第二章 7-1
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「既に
レイネリアが目を覚ました時、傍らには昨夜世話になった侍女のタルペイアが立っていた。そこはサナリエルの私邸の貴賓室であり、相変わらずの豪華な寝台に彼女は横たわっていたのだが、もう片方に在るべき者の姿はなかった。
やはり、ミストリアは自分を置いて旅立ってしまったのだ。しかし、不思議と悲壮感はなかった。むしろ湧き上がってきたのはある種の使命感、そして万能感であった。
これには何か理由があるに違いない。それが皇帝の策略なのかは分からないが、あのときミストリアは信じてほしいと言った。ならば自分も信じて後を追うだけである。
「
彼女は黙って頷くと、洗濯の済んだ自身の旅装束を受け取り、素早く身支度を整えて部屋を出た。屋敷は相変わらずの厳重な警備体制が敷かれていたが、二人は昨夜のように邸宅の隠し通路を駆使しながら、誰にも
そこには堅牢な縦格子が立ち塞がっていたが、タルペイアが長く伸びた鉄棒に触れると呆気なく外れてしまった。どうやら事前に細工をしていたらしく、空いた隙間から帝都の裏通りへと抜けることが出来た。
そして、
「さあ、厨房で
咄嗟に彼女は
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