第2話 色々聞いてみよう

 いきなり何かを決められたみたいだ。

 全神様が納得した表情してるし、わけわかんねぇ……。


「すまんのぅ蒼夜君。今から説明するのでのぅ」


「ジェネス様? そもそも私達の紹介をきちんとしてらっしゃらないのでは?」


 1人の女神様が俺の思ってる事を言ってくれた。

 女神様ナイス!!


「…………してなかったかの?」


「じぃさん。ボケるには早い」


 別の女神が創世神様をボケ爺呼ばわりしたー!?いや、神同士ならありなのか?


「獣神は相変わらず口が悪いのぅ。後で仕置きじゃ! 「ごめんなさい」」


 謝るの早っ!!謝るくらいなら、獣神様も言わなきゃ良いのに……。


「話しが進まんから戻すぞ。先ずは皆の紹介じゃな」


 ようやくですか……。

 そう思うが口にはしないでおこう。

 モザイク案件にはなりたくないし……。


「先ずはわしじゃな。出会った時ににも言うたがわしは創世神ジェネスじゃ」


 そう言われれば名乗ってたな……。

 すっかり忘れてわ。

 そして、神様達の自己紹介が始まった。


 創世神ジェネス

 戦神メナト

 時空神ジーラ

 武神セブリー

 全知神シル

 魔法神ジーマ

 商業神レーネス

 死神シーエン

 龍神リュラ

 獣神アシス

 生命神エステス

 破壊神トラーシャ


 になるらしい。

 創世神様以外は全員女神だった。


「後、蒼夜君にも伝えておくが、神々を作りし原初の神と言うのもおる。原初様は色んな世界を旅しておるので、見つけたら話をすると良い」


 原初神様ってのもいるのか。

 神って結構多いのな……。


「さて。皆の紹介も済んだし、これからは名前で呼ぶようにの。では、次の話じゃ」


 次か…さっきの何か決まった話なのだろうか?とにかく色々聞かないと……。


「先ず、蒼夜君には二つの選択肢がある。どちらも転生じゃが、一つ目は全てを忘れる転生じゃの。二つ目は不知火蒼夜としての記憶を持っての転生じゃな。どちらにもメリットとデメリットがある」


 そう告げたジェネス様だが、どうしても疑問に思ったので聞いてみることにした。


「生き返らせてはもらえないのですか?」


 その言葉にジェネス様は、やはりそう思うかって雰囲気を出した。

 まぁ、俺もそういったラノベとか好きだから、何となく察しはつくんだが……。

 で、答えは思った通りだった。


「基本は出来ぬの。いくつか特例はあるのじゃが、今回は特例事項ではあるが出来ないが結論じゃ。理由は、蒼夜君が神界で意識を覚醒させるまでに、葬儀が終わってしまったのが原因じゃ。生き返らせる為の前提条件が、既に失われてしまったのじゃよ」


 ジェネス様によると、肉体が残っていても、葬儀が始まった時点で生き返らせる条件が失われるらしい。

 何故かと聞くと、葬儀をされた時点で世界との繋がりが絶たれるからだそうだ。

 まぁ俺の場合は、葬儀終って身体も焼かれてるから、どっちにしても無理だが……。


「生き返れない理由は分かりました。では、二つの転生について教えて貰って良いですか?」


「構わんよ。一つ目は今の世界に魂を浄化して、0から新しい生を受けることじゃ。まぁ、人並みに幸せな人生を送れる様にはするがの。二つ目は異世界への転生じゃ。蒼夜君の世界の時代だと、中世ヨーロッパに似た世界じゃが、元の世界の常識とは大分違うの。後は剣と魔法の世界と言う所かの」


 俺は二つ目の転生話に、どっかのモヒカンみたいなヒャッハー!!的なテンションになっていた。

 勿論、心の中でだぞ。

 もうこれは、決まったようなもんだ。

 俺は二つ目の異世界転生を心の中で早々に決め、期待に胸を膨らませて、更に話を聞く事にした。

 だが!一応、とある確認だけはしておこうと思う。

 何の確認かって?そんなもの決まっている。

 食事だ!!これだけは譲れん!!てなわけで聞いてみたが、結果は惨敗……。

 そもそも、神様達もそこまでは知らないそうだ。

 後は行ってみてからのお楽しみ、とも言われてしまった。


「そもそも、こだわる所はそこなのですか?」

 

 とは、シーエン様のお言葉である。

 そんな残念な人を見る様な目をしないでください……。


「さて、他に聞きたい事はあるのかの?」


「異世界への転生は決めたので、転生する際の注意事項はありますか?」


 そう聞くと、全員がとても喜んだ。

 あー、これは何か勝手に決まったやつが関係してるな。

 とんでもない内容じゃありませんように……。

 神に祈…っても無駄だな。

 だって張本だし……。

 そう思っていると、注意事項の説明が始まった。

 注意事項に関しては、そこまでなかった。

 ただ、転生者で前世の記憶持ちと言う事は、極力伏せる様に位のものだった。

 まぁ、話すつもりもないので大丈夫だが……。

 後はあれを聞いておかないといけない。


「後聞きたい事ですが、ジェネス様は何を俺に任せるつもりですか?」


 そう!勝手に何か決まった内容だ。

 何となく嫌ぁな予感しかしないが……。


「その事か。……それについては、とある神について話さねばならないのぅ」


 ジェネス様はそう言うと、爆弾発言を連発し始めた。


「先ず頼みたい事は、神殺しをして欲しい事じゃな。その神は堕神おちがみ狂神くるいがみと呼ばれるものじゃ。その神は、元々は何かを司る神なのじゃが、自らの存在に疑念を持ち、神としての在り方を否定して至るのじゃが、早々至るものでもないのじゃよ。じゃが、数百年前に一人の神がなりおってな……。普通ならば神々で消滅させるのじゃが、至った神が特殊での。他の神を喰らい始めおったのじゃ。その神は、喰らった神の力を自分の物とする。なので、当時喰らわれた神は多く、ここにいる11神は、先代を継いだもの達なのじゃよ」


 …………かなり重たい話なんですけど?

 そもそも、その喰らう神はどうなったんだ?

 同じような神がいるから、倒して欲しいとかの為に話をしたとか?

 イマイチ要点がつかめないな。

 直接聞いてみるのが手っ取り早いか。


「ジェネス様。結局、その神はその後どうなったのですか?」


 その質問をした事を俺はマジで後悔した……。

 いや、異世界転生を決めた事を超後悔した。

 絶望しかない、無理ゲーとしか思えない発言をされたからだ。

 聞かなかった事にしたい…………。

 そう思える内容だった……。


「先に結論から言おう。消滅させられずに封印するしか、方法がなかったのじゃ。そもそも、喰らわれた神々は力の強いものが多かったのじゃが、11神を凌駕してるとは思わなかったの。消滅が困難だと判断するのに、時間はかからんかった。そこで11神は、自らの神格を後任に譲り、自らを楔として、わしに封印を頼んだのじゃ。ただ、楔となった力を奴は少しずつ喰らっておる。遠くないうちに封印は消えるじゃろう………。蒼夜君への頼み事は、奴を消滅させてもらう事じゃ」


 神様達が消滅させられない相手をどうやって俺が消滅させるねん!!ってツッコミたい!

 そもそも、そんな相手に人間が勝てるわけねぇ……。

 異世界は魅力的だが諦めよう……。

 普通にしよう……と思ってると、ジェネス様がまたもや色々と爆弾を落とす。

 もうこれ以上は、お腹一杯ですよジェネス様……。

 まぁ、ある意味まだ、希望の投下であったのが救いではあったが……。

 その内容とは、神では消滅させられないが、原初の神と人ならば可能と言う事だった。


「ジェネス様。何故、人と原初の神なら消滅させられるのですか?」


 理由が全くわからないので当然聞く。

 理由もわからんのに「出来るならやります!」と俺は言わない。

 そんな俺にジェネス様ではなく、シル様が答えた。


「封印した後に色々調べて、そこで分かったのが、邪神と似たような性質があったのです」


 次にトラーシャ様が邪神の説明をしてくれた。

 邪神は魂を喰らうらしいが、その性質が似ていると言う事だ。

 後、いつまでも奴だとわかりづらいので、ジェネス様が神喰と名付けた。

 神喰も邪神も喰らうと言う性質がある。

 なら他も似ているのでは?と考え、色々調べると、どちらも神格が歪になっていることが分かったらしい。

 歪になった神格は、神の力を行使はできるが神とは言えない状況との事。

 二つは共通した部分が多く、邪神は聖剣や神剣があれば、人でも倒せるので、ならば神喰も倒せるのでは?と考え、その考えは間違ってはいなかったそうだ。


 問題は、邪神と神喰いとでは力の差が違い過ぎると言う事だ。

 だが、封印したまま消滅もさせれるので、問題は時間と挑む者の力次第との事。

 そこまでわかっているなら、俺じゃなくても良いのでは?と思うのだが。

 そもそも、神界に人の魂が呼ばれたとはいえ、存在を保てるのは、ほぼ皆無(0ではない)らしいので、神様達も「次は無い」と言っていた。

 これ、引き受けないと延々と同じ問答を繰り返す某RPGになるんじゃね?

 結局引き受けるしかないのか……はぁ…。


 覚悟を決めた俺は、封印されてる場所を念のために聞いてみた。

 すると、俺の転生先の世界にある次元の狭間に封印してあるとか……。

 チクショー!!やるよ!やれば良いんでしょ!!


 後は復活と消滅までの時間なんだが、そこも問題はなかった。

 原初の神と人にしか扱えない神刀で、サクッと殺っちゃってとか言われた。

 さっきまでのシリアス返せよぅ……。

 なんでも、封印の地には人の魂でしか行けないらしい。

 それと道案内も必要らしいが、案内についてはシル様が引き受けてくれた。

 ただ、神刀であってもただの人が倒せるわけではないので、とりあえず限定的に加護が授けられた。

 授けてくれたのは……。


 戦神メナト

 武神セブリー

 死神シーエン

 破壊神トラーシャ

 全知神シル


 の5柱。

 ジェネス様の加護は、封印に干渉する恐れがあるらしく、今回は神刀を貸すだけに留まった。

 これで準備完了らしい。

 ではさっさと片付けて異世界転生しちゃいましょうか。




 かくして神喰消滅作戦が開始されたのだった…………。

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