第8話 僕の家族

 僕は、家に戻って来て布団の上にごろんと横になっていた。

 楽しみにしていた、スキル作成条件を見ようと思う。


 「スキル作成条件」


 そう言うと、目の前に文字が見える。


 「おぉ。見えた!」


 って、色々増えている。


 レベル1―――100%

 ★『採取』――採取しても疲れなくなる。


 となって取得済みとなっていた。

 どうやら☆だとまだで、★だと取得済みらしい。


 で、レベル2がやたらに数が多い。これ100以上あるぞ。

 採取を取得したから解放されたのかな?


 とりあえず、ダッシュの取得条件を見てみよう。


 ――全速力で3分間走り続ける事。


 マジか。僕3分も全力疾走したんだ。うーん。結果的に一角獣に襲われて、よかったのか?


 あ、水汲みもある!!


 ――桶に総合計100リットル分の水を汲む事。


 結構簡単だな。これを取得する意味はあるのか?


 あ、そうだ。熟練度の取得方法を確認しておこう。採取以外にあるかもしれないし。

 そう思って見て驚いた。


 熟練度は、スキル作成すると50取得する。スキルレベル解放をする為には、そのレベルの熟練度が必要。


 と書いてあった!!


 あの増えた熟練度は、スキルを二つ作成したからだった。

 あれ? じゃ、もう採取では増えないの?


 よく見ると、スキルレベル1の解放条件が、ランク外採取で熟練度を上げるだったようだ。鑑定師に、どう見えていたかはわからないけどね。

 レベル1の解放熟練度が50。レベル2が100。

 つまり、草むしりで熟練度が50になって、スキルレベル1が解放。スキルレベル1のスキルが『採取』のみだったので、採取で熟練度50取得して100になり、スキルレベル2が解放されたって事らしい。


 レベル3の解放条件は、熟練度1,000。あと17個のスキルを作成しなくては解放されない。出来そうなのを作っていくかな。


 これなんかいいかも。筋力(足)アップ。


 ――累計1万歩を歩く。(ただし、歩きのみ計上。走った場合や階段の上り下りは不可)


 走ったらダメって凄いな。あ、そっか。ダッシュとかあるからなかな?

 って、これは歩いているうちに上がるか。


 あ、面白い! 木登りだって! あ、速読とかもある。これは役立ちそうだな。


 「ロマド、ごはんよ~」


 「あ、はーい」


 そう言えばお腹空いたな。



 ごはんを食べ終わり、ふうと一息。そう言えば、料理も覚えたら冒険に奴立つよな。レベル2にあるかな?


 「あ、母さん。僕、冒険者になったから」


 「え!? 錬金術師になるって言っていなかった? まあ、無理だったんだとは思ったけど……大丈夫なの?」


 「大丈夫だよ。冒険者の先輩に色々教えてもらえる事になったんだ。その人は、モンスター退治専門みたいだけど。だからモンスターと遭遇しても大丈夫だよ」


 「そう。無理しないでね」


 「うん。テマ預かり所の登録も終わったし」


 「そうね。もうあなたも一人前ですものね」


 少し寂しそうだ。

 父さんは、『漁師』というスキルだった為、海に出ている。でもこの村は海に面していない。年に数度帰って来る程度だ。

 稼げるうちに稼ぐ事にしたらしい。母さんにいつも送金してくれていた。だから母さんの税金と生活費はなんとかなっていた。

 僕が冒険者になればいずれここを出て行く。父さんが戻って来るまで、母さんは一人ぼっちだ。


 「あのさ。できるだけここから通うから」


 「ありがとう。でもあなたは、あなたの夢を追いかけていいのよ」


 「うん。頑張る」


 僕が話していた夢。世界を旅してまわる冒険者。

 もしかなったら父さんに戻って来てもらって、今度は僕がお金を送金すればいい。

 よーし頑張るぞ!

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