はしないよ。次に来れるか知らんし」
絶対に来れるけど、敢えて言わない。
国交樹立とか面倒だし、来れても後数十年だろうから。
それと、確実に俺の仕事が増える。
それは断固として阻止る!
「とりあえず、移動するか。専用車両や専用電車、用意してるんだろうし」
「……今日は移動で時間も無くなるでしょう。なので、もう少し詳しくお話を聞きたいのですが」
「条件付きなら」
こうして握手を交わし、移動することになった。
ただ一点、変わんねぇなぁって思った。
(出雲大社の賑わいって、8年経っても同じかよ)
そんな事を思いつつ、専用大型バスに乗り込むのだった。
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