第21話 危険回避の為なんだ

 めでたくレベル3が解放になっていた。レベル4を解放するのには、2,300の熟練度が必要だ。つまり26個のスキルを作成しなくてはいけない。


 で、レベル3のスキルはレベル2と違って少ない。

 『水魔法』『火魔法』『土魔法』『風魔法』『サーチ』『ピュリファイング』の六つしかない。

 って、魔法だ!


 『どうだ? レベル3が解放になっていたか?』


 「うん。しかも魔法がある!」


 『ほう。何魔法だ?』


 「水魔法と火魔法と土魔法と風魔法」


 『何!? 四大魔法全部か! スキル錬金とは凄いモノだな』


 「うん。魔法のスキルも作れちゃうなんて凄いよね! 魔法が使えればモンスターの討伐も受けられるかも! それに魔力も増えて行くよね」


 『そうだな。よし明日から討伐を……』


 「あ、でも。変に思われるよね~」


 『ちゃんと変に思われるとわかっていたのか。しかしあるのだから使えばよい』


 「うーん」


 僕が魔法を使えちゃうと、魔法持ちとの夢の冒険がなくなちゃうよね? けど使ってみたいしなぁ。やっぱり隠れて使うのがいいかな?


 「とりあえずは、ユイジュさんに色々教えてもらってから考えようかな。それに、作成するのには、条件をクリアしないとダメだから」


 『そういえば、そう言っていたな。難しいのか?』


 「どうだろう?」


 えっと……。


 『水魔法』――全身で水を感じる。

 『火魔法』――火を点ける行為をする。

 『土魔法』――土にまみれる。

 『風魔法』――全身で風を感じる。

 『サーチ』――『探す』『見つける』を取得し、尚且つリンリン草を3つ探し手に入れる。

 『ピュリファイング』――『洗う』『清める』を取得し、尚且つ全身の汚れを落とす。


 「うーん。なんか魔法は、火魔法以外抽象的な感じ? サーチは……」


 僕はチェトをチラッと見た。キラキラした瞳で僕の事を見ている。うん。怖い目に遭わせてはダメだ! リンリン草は一人で採りに行こう!


 「ま、魔法を覚えて使ってみたいね! 火魔法なら覚えられそうだよ」


 『ロマド、我を騙そうとしていないか?』


 「し、して……い……」


 チェトが僕を悲しい瞳で見ている。なぜ教えてくれないんだと目で訴えている!


 「チェト~! 君の為なんだよ。だから嫌わないで!」


 『まて、泣いて頬づりをするな。せっかく洗ったのに汚れる』


 僕が、むぎゅ~としてチェトにわかってもらおうとスリスリしたら、やめてって言われた! が~ん。


 「うううう」


 『わ、わかった。魔法をまず覚えようではないか。魔力が増えれば、我も大きくなれる』


 「うん。そうだね。魔法を覚えれば、お肉買えるね。頑張って稼ぐからね!」


 『うーん。どうも話が噛み合ってないような……』


 とりあえず、誤魔化せたみたい。

 今日は、何となく後ろめたさがあって、もう一度ブラッシングしてあげてから寝た。



 「おはようございます」


 「やっぱり本当に連れて来たか」


 僕を見たユイジュさんの朝の挨拶前の言葉です。

 いいって言ったじゃないか~。


 「今日は、見回りをした後、そ……」


 「チェトをお願いします。僕走って一人でちゃちゃと終わらせてきます!」


 「はぁ? おい!」


 僕はチェトを抱き上げ、ユイジュさんに預けた。


 『待て! 一体なんだ?』


 ごめん、チェト! 君の為なんだ~!!

 今振り返ったら泣きそうなので、振り返らずにダッシュだ!


 「おーい!」


 ユイジュさんの声が聞こえるも僕は走った!

 前にリンリン草もどきを採取した場所へと行く。きっと本物もあるに違いない。ちゃんとリンリン草を採取出来れば、作成画面が出るんだからわかる!


 「サーチを作成出来れば、かなり採取がやりやすくなる。はず……」


『サーチ』――モンスターやアイテムなどをランク別に検索する。


 昨日内容を調べたらこう出たからね。しかもモンスターがいるかもわかるみたいだし。

 僕はもう一度、本とにらめっこして、本物のリンリン草を探した。

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