第2話 鉄道の宝庫 鉄博にGO!
ガヤガヤガヤガヤ
京都河原町駅付近では観光客であふれかえっている。
特に外国人観光客が多く見られて、いろいろな言語が飛び交ってる。
まるで、日本じゃないみたい。
僕らは四条大橋側の出口から外に出た。
「さすが京都の中心って感じだね」
と加奈が言う。
そう、この河原町にはたくさんのお店というお店が集中していて観光客がお土産を買ってったりするんだ。
だけども、僕らはお土産を買わず四条大橋を渡り、その先の十字路を右に曲がり、川沿いを進んでいく。
「今からどこ行くの?」
加奈がきょとんとした表情でこっちを見てきた。
「ちょっとね、京都に来たら寄っておきたいところがあるんだ」
そう僕が答えると加奈は、口をとがらせる。
「寄っておきたいところって、どこなのよ」
「それは着いてからのお楽しみってことで」
と僕は微笑みながら答えた。
そんなこんなで、気がついたら京阪電鉄の七条駅が見えてきた。そこを右折してしばらく歩くと、とてもでかい駐車場が見えてくる。その駐車場を左折して200mほど歩いたら。
「もしかして、このでかい建物は。京都駅舎じゃない?」
「ご名答、ここが京都府の中心駅、JR京都駅なんだ!」
と僕はクイズ番組の司会者のように答えた。
京都駅には、JR東海、JR西日本、近畿日本鉄道、京都市営地下鉄の4つの鉄道会社が乗り入れるビッグターミナルなんだ。
ちなみに、路線はなんと7路線乗り入れているんだ。
京都駅に到着したのは12時前。
お昼前ということでもあり、駅前は人であふれかえっている。
「それで何線乗るの?」
「山陰本線だよ」
「山陰本線!?山奥にでも行くの??」
加奈は不思議そうな目で僕のことを見つめながら言った。
山陰本線はここ京都から福知山、鳥取、松江、長門市などの日本海側を経由して、山口県下関市の幡生(はたぶ)駅まで至る全長673.8kmであり、新幹線を除く日本最長のJR線(在来線)の路線なんだ。
そのうちの京都から園部(そのべ)までの区間は「JR嵯峨野線」という愛称で呼ばれているから、そっちのほうが馴染みのある人が多いかもしれないね。
僕らは12時12分発、各駅停車亀岡行に乗った。
車両は221系で、車内はさっき乗った阪急の車両と同じ転換クロスシートだ。
京都駅を出て左側の東海道本線の線路と別れた後、単線になったと思ったらすぐに複線の線路になった。
右にカーブしながら坂を上り、新しそうな駅に電車は滑りこんだ。
駅名標には、「梅小路京都西」と書かれていた。
「加奈、ここで降りるよ」
電車は僕らを置いて、12時15分に梅小路京都西駅を定刻通り発車した。
梅小路京都西駅は2019年の春に開業したばっかの駅なので、改札機や券売機などもとてもきれいだった。
改札を出た瞬間、僕たちは巨大な建物を目にした。
「もしかしてあの建物って、鉄道博物館?」
加奈は目を輝かせて言った。
「ご名答。京都鉄道博物館だ。」
「京都に移転してから一回も行ったことなかったけど、こんな場所にあるんだ!」
実は、2014年に閉館した交通科学博物館の後継施設として、2015年に閉館した梅小路蒸気機関車館を拡張リニューアルする形で2016年に開館したんだ。
僕は京都鉄道博物館には一度来たことがあるけど、その時はまだ梅小路京都西駅が開業してなかったから、京都駅からバスで来たんだ。
今もバスで行くことができるから、時間が合わなかった時には使うと便利かも。
京都鉄道博物館の入場料は大人が1200円で、小学生はなんと500円なんだ!
僕と加奈は中の券売機で1枚づつ買って受付の人に見せた。
「いってらっしゃいませ~」
『行ってきます!』
僕らは元気に返事をするように言った。
受付を通り過ぎるとまずは、初代新幹線の0系がお出迎えしてくれた。
中に入ると鉄道車両はもちろん、鉄道シミュレーターや鉄道模型のジオラマなどがあり、めいいっぱい楽しんだ。
気が付くと閉館時間の17時になってしまった。
次回へ続く...
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