神聖ローマの娘はブリタニカで一番です!


 二人はそれ以来、セパレイティスト・クラブ神聖ローマコロニー発展に尽力するようになりました。

 勿論、夜の機会を逃すようなことはありません。

 テロワーニュがソフィア・ペロフスカヤに夜伽のシェアを頼んでくれたのです。


 ソフィア・ペロフスカヤはセパレイティスト・クラブ内では浮いた存在、親しくしている女もいません。

 いきさつもあり、自らの夜伽の時に二人とともにシェアしてくれたのです。


 努力の甲斐があり、程なくして二人は目出度く側女に昇格、以来三人で仲良く夜伽をともにするようです。


 さらには時々、例の『Chinesisches Haus――中国茶館――』でロシアティーを飲んだりしています。

 

 プロイセン王国は、ポツダムのサンスーシー庭園内の『Chinesisches Haus――中国の家、または中国茶館――』と、その付近をアリアンロッドに献上したようです。

 いまではこの建物は『アウグスタ・ハウス』と改名されています。


 ドイツ国民の神聖ローマ帝国内にありますが、治外法権で守られており、セパレイティスト・クラブが管理しています。

 セパレイティスト・クラブの許可がなければ立ち入りはできないのです。

 たとえプロイセン王族といえど例外はありません。


 ここにセパレイティスト・クラブ神聖ローマコロニー、およびその下部組織プロイセン・ルームが置かれることになり、ヒルデガルド・クラムが責任者となりました。


 キンスキー・リヒテンシュタインはセパレイティスト・クラブ神聖ローマコロニーオーストリア・ルームの責任者となり、設置場所を物色中です。


「ヒルデガルドさん、美しさではオーストリアは負けませんよ!」

「こちらこそ、ドイツで一番は私たちです!そして神聖ローマの娘はブリタニカで一番です!」


「そうね、互いに切磋琢磨すればそうなるでしょうね」

「まったくその通り!仲良く競争いたしましょう!」

 切磋琢磨の結果、二人は側女になっていました。


 そして、ある日……

「ところでヒルデガルドさん、明後日、私は夜伽の番なの、勿論シェアするでしょう?」

「ソフィアさんには、オルゴールを掛けたのでしょうね?」


「当然よ、三人で可愛がって貰うのよ、でね、ナイトウェアですけど何を着る?」

 二人の話はいつも夜の話へと脱線してしまうです。


 あれほど嫌がってた二人なのに、ソフィアさんを巻き込んでかなりいかがわしい話しなどしています……

 どんなウェアにするのでしょうかね……


 この二人、どうもアリアンロッドさんの夜に侍ってから、ベッドの上では貞淑などという言葉は失くしたようで、かなり壊れたのではありませんかね。


 FIN

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る