第71話◇大草原の異変、悪魔界に繋がる影の大柱

◇◇ドリン視点に戻ります◇◇



「愚か者どもがぁ!!」


 ラァちゃんの怒声が響き渡る。

 場所はエルフの森外縁部、グレイエルフの町、トンネルから出たところ。


 ちょっと状況を整理しよう。

 サーラントの報せを受けてすぐに、俺達は部隊パーティ灰剣狼と猫娘衆と共に戦闘装備して、開通したばかりのトンネルを移動した。

 隠れ里の方は部隊パーティ白角のディグンと白蛇女メリュジン族長シノスハーティルに任せる。ここに神官のシュドバイルがいないのがちょっと痛いか?

 隠れ里の探索者、ディグン、バングラゥ、ロスシング、ボランギ、ルノス、にシノスハーティルを支えてもらうよう頼んでおく。


「わ、わた、私ひとりで?」

「緊急事態なんでひとつよろしく頼む」


 シノスハーティルの眼は目隠しで隠されているが、おそらくは半泣きになっている。銀の杖を握り締める手がプルプルしてるシノスハーティル。見てると不安になるので。


(おい、ディグン、それとお前ら)

(なんだ? ドリン)


 探索者の男連中を呼んでボソボソと。


(俺のじーちゃんの言葉だ。『窮地こそ好機』だ)

(どう好機だってんだ?)

(シノスハーティルと白蛇女メリュジンが頼りにしてる灰剣狼と猫娘衆がいなくなったら、今度はお前達が頼り甲斐があるとこ見せるチャンスだろうが)

((天才か! ドリン!))

(というわけで任せた)

((任せろ!!))


 ノリのいい奴等で助かる。

 ドルフ帝国兵団黒所属の人馬セントールローゼットが軽カノン2門を持ってきてくれたので、ローゼットの部下2名の人馬セントールが軽カノンを装備して、隠れ里の防衛の援護に入ってもらう。

 カノンさえ有れば古代魔術鎧アンティーク・ギア対策になるか。カノンを持って来るように言ったのはサーラントだと。


「サーラントにも考える頭があったんだな」

「ふん、ドリンの思い付きをなんとかするために、俺がどれだけ知恵を絞っていることか」

「苦手な知恵絞りをやらせて悪かったな。サーラント、知恵熱出して脳ミソ干からびさせるなよ」

「ドリンは魔術とイカれた発想で脳ミソをふやかし過ぎだ。そのうち溶けた脳ミソが耳の穴から流れ出るぞ」


 サーラントとローゼットの部下にその背に乗せてもらい、トロッコも全速で走らせる。大急ぎでトンネルを抜ける。

 移動中にサーラントとローゼットから地上の戦争の様子を聞く。鷹人イーグルスのネオールが見聞きした大草原の戦場の様子。

 ネオールは今も大草原を飛び回っていろいろ調べながら、多種族連合軍の再編成など手伝っているとのこと。


人間ヒューマンが戦力にするつもりで悪魔を召還した? いや、人間ヒューマンなに考えてんだ? 気でも狂ったのか?」

「流石、寿命が短くて先のことを考えられない種族はやることが違う」

「これまでは考えてるフリで取り繕うぐらいはしてたろうに」

「悪魔の脅威をナメてるとしか思えん」


 世代交代の早い人間ヒューマンは祖先の伝承も廃れるのが早いのか? 

 地下にいながらも地上の変化に気がついたらしく、古代種エンシェント小妖精ピクシーラァちゃんとドラゴンの紫じいさんは険しい顔をしていた。

 それもあって隠れ里の最強部隊パーティ、40層級の灰剣狼と猫娘衆には用意をさせていたわけだが。


「少しは役に立つかもしれんのー。持っていくがええ」


 紫じいさんが俺達に渡したもの。白蛇女メリュジンが保管していた紫じいさんの牙をみんな1本ずつ貰ったりしている。過去に牙が生え替わるときに抜け落ちたもの、だそうだ。俺が手に持つと紫じいさんの牙は短剣というか小剣というか。

 ただ、いまいちなんの役に立つのか解らない。古代種エンシェントの身体の1部が悪魔に対して何か効果あるんだろうか?

 トンネルの中の移動中もラァちゃんはイライラして落ち着かない様子だった。いつもは穏やかに微笑んでいるラァちゃんが厳しい顔になってる。それだけのことが地上で、大草原で起きているということか。


 サーラントがネオールの報せを受けるまで1日。サーラントとローゼットの部隊が開通したてのトンネルを駆けて、隠れ里に来るのに2日。俺たちがグレイエルフの町に行くのに2日。

 人間ヒューマンの軍が悪魔の召還魔術を使ったという日から5日後に、俺とサーラント、灰剣狼と猫娘衆が灰エルフの町に到着した。

 先に来ているグレイエルフのアムレイヤ、ライトエルフのファーブロン、白蛇女メリュジンのシュドバイルと合流しようとする前に。

 空中に飛んだラァちゃんの激怒が空気を振動させた。


「むーちゃんが! みのっちが! しばたんが! さたやんが! ひーろんが! その身と命をかけて守りしアルムスオンぞ! 死闘の果てに守りし世界ぞ!」


 小さななりをしててもラァちゃんは古代種エンシェントだった。

 8枚の不思議な形の羽根を、赤に黄色に光らせながら身長40センチのラァちゃんが怒って叫ぶ。


「我らが苦悩も悲願も! 愛し子を思う慈愛も! 神の慈悲をも嘲笑うかや!」


 小さな身体でそんな大声が出るわけが無い。でもラァちゃんの思念が直接頭を叩くように響く。空気が、大気が、ラァちゃんの怒りに怯えるように、震えてビリビリと振動する。


「下衆で蒙昧な無知の愚者愚者の脳天破ノウテンパーがぁ!」


 古代種エンシェントの怒気に上から頭を押さえつけられるような圧を感じる。

 これが古代種エンシェント。暗黒期以前より5千年以上生きる亜神に近き者。

 ラァちゃんはちっちゃくて可愛いのに、こんな威圧をこれまでその身に隠していたのか。それでこそ俺達の世界を守ったという俺達の御先祖様だ。

 ラァちゃんも紫のじいさんもとぼけて軽いノリでいるけれど、これが本来の古代種エンシェントなんだろう。あふれる怒気だけで木々が揺れ、みんな吹っ飛ばされそうだ。


「ラァおばあちゃん! 落ち着いてー! みんな怖がってるからー!」


 みんながすくんで動けない中、シャララだけがラァちゃんの近くまで飛んで呼びかける。


「ラァおばあちゃん! お願いだからー!」

「ふぅぅぅぅ」

「ラァおばあちゃん?」

「すまぬ、怒りに流されそうよ」

「あの、大丈夫?」


 ラァちゃんは長い桃色の髪がうねり、両手で自分の身体を抱きしめるようにして震える。


「ラァおばあちゃん?」

「ラァの怒りを、静めるのを手伝ってくれるかえ?」

「なんでもするよ!」


 叫ぶだけ叫んで、どうやら少しは落ち着いて話ができるようだ。長い付き合いなのかもしれないが、ここにシャララがいてくれて助かった。

 宙に浮くラァちゃんの羽根の光も落ち着いてきたようだ。フワリと下りてきたラァちゃんが狼面ウルフフェイスカゲンの顔の前に。


「カゲン、良いかや?」

「俺か?」


 カゲンが驚いている。なぜ、ここでカゲン? カゲンは、あぁ、と頷く。


「俺でできることならば」

「ではその尻尾に触らせてくりゃれー」

「尻尾? いや、尻尾は、う、うおぉ」

「おー、ふっかふかよぅ。極上の肌触りよぅ」


 ラァちゃんは全身で狼面ウルフフェイスのカゲンの尻尾に抱きついた。

 毛の長い狼面ウルフフェイスの尻尾は触り心地良さそうだけど、なかなか触らせては貰えない。狼面ウルフフェイスの尻尾とは、それこそ恋人か親友がお願いしてやっと触らせてもらえるというもの。


「う、うおぉ、く、くすぐったいぃぃぃ」

「兄貴、堪えてくれ……」


 狼面ウルフフェイスにとって他人に尻尾を掴まれるのは、かなり嫌な感じがするらしい。尻尾の無い俺には解らない感覚だ。

 カゲンは宙を手で掻いて悶えている。反対にラァちゃんは怒りが鎮まってきて落ち着いてきた。


「逆撫でっ逆撫でっ逆撫でっ逆撫でっ」

「ぐ、む、ぬお、ぐぅ、うぉおあっ」

「兄貴……」


 ラァちゃんはカゲンの尻尾に全身で埋もれて満足そうにしている。ここにカゲンがいてくれて助かった。カゲンの犠牲を俺は忘れない。


「むふー、前からやってみたかったのよう」

「うぉうぁっ。ぐむっ。ふんぬぅぅう」


 満足してもとに戻ったラァちゃん。俺達はぐったりしたカゲンを引きずるように連れてグレイエルフの町の中央広場で、みんなで集まっての作戦会議。

 前回とは違ってダークエルフのディストレックと、グレイエルフのアムレイヤのおねーちゃんのリムレイルは、多種族連合軍の方に行っててここにはいない。


「5日前に人間ヒューマンの軍で悪魔召喚の大規模な魔術が行われた」


 戻ってきたネオールに状況を改めて説明してもらうことに。ここには小人ハーフリング南方スパイシー種のミトルも来ている。こっちでやることが決まったらシュトール王子の多種族連合軍と連絡とらないと、ということで。

 ここには、他にもローゼットに蝶妖精フェアリー小妖精ピクシーの各族長。エルフの長老会と族長会から来てるのもいて、かなりの人数でゴチャゴチャしてる。皆で緊張の高まる中で、ネオールの状況説明が続く。


人間ヒューマンが何をしたいのかはもう解らん。なんせこの悪魔召喚で人間ヒューマンの軍が大混乱に陥った」

「はぁ? どういうことだ?」

「俺は魔術にも悪魔にも詳しく無いから解らん。多種族連合軍のエルフ、ディストレックとリムレイルに聞いてみたが、ふたりとも悪魔の召喚の系統は専門外だから。どうも人間ヒューマンの悪魔召喚が失敗したというか、中途半端に成功したのではないかという」


 どういうことだ? まずは現状把握が最優先だ。


「とりあえず、起きたことを順に説明してくれ」

「解った。まずは戦争2日目にあの大きな黒い影の柱、悪魔界と繋がる門が大草原に出現した。この黒い柱を界門と呼ぶことにする。で、この界門の出現と同時に界門の周囲の人間ヒューマンが狂乱して同士討ちを始めた」


 なんかもう、凄いな人間ヒューマンは。未完成の魔術のテストだったのか? 実験だったのか? 何がしたいんだ?


「多種族連合軍は事前に撤退を始めたものの、逃げ遅れた人馬セントール人熊グリーズ蜘蛛女アラクネが狂乱した人間ヒューマンの軍に当てられて被害が出た。その人間ヒューマンの中には下位の悪魔が何体か混ざっていた」


 これでは悪魔は総数で何体現れたのかは解らんな。


「多種族連合軍は界門から離れて負傷者の救助と軍団の再集結。狂乱した人間ヒューマンの方は大草原を四方八方散り散りに逃げ惑う。これが1日目。2日目も界門はそのまま変わらず大草原に聳え立つ。このときは近寄れなくて界門周囲の様子は解らない。空を飛ぶ悪魔も遠目に見えたし。大草原の方は狂乱した人間ヒューマンの同士討ちに、人間ヒューマンと下位の悪魔が戦って乱戦の混戦でわやくちゃだ」


 グレイエルフの族長レスティル=サハが手を上げる。


「異変に気がついた我らも、エルフ長老会に伝えて深幻森の樹霊人トレントからエルフ古代種エンシェントに助力を要請した」


 テーブルの上でクッションの上に座るラァちゃんが眉を寄せる。テーブルの上にはラァちゃんの機嫌をとるべく、甘いお菓子に鎮静効果のあるハーブティーが並んでいる。

 そのラァちゃんが悔しそうに口を開く。


「ぷらんちゃんか。かつての戦いで目を悪くしとるゆえ、そっとしといてやりたいのが、そうもいかぬかえ」


 レスティル=サハが頭を下げる。


「我らの不甲斐なさで迷惑をかけます」

「いや、これはいつもの戦争がいつもの結末に落ち着くと甘く見ていたラァの油断よ。ラァこそ肝心なときにおらぬですまなんだ」


 エルフ一同に小妖精ピクシー一同とラァちゃんがしんみりする。

 だけどこれはラァちゃんのせいじゃ無いだろう。やらかしたのは人間ヒューマンだ。

 しかし、この展開は良くない。これではイカれた人間ヒューマンを全滅させようって意見が出るし、それに同調するのが増える。そこから泥沼化する全面闘争にもなりかねない。

 俺は人間ヒューマンを庇う気は欠片も無いが、本格的に対人間ヒューマン闘争となれば、どれだけの期間が続いてどれ程の損害が出るか解らん。

 なんせあいつら数だけは多いからな。そこは避けたいところだ。


「ネオール、続けてくれ」

「あ、あぁ。界門出現から2日目まで話したな。3日目に異変が起きた。界門が、黒い影の柱がいきなり細くなった。これは原因不明。だけど界門が無くなった訳じゃ無い。黒い柱が細くなって界門回りの空も明るくなった。今はそこから新しく悪魔は出てきていないようだ。4日目から俺が界門に少し近づいて、周囲の様子を探ってシュトール王子に報告している」

「どんな様子だ?」

「細くなった界門を守るように下位の悪魔が周囲にいた。空を飛ぶ奴もいたからそんなに近づけないけどな。ただ大物というか、その下位の悪魔を仕切る上位の悪魔ってのが見つからない。人間ヒューマンの軍はというと、下っ端を置いて逃げたようだ。アルマルンガ王国の騎馬兵と、古代兵器武装騎士団アンティークナイツと、ユクロス教の神官戦士がそれぞれ少数残っているが、それが逃げ遅れただけなのか、なにか目的があって残ってるのかまでは解らん」

「大草原に逃げた人間ヒューマンの方は?」

「あちこちに散らばってる。収拾がつかない状態で、中には草原に火をつけて暴れてたりする奴等もいる。あぁ、逃げ遅れた輜重隊っていうのか? 食料運んでる隊とそれを襲うのとで人間ヒューマン同士が争っていた。人間ヒューマンはそんな感じ。多種族連合軍は人間ヒューマンの狂乱した兵と下位悪魔を近いとこから討伐してるが、大草原全域を捜索とか今のところ無理だ」


 なんだこりゃ? 人間ヒューマンやるだけやらかしといて、あとは異種族と古代種エンシェント任せか? 尻拭いを他所に丸投げしてとんずらか?


「ドリンは悪魔について、何か知らないのか?」


 ネオールに聞かれるが、悪魔にも悪魔の召喚の系統の魔術も俺は専門外だ。じーちゃんに聞いたことぐらいしか知らないので解ることは少ない。

 俺が考えているとサーラントが話す。


「悪魔についてなら、ネオールは何故悪魔の召喚に気がついた? 多種族連合軍の中で真っ先に気がついたのはネオールと聞いたぞ」


 とネオールに問う。そうなのか?


「俺は昔、部隊パーティ白角で、小人ハーフリングの集落の防衛ではぐれた下位悪魔と闘ったことがあるんだよ。ファーブロンが白角に入る前のことだけどな。そのときと同じ匂いがしたからマズイって解ったんだ」

「匂いってアレ? 枯れて干からびた草と鉄の錆を混ぜたような、気っ色悪い奴?」


 ネオールの発言にグランシアが聞き返して、ネオールがそうそれと頷く。聞いていた猫娘衆の全員が、あーあれかー、と納得したような雰囲気。


「グランシア、悪魔とバトルしたことあるのか?」

「猫娘衆で相手したことあるよ。下位の悪魔なら肉体をバランバランに潰せば、魂は悪魔界に還るって聞いてたんで寸刻みにした。ただ治癒力というか再生力があるから手こずった」

「ちょっと戦力確認だ。対悪魔戦の経験のある奴は手を上げて」


 猫娘衆の6人と、ネオール。灰剣狼はディープドワーフのガディルンノひとりだけ。あとはグレイエルフ族長レスティル=サハ。蝶妖精フェアリー族長ソミファーラ。他にもポツリポツリと手を上げるのがいる。意外と多いな。


「ネオールが白角で悪魔とやりあったことあるなんて初めて聞いた」

「いや、そのときは白角だけじゃ無くて他に部隊パーティふたつと合同だったけど。みんなで動きを止めてディグンのパワーでミンチにしてなんとか」

「猫娘衆は?」

「あのときは人間ヒューマンの悪魔崇拝者とやりあうはめになってね。そいつが自分の身を贄にして召喚した悪魔と合体してた。そのときにネオールの言ってた気色悪い匂いがしたんだよ」


 グランシアに続けてゼラファが、


「あれは腐った血の匂いにも似てる。傷口から流れる新しい血ではなくて、腐りかけというか放置してしばらくした古い血の匂いというか」

「なんて言えばいいかな。生臭くは無いんだよ。近いもので枯れた草と鉄の錆を混ぜた匂い」


 その匂いがしたら悪魔が近いってことか。


「それは悪魔の匂いでは無いのよ。悪魔界の障気の匂いよ」


 テーブルに座るラァちゃんが説明してくれた。


人間ヒューマンの狂乱も悪魔界の障気にあてられたものよ」


 悪魔界から漏れた空気に触れるだけで狂うとか、さすがは異界だ。ぞっとする。


「その人間ヒューマンの狂乱が問題だ」


 サーラントが切り出す。


「ネオールから聞いたところ人間ヒューマンの集落が襲われていると」

「はぁ? おいサーラント。大草原の人間ヒューマンの隠れ開拓村はドルフ帝国が見つけて人間ヒューマン領域に追い返したんじゃ無いのか?」

「正確には戦争の逃亡兵と人間ヒューマン領域から再び追いやられて戻ってきた人間ヒューマンだ。大草原から避難した小人ハーフリングの集落跡地、人馬セントールが住んでいた村。その無人の村の跡地に勝手に入り込んで住んでいる人間ヒューマンがいた」


 なんというか、たくましいのかバカなのか。無人の異種族の集落跡地に勝手に住み着いた人間ヒューマンと、それを襲う狂った人間ヒューマンか。


人間ヒューマンの同士討ちなんて放っておけばいいんじゃないか?」


 ネオールが言うことに頷くのがけっこういる。だが、これがサーラントが俺達を呼んだ理由か。


「なるほど、サーラントはそいつら助けてやりたいのか」


 横目でサーラントを見ると、ふんと鼻息ひとつして。


「既に戦争の形は崩れた。もともと、ろくに戦うこともできん奴等を虐殺することも気にくわん。それにこれはドリンが前に言ってた案に使えるのではないか?」

「憶えてたか。しかしそうなるとずいぶんと急ぐことになるぞ?」

「ならばさっさと仕掛けて手早く終わらせろ」

「無茶言うな。仕込みも全然できてないのに。それにその前に悪魔の方をどうにかせんと」


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