第二章「ノルニルー神の子と女神ー」
プロローグ① 魔力の女神
人間はとある神によって創られた。
神は人間を創ったのと共に住む場所と生活するための知恵を与えた。
人間は生活範囲を広げ、確実に繁栄していった。
神は人間界で何が起きようとも傍観者に徹した。世界の行く末を人間に委ねたのである。
数百年後、事件は起きた。
世界的に発生した大干ばつ。
太刀打ちできないほどの自然災害に、人間は為す術なく絶滅の一途を辿ろうとしていた。
それでも神は傍観を続けた。
自らで創った人間と世界。
その責任を取らず、面倒も見ず、成り行きに任せる神の態度を見かねたとある女神は人間たちに救済の手を差し伸べた。
女神は人間の前に現れると、彼らに『魔力』を与えた。
そして『魔力』をエネルギー源として発動できる『魔術』を教えた。
『魔術』には知識が必要である。
『魔力』を媒介に知識を具現化する。
それが『魔術を使う』ということである。
女神から直接『魔術』を教わった人間は同時に知識も与えられた。
だからすぐに『魔術』を使用できた。
水不足は解消され、人間は絶滅を逃れた。
女神が初めて人間界に降り立った町は、魔術発祥の地として崇められ、その地を中心に人間は繁栄を続けた。
町の名は「ヤルル」。
別名、魔術発祥の町、魔力の子らの故郷、奇跡が降った地。
今から千二百年以上前の話である––––。
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