第282話 世界が変わってもやる事は変わらない

「ようこそ、我が国へ、来訪者殿」


 出雲大社の隠し社から政府手配の大型専用バスに乗って、政府手配の貸し切り新幹線――回送――に乗って、数時間かけて予想通りの場所、一般企業に偽装させた存在しない官庁の応接室に案内され、官庁長に加え、政治家が1人。


「内閣府、財務大臣を務めていらっしゃる方です」


「これは予想外だったな。まさかの大物とは」


「ははっ、私も、まさか一部の政治家だけが知る文献内容に立ち会えるとは思っていませんでしたよ」


 和やかに、笑顔で軽く話始めるが、心理戦は既に始まっている。

 お互いに、交渉人が少し威圧し合ってるから。

 こっちは、王女、皇女組が担当者だ。

 リリィ、リーゼ、ミナは口戦の臨戦態勢に入っている。


「お互い、心理戦は嫌ですなぁ」


「全く。ですが、全て腹を割ってというのは、無理な話でしょう?」


「ですね。ただ、一つだけ勘違いを解いておきたくはあります」


「勘違い?」


「こちらは、国交樹立を望んでいませんし、敵対する気も無いという事です。秘密裏に友好的に、国賓待遇をさせて頂きたいという事です」


「その見返りに、資源ですか?」


 まぁ、少しの間、この世界で新婚旅行をする予定だから、資金が必要なのは間違いない。

 だが、これもちょっと勘違いに入っていた。


「資金については、勿論、適正価格で買い上げさせていただきます。ですがこちらも、買い取って頂きたいものがありまして」


「……物を見てからでしょうかね」


「そう言われると思って、サンプルをお持ちしています」


 アタッシュケースに入っていた3つの鉱石、ミスリル、アダマンタイト、オリハルコンである。

 超高額鉱石の買取は、量が限られるんだけどなぁ。


「これ、こちらでは希少鉱石ですよ」


「文献にも残っていますが、未だに加工が出来ていなくてですね」


「まぁ、ミスリルについては納得できますが」


 ミスリルは、魔力を流しながらの加工が必要な鉱石だ。

 魔力の無い前世の世界では、確立が難しいのは理解できる。

 アダマンタイトも同じ理由で、難しいのは分かるが、ミスリルほどでは無いし、魔力無しでの加工も出来なくはない。

 魔力を流せば、加工が楽になるって話だ。

 オリハルコンに関しては、確かに難しい加工技術が必要だが、魔力の有る無しは関係なく加工できる。

 但し、異常に硬いがな。

 だが、ダイヤモンドを楽に加工できる技術があるのだから、そこまで難しくない気もするんだが。


「これは加工できそうな気がするんだけどなぁ」


「それが、固すぎるんですよね、その鉱石」


「まぁ、オリハルコンだから、確かに硬いですが、ダイヤモンドカッターとかあるでしょう?」


「確かに、それならば加工できますが、用途が限られてしまうんですよ。後、そこまで量が無いのも理由です」


「どれくらいで?」


「300キロほどでしょうか。他二つの鉱石は、もっと多いですが」


「うーん、値段次第だなぁ。それで、そちらは何をお求めで?」


 これは予想通りで、鉄、木材、金と銀、それと、宝石類。


「宝石類は、原石でも買い取ります」


「既に貴金属に加工されたのは?」


「買い取ります。政府関係の貴金属鑑定士もおりますので」


 さて、どうしようかな。

 問題は金と宝石関連かな。

 金はこっちも必要な量があるから、そこまでは売れない。

 宝石関連は、魔石も含むからな。

 特にルビーは、魔力を含んでいるのが多い。

 売るか、売らざるべきか。


「(売りましょう)」


「(リリィ?)」


「(代わりに、向こうで使えそうな技術と交換した方が良いです)」


 リーゼとミナも頷く。

 そっちの方が有益になる可能性が高いみたいだ。


「わかりました。出来る限りの量を売りましょう。それで、買取希望の鉱石に関しては?」


「物々交換で良いでしょう。ただ、そちらでの市場価格が分かりませんので」


 はい、来ました。

 君らの市場価格で買い取ってねってやつ。

 買うわけねぇ。

 特にミスリルは買い叩く。

 ミスリルには含量魔力がある。

 しかし、見せて貰ったミスリルには全く無い。

 これでは使えない。

 使えるまでに、何年掛かるのか分からない。

 ぶっちゃけ、今はただの硬い石。

 価値無いんだよなぁ。

 いくらにするか……。


「よろしいでしょうか?」


「リリィ?」


「どうぞ、奥方殿」


「失礼します。こちらの鉱石ですが、こちらで買い取っても、使えるまでに年数が必要です。では、どれくらいの? と思われるでしょう。はっきり言いますが、分かりませんですね。持って帰って数日で使えるのか、何十年も掛かるのか、未知数です」


 嘘は言ってない……早口で、情報の精査を邪魔してるが。

 嘘は言ってないが、使えるようになるまで数十年は掛からない。

 未知数な部分は確かだが、数年ほどが上限だろう。

 流石はリリィと言うべきか。

 ……リアフェル王妃、乗り移って無いよな?


「オリハルコンについては、適正価格で買い取らせて頂きますが、加工に失敗した分については、値引きをお願いしたいですね。こちらも、使用用途に制限が付きそうですので」


「残る一つについては?」


「旦那様、お願いします」


「そこで俺に振るんかい。まぁ、アダマンタイトもミスリルと同じかな? ミスリルよりは高くなるとは思うけど」


「……何か理由があるのですか?」


「あるけど、言うと思うか?」


「いいえ。線引きがあるのか、確認したかっただけです。しかし、一つだけ確認させてください。やはり、古いからですか?」


「まぁ、それも理由の一つかな」


「わかりました。ああ、全て買い取って下さるのですよね?」


「こちらの手持ち物資で足りれば」


 嘘は言ってない。

 金と魔力無しミスリルだと、金1キロに対してミスリル100キロ、それが適正価格。

 それくらい、含量魔力無しのミスリルは安い。

 寝かす時間が必要だから、仕方ない。

 まぁ、買い叩くから、1対150だな。

 アダマンタイトは、1対50が適性だろうが、買い取れる商人は限られるから、1対100に。

 問題はオリハルコン。

 こいつは金100キロに対して1キロが適正価格。

 古さを考慮して、いくつかは使用用途の制限で買い叩けるだろうが、研究用に使っていても、残り250キロはあるだろうと考えておく。

 ……うん、手持ちじゃ足りねぇ。

 流石に2.5トンは持ってない、つか持ち歩かねぇ。

 買い叩けねぇかなぁ……。


「あなた、金はいくら持っているのですか?」


「2千あるかないかくらい。銀はその半分かな? 木材はそんなにない。後は宝石の原石や加工済みにした貴金属類かな」


「リリィ、お願いしますね」


「わかりました、ミリア。今、お聞きになられましたが、こちらの鉱石全てを、金で全て交換してもらいたいですね」


「内訳をお聞きしても?」


「ほぼオリハルコンの代金です。ミスリルは金1キロで、500は必要でしょう。アダマンタイトはもう少し下がりますが、それでも250にはなるでしょうね」


「先程の理由に付随してですか?」


「はい」


 ニッコリと笑うリリィ……うん、リアフェル王妃にクリソツなんだが。

 後、普通に3倍以上で買い叩いてらっしゃるんですが。

 うちの嫁、こっわ。


「わかりました。ただ、保管場所まで取りに来て頂きたいのですが」


「それくらいはしますよ。こちらとしても、オリハルコンを購入できるのは有難いですから。こちらの世界でも希少鉱石なので、お金だけで買えるものでは無いですし」


 お互い、ニッコリと笑顔で応対しているが、向こうはちょっと引くついてるな。

 ちょっとしくじったのだろう。

 財務大臣の目が笑ってねぇから。


「それで残りに関しては、全てこちらの紙幣でよろしいでしょうか?


「いや、技術提供をして貰いたい」


「ほう?」


 財務大臣の目が険しくなったな。

 だから、こっちの世界での伝家の宝刀を使う。

 日本という国は、誠実な相手に関して言えば、この言葉に弱いから。


「発展途上国なので」


「……詳しく聞いても?」


「こちらでもある話だ。国としては発展していても、技術不足な国はあるだろう?」


「……何を御所望で?」


「娯楽関係と生産技術関連、それと食に関してだな」


 ちょっと強欲に行ってみる。

 どうせ、全て再現は不可能だから。

 冷凍食品とかは、もしかするとできる可能性はあるが、コンビニの様な大量生産販売は無理だろうし。

 欲しいのは、あくまでも基礎部分。

 リエルに調べて貰って、全部やるにしても、最終部分の説明は口頭でしないといけない。

 本人が理解してないのだから、いずれ限界が来る。

 それを避ける為に、基礎技術を資料に纏めて提供して欲しいってところだ。

 但し、期日は三日以内で。


「……はぁ、やりましょう」


「大臣?!」


「それで銀も融通して頂けるのですよね?」


「しましょう。残りはこの国の紙幣で。実は新婚旅行中なんだよ」


「そんな中で、ですか。宿泊場所はお決まりで?」


「いや。換金後の資金がいくらになるかもわからんからな。手持ちと相談する予定だ」


「では、先に仕事を済ませてしまいましょう。保管場所も近所ですので、その場で全て行いましょう」


「大臣、相変わらずですね」


「即断即決は必要だよ、君。特秘に関しては、な」


 こうして、また移動。

 移動先で、お互いに交換、換金分を出し合ったのだが……しくじった。

 魔法が無い世界だったの、失念していたわ。


「はは……魔法のある世界というのは、凄いのだなぁ」


 財務大臣、ちょっと引いてる。


「もしかして、他の方々も?」


 官庁長、ちょっとビビってる。

 流石に可哀想になったのか、ミリアが真実を話す。


「夫は世界屈指なので。すくなくとも、輸送関係で勝てる人はいないでしょう。戦闘面なら、夫が失態し続ければ、可能性のある人物はいますが……」


 ウォルドを見るミリア。

 溜息を吐きながら、答えるウォルド。


「陛下が千回ミスして、ワンチャンって所でしょうかね。まともにやり合ったら、ぜっっっっったいに、勝てません」


「謙遜するなよ、ウォルド。百回ミスったら、流石に負けるぞ」


「それでも百ですか、陛下」


 日本国組、全員ドン引き中である。

 そんな中、ようやく全ての鉱石を空間収納に収め終えた。

 出すのは楽だが、収めるのは時間が掛かるんだよなぁ。

 あ、リエルがホクホク顔になってるのが分かる。

 全部使いそうで怖いなぁ。


『半分しか使いませんよっ!』


 半分は使うんかいっ!

 全く、何に使うんだか。

 まぁ、いつも助けて貰ってるし、ご褒美にしとくか。


『マスター好きっ! 愛してますっ!』


『現金な奴め』


 そして、転移当日は、政府が用意した超高級ホテルの最高層二階分が貸し切りにされて宿泊となった。

 公用費からとの事だが、それって税金からだよね?


「蒼、気にしたら負けよ」


「蛍さんや、気にしなさすぎもどうかと思うんだが?」


 因みに、なんで政府が用意したかというと、換金が間に合わなかったから。

 どうしても、明日の朝一になるらしい。

 部署の人間は、全員が残業するとの事。

 うん、官僚って大変だね。

 ……うちも気を付けよう。

 それと、服装が目立つらしく、現代風の服も用意されたわ。

 ナリアはすっげぇ不機嫌になってるが。


「陛下に渡すような服とは思えないのですが」


「まぁ、量産品だしな。人数も人数だし、仕方ないだろう。あ、侍女達も着替え――え? 絶対に嫌? いや、流石に目立つからさ」


「メイド服は、我々侍女の戦闘服ですので」


「……ナリア、メイド服だと、ウォルドと一緒にデート無理だけど? 後、着替えねぇなら、君ら連れて行かんからな」


 全員、即座に着替えたわ。

 戦闘服じゃねぇのかよ。

 うん? 臨機応変に動けるからこその序列侍女だって? 屁理屈かよ。


「では、明日からの行動について話を」


「徹夜で色々と詰めるか。あ、一部序列と妻は、トルティ嬢のお相手と護衛を頼む。あ、君は専属でやってね。それと、ミリア、リリィ、ミナ、リーゼは、俺の方に参加で。ナリアは給仕ね。それと、現代組も参加で」


「蒼夜、安寧さん、引いてるんだけど?」


「まぁ、多数対1での話し合いだからなぁ。でも、立場上しょうがなくね?」


 全員が安寧氏を見る。

 安寧氏、静かに頷く。

 しょうがないらしい。


「そういう事ですので、手心をいただけたらなぁ――と」


「手心は無理だけど、頑張ってお仕事できるドリンクなら上げよう」


 空間収納から、試作品を取り出して安寧氏に渡す。

 安全安心は既に実証済みの、試作品の残りだ。

 中身? 異世界版エナドリだよ。

 味はスポドリ系統だから、グビグビいけちゃう代物だ。

 一時期、ブラガスが本当にヤバくて開発した一品なのだが、飲むだけで48時間不眠不休で食事要らずに働けるヤッバイやつ。

 再度、ブラガスが欲しがった時は、流石に止めたわ。

 それくらい、効能がヤッバイ。

 依存性? ないよ。

 ブラガスが欲しがった理由は、仕事が終わらんから。

 食事する時間すら惜しがったって経緯もあるが、流石に頼り切るのもどうかと思うし、ちゃんと食事くらい取って仕事して欲しかったのもある。

 本当に、乗り切りたい時だけの、必殺ドリンクなのだ。

 今の安寧氏には、きっと必要だろう。

 若干、訝しがったが、一気に飲み干したよ。


「……美味いですな。しかし、これといって変化は…………ん? 活力が漲る――滾るぞぉっ!」


「それは何より。じゃ、始めようか」


 明日からの予定に加え、娯楽国家を目指すので取り入れたい場所での遊びと視察を話し、滞在日数などの話をする。


「貸し切りにしましょう。えぇ……国庫から出しますので」


「いきなりで大丈夫なのかね?」


「ははっ、無茶を通すのが、我々の仕事ですので。それと、この先は何とお呼びすれば? 流石に、公王陛下と呼ぶのは問題でしょう」


「まぁ、どこの国の王だって話だろうしなぁ。ラフィで良いや」


「奥方様はどのように?」


「私達も同じで良いですが、夫の妻であると周知はさせたいので、さん付けでお願いします」


「承知しました、ミリアさん」


 呼び方も決まり、次は本題の食に関して。

 これは、概ねこちらの言い分が通った。

 というか、安寧氏がごり押したらしい。


「こういう立場ですから、出来る限り食事は美味しいものをと考えていまして。ラフィ殿の考えに同調できるんですよね」


「とは言え、再現出来なさそうな物も多いからなぁ。工場での大量生産品は特に再現しづらい」


「そこは経過情報も添えていますので、参考にして頂ければと」


「ふむ。……皆、何か意見は?」


 特に無いらしい。

 じゃ、次。


「娯楽品ですが、デジタル系よりもアナログ系が良いと考え、色々と情報を持ってきましたが……」


「俺の知識と大差ないか。後はスポーツ関連を娯楽にか」


「ラフィ殿からお聞きした限り、土地は潤沢ですが危険も多いみたいですな。ゴルフ場などは、安全が確保出来てからの方が良いでしょう」


「格闘技系は、ある意味日常茶飯事で、流行るかわからんしなぁ」


「我が国の国技も、同様でしょうな。ただ、娯楽に飢え過ぎてるような気もしますが」


「生きるだけでも大変な世界だからな」


「自分からすれば、魔法を使って見たいですね。そんなわけで、やはり子供と大人、両者が一緒に楽しめそうなのが無難でしょうね」


 娯楽については、情報と一部の商品をサンプルとして用意して貰う方向で話を終え、次はちょっと面倒な話へ。


「警護についてですが、特殊部隊を一部、導入させたいのですが」


「必要無いんだがなぁ」


「しかし、何かあれば一大事です。あらゆる事態を想定しておかなければ、裏方なんてやってられませんよ」


 言いたい事は分かるよ? でもね、万が一に備えて、狙撃手スナイパーはやり過ぎな気もするんだよね。

 裏切者が出ないとも限らんわけだし、こっちも最悪の想定はしておきたいんだけど、事態は少々厄介らしい。


「外国にも、存在しない機関はありますので。そこへの備えもあります」


「どっかのラノベみたいな話になって来たな」


 某魔王様と某卿の話みたいな。

 安寧氏の立場は、さしずめ胃薬と共にいる公安の人物かね。

 あ、八木がうんうん頷いてるわ。

 共感が得られたという事は、間違っては無いらしい。

 ……安寧氏にも必要か?


「胃薬ですか? 既に効きませんよ。胃痛はね、克服してからが上に立てるんです。はっはっは」


 全員が、同情したのは言うまでもない。


「楽しんだもの勝ちって事です」


 あ、この人、ブラガス化してるんだわ。

 ナリアなんて、ハンカチ出して涙を拭くような仕草してるし。


「あなた、流石に……」


「うん、ある程度は受け入れようと思う」


 安寧氏の安寧の為に。

 名前と違って、安寧の人では無いけど。


「それで、配置なのですが、ヘリを使おうかなと」


「一つだけ注意事項」


「なんでしょうか?」


「狙撃用スコープで覗き見したら、問答無用で処断するからな」


「緊急時以外は――と、付け足しても良いですかね?」


「緊急時でも、異性が着替えとかを覗き見たら処断」


「同性の護衛を、大目に手配します」


「SP?」


「似たようなものです」


「わかった。それで手を打とう」


 その後は他愛ない話をしながら、明日以降の予定を話し合う。

 少なくても1日は、買い物に時間を費やしたいとも話したら、すっごい嫌そうな顔されたわ。

 警護人を増やすのが、凄い大変らしい。

 あー、うん、なるべく固まって行動するから。

 それと、ほとんどの者達が、警護人より強いから、案内役程度に考えて。

 まぁ、多分、別れて行動する人数は、少ないと思うから。


「それと伝え忘れていましたが、自分は終始同行しますので」


「命令で?」


「志願ですね」


「胃痛を自ら求めに行くとか、ドМかよ」


「部下に任せて非礼とか、そっちの方が嫌です。楽しんだもの勝ちなんですよ」


「ついでに監視だよね?」


「名目上はですね。目的は、もう少し話を聞きたいんですよね。今後の為にも」


「……あ、そういう。上に無理難題吹っ掛けられるようにする為か」


「バレましたか。こういう部署ですので、切れる手札は多いに越した事は無いんですよ」


 安寧氏、お腹の中は真っ黒で、安寧とは程遠かったよ。

 食えないおっさんだと、再確認させられた。

 ……本当に、どこぞの胃薬公安の人物と似てるわぁ。


「あ、その物語は読んでいますので」


「読んでるのかよっ!」


「書籍は本編完結済みですよ。WEBも完結してますね」


「まぁ、八木達が召喚される前に、WEBも完結が近いって言ってたからなぁ」


「異世界ラノベの代表的なのは、粗方読んでいます。こういう職業なので」


「好きだったジャンルを、職業病で読んで欲しくはなかったなぁ」


「勿論、楽しんで読んでますよ。好きなキャラクターと言うか、部下に欲しいのは深◯卿ですね」


「リアル深◯卿、目の前にいますが?」


「自分、厨二病は発症してませんが!?」


 なんて会話が、後半の大部分を占めたのは言うまでもない。

 妻達? ミリアとリーゼ以外、トルティ嬢の元へ向かったよ。

 話しについて行けなかったと、後でミナから言われたよ。

 斯くして夜は更けて行き、少し遅めに就寝して、朝を迎えた。

 さて、今日から、帰るまでは楽しむぞー!!

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