第40話 冬支度
正宗が取り寄せた高菜が5kg届いた。
これを漬けるのだ。
「にゃんにゃにゃんにゃ〜。根元をカットして、よく洗って、洗ったら天日干しにゃ。
…今日はここまでにゃ。いい感じで干せたら明日か明後日に続きの作業にゃあ」
美哉がブラーバとルンバを稼働させた後にホットカーペットを敷いて、その上でコタツを組み立てる。
「パパー! コタツを出したよ」
「嬉しいにゃあ。暖かいにゃあ」
さっそくコタツに入ってゴロゴロと喉を鳴らす正宗。今日はもう、ここから動かないだろう。
幸せそうにゴロゴロと喉を鳴らす正宗をコタツに残して、美哉がおでんを仕込む。正宗&美哉の家ではおでんの日は菜飯やキンピラ、お浸しや白和えなど地味なおかずが並ぶ。地味だけど美味しいのだ。
両親のサロンを手伝っている文治郎も晩ご飯には戻るだろう。文治郎は地味ご飯だけでは物足りないだろうから冷凍しておいた餃子を焼こう。文治郎と美哉が2人でたくさん作って食べきれない分を冷凍しておいたのだ。
*******
翌日、ほどよく干せた高菜を塩揉みして保存容器に並べて重石を乗せる。
干したことと、塩揉みしたことでだいぶ量が減った。
美哉と一緒に作業した。楽しかった。
数日後、漬けておいた高菜の水分を絞って2度漬けする。塩を振って昆布と鷹の爪と一緒に漬けた。12月末には食べられるだろう。
必要になったら食べる分だけ取って残りは漬けておくと、どんどん美味しくなる。
高菜の葉っぱおむすびを作ったら露子のお仏壇に備えよう。これも露子の好物だった。
手抜きごはんの日は明太しらす高菜ご飯にしよう。炊き立てご飯で作れば簡単で美味しい。
正宗の冬は夏より楽しい。
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