第2話 光
きれいな星空を見上げて
このすべてが太陽であると思うと気が滅入る
黒というより少し青い夜空に輝く星と
月の明かりに照らされている私を強烈な光が照らした
その光は私の真横からスポットライトのようなまっすぐな光で
様々な色でものすごい勢いで空へと駆け上っていく
すべてが砂から抜き出たと思ったら
私を中心に弧を描くように宙を舞い
私の真上に来た
首を思いっきり空に伸ばして食い入るように見つめた
その瞬間時が止まったような感覚になった
私はその強烈な光をかき集めるように見つめ続けた
長く感じた瞬間が終わり
私は走り出した
夜空の星も深紅の満月も
弱弱しい明かりに変わり
真っ暗闇の中
私は走った
興奮してただただ走り続けた
息を切らし肺をつぶし
足をもつらせて躓き止まった
大きな壁が目の前にあった
その壁は呼吸をしているように上下に動いていた
サバクなのになぜか湿っているその壁は
目玉を私に向けた
私は脂汗を流しながら
目の前の大きな生き物をただただ見ていた
大きな目玉はひとしきり私を見つめ
終わると
ゆっくりと静かにいつの間に消えてしまった
力が抜けその場にへたり込んだ私は
少し笑いながら
拳を握り
震えながらテントまで戻った
その帰路の途中、ぼんやりと光る小さな石を見つけた
それをポケットに入れて持ち帰り
私は深い眠りに落ちた
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